コロナをきっかけに在宅勤務になり、当初は「出社しなくていいなんて最高!」と、嬉しく思っていた人も多いのではないでしょうか。
ところが今、在宅勤務が原因のストレスに悩む人が増え、問題視されています。
最近では「テレワークうつ」や「サイレントうつ」という言葉も聞かれるようになりましたが、在宅勤務のストレスからうつ病になってしまう人もいるよう。
在宅勤務のストレスには、一体どのように対処すればいいのでしょうか?
この記事では、在宅勤務4年目の筆者の経験も踏まえ、在宅勤務のストレス解消法を紹介します。
在宅勤務にストレスを感じている人は多い
テレワーク・リモートワーク総合研究所の調査データによると、約4割の人が「テレワークになってストレスを感じる」と回答しています。
性別別にみると、男性の方がややストレスを感じている人が多いよう。
また、年代が上がるほど、在宅勤務にストレスを感じる割合が増える傾向にあります。
出社するのが当たり前で長年過ごしてきた人にとっては、変化に対応するのが難しいのかもしれません。
在宅勤務にストレスを感じる原因
次に、在宅勤務にストレスを感じる原因を解説します。
オンオフの切り替えが難しい
在宅勤務にストレスを感じる原因で最も多いのが、「オンオフの切り替えが難しい」です。
筆者自身も在宅勤務になった当初、この感覚を経験したのでよくわかります。
出社して働く場合、会社を離れることで自然とオフに切り替わりますが、在宅勤務の場合は家兼職場になるため、これまであった場所によるオンオフの切り替えができません。
普段帰宅すればパソコンをみることがない人も、目に付く場所にパソコンがあれば、無意識に仕事のことが思い出されるわけです。
ちょくちょく仕事が頭をよぎるのでなかなか休まらなかったり、気になって夜中にメールの確認をしてしまったりするわけです。
長時間仕事をする環境が整っていない
在宅勤務になってから、肩こりや腰痛に苦しむ人は続出しています。
普段から家でパソコンゲームをするような人でなければ、長時間パソコン作業をするのに適したデスクやチェアを持っている人は少ないからです。
急遽在宅勤務になる場合、多くの人がダイニングテーブルやローテーブルをデスク代わりにしますが、高さが合わなかったり姿勢がしんどかったりして、体に負担がかかります。
仕事しやすい環境を整えればいいですが、お金もかかりますし、そもそも置く場所がなくてやりようがない人も。痛みを我慢しながらの仕事は、ストレスでしかありません。
運動不足で疲れやすくなる
在宅勤務は運動不足になりやすいと同時に、疲れやすくなります。
普段からデスクワークの人も出社する場合、家から会社まで歩き、社内で歩き、また会社から家まで歩く程度の運動は最低限あります。
成人男性の1日の平均歩数は約7,000歩、女性は6,000歩で、歩幅はおおよそ70cmとされているので、男性は5キロ弱、女性は4キロ強は歩いていると計算できます。
一方在宅勤務は、食料や日用品さえあれば一切家から出なくても生活できるため、出不精な人は特に運動不足になりがち。
「運動していないわけだから、体力的には疲れないでしょ?」と思うかもしれませんが、運動不足で新陳代謝が低下し、血液や水分の循環が悪くなると疲労感につながります。
在宅勤務になってから疲れを感じやすくなった人は、運動不足が原因かもしれません。
生活習慣が乱れやすくなる
在宅勤務は生活習慣が乱れやすくなります。
出社準備や通勤が不要になるため、時間にゆとりができて夜更かししてしまったり、安く簡単に済ませたくて食事が適当になったりするからです。
会社で人に見られていると、ちゃんと食事をしよう、間食し過ぎないようにしようと意識が働く人も、家で誰の目も気にする必要がないと乱れがちです。
また、運動量に比例して摂取量が大幅に減少することはないので、どうしても体重は増加傾向に。
生活習慣が乱れるとやる気が出なくなったり、体重増加で洋服が入らなくなったり、ストレスにつながります。
家族や同居人によるストレス
家族や同居人に対してストレスを募らせる人もいます。
自分の仕事部屋がなくてオンライン会議がしづらかったり、パートナーも在宅勤務になってWi-Fi速度が不安定になったり、思うように仕事ができずイライラしてしまうわけです。
家事や育児の分担でケンカになって集中できないといった、夫婦間のトラブルも増えているよう。
職場だとみんな仕事モードなので、自分も自然とオンになれますが、家に同居人がいると切り替えがなかなか難しいですよね。
ストレス発散の機会を失っている
仕事終わりはジムに行くなど、何かしらストレス発散をしていた人も、コロナの影響で営業していなかったり、同居人の手前行きづらかったりして、ストレス発散の機会を失っている人は少なくありません。
定期的に発散できていたものが積み重なると、やがて大きなストレスになってしまいます。
外に出れずやりたいことができない、自由が制限されていることにもストレスを感じます。
コミュニケーションが減った、取りづらい
在宅勤務になった途端コミュニケーションが減って、孤独を感じたり意思疎通がしづらかったりすることにストレスを感じる人は非常に多くいます。
現在フルリモートで基本チャットのやりとりのみで、特にストレスを感じない筆者の主観としては、ここは性格や立場、業務内容によって大きく差が出ると思います。
1人で家にいれないタイプ、新人で確認したいことが多い立場、細かな連携が必要なチームワークをしていれば、ストレスになるのも理解できます。
職場の人間関係が良好であれば出社したいと思い、人間関係のいざこざに巻き込まれた経験がある人は在宅勤務がいいと感じるなど、職場環境による場合も。
気軽に質問や相談がしづらい
在宅勤務になって、気軽に質問や相談がしづらくなったことにストレスを感じる人もいます。
- 対面なら数秒で解決できるような疑問を気軽に聞くことができない
- 質問したくても、相手が忙しいかどうか見えないからしづらい
- 上司から進捗確認の連絡がくるまで待ってしまう
どうしたらいいかわからないモヤモヤを抱える時間が増えれば、ストレスになりますよね。
文章だと冷たく感じられる
在宅勤務になると、チャットでのテキストコミュニケーションが増えます。
テキストコミュニケーションは、考えをまとめてから回答できるなどメリットもある一方、やりとりが冷たく感じられることも多々あります。
対面だと言葉以外に、表情や言い方、声のトーンなど、情報量が多いですが、文章にそれはないからです。直接話すとすごく柔らかいのに、文章だとすごく素っ気ない人もいますからね。
相手をよく理解していれば気になることはありませんが、急に素っ気ない文章でのやりとりになると、やりづらさを感じるでしょう。
変に受け取られないよう、言い回しをいちいち気にかけなければならないのが面倒で、逆にストレスになってしまう人もいます。
成果にシビアでプレッシャーが強い
在宅勤務に対して”サボり”を警戒する上司や会社は、姿が見えない分、成果で判断するようになりがちです。
これまでよりも報告を求めるようになったり、進捗は悪くないのにもっと効率化と言ってきたり、急な変化に働きづらさを感じる人は少なくありません。
在宅だといつでも仕事ができるので、几帳面でマジメ、頑張り過ぎてしまうタイプは、休日返上で仕事をしてしまうことも。
プレッシャーで休めず、ストレスが溜まってしまうわけです。
オンライン飲み会がしんどい
一時期話題となったオンライン飲み会ですが、これがストレスになっている人もいます。
- わざわざメイクや髪をセットしなければならない
- 家の中を詮索してくる人がいる
- オンラインだと長引きやすい
- オンラインだと会話がしづらい
- 電波状況でちょくちょく中断される
筆者も何度かオンライン飲み会をしましたが、同時に話すと音声がカブって聞き取れなかったり、会話が中断されたり、結構ストレスはありました。
1対1ならいいものの、大人数での開催はうまく機能せず、早く終わらないかな〜と思いながら過ごした記憶があります。恒例行事になっていて、参加が憂鬱な人もいるでしょう。
先行き不透明な不安によるストレス
在宅勤務が急速に普及するキッカケとなった、初の緊急事態宣言が出された2020年4月7日から、早1年以上が経過しました。
上記の日付に確認された感染者数は、東京で80人。状況は悪くなるばかりで、一時的な措置と思われていた在宅勤務は、今や当たり前になっている企業も少なくありません。
自分はこの先どうなるのか、いつまで今のストレス生活を続けることになるのかと考えて、不安でどんよりしてしまう人もいます。
在宅勤務のストレス解消法10選
ここからは、在宅勤務のストレス解消法を紹介します。
在宅勤務のメリットを考える
「在宅勤務が辛い」と思い始めると、辛い部分ばかりに目が向いてしまいますが、在宅勤務にはメリットもたくさんあります。
- 通勤がない
- 満員電車に乗る必要がない
- 感染リスクが軽減される
- 会議がなければメイクなどの準備が不要
- 対面しない分人間関係の煩わしさが緩和される
- 家事、育児、子育てと両立がしやすい
など、オンオフが難しいといった側面もありますが、ストレスが軽減される要素も多々あります。
世の中在宅勤務がしたくてもできない人は大勢います。在宅勤務が可能なこと自体、恵まれていると言えます。メリットを再認識すると、考えや気持ちが変わるでしょう。
運動不足を解消する
在宅勤務になってから運動量が減っている人は、運動不足を解消しましょう。
運動といっても疲れるまでする必要はありません。毎日30分程度、ウォーキングやジョギングをすれば十分です。ストレッチやヨガをするでもいいでしょう。
運動は気分転換になってストレス発散に最適ですし、小まめに体を動かして血液の循環を良くすることが、疲労回復にもつながります。
アスリートはよく試合翌日を完全オフにせず、軽くジョギングなどしますが、これは疲労回復を促進するための動きです。疲労感を感じたときこそ、軽く運動をしてみましょう。
規則正しい生活をする
在宅勤務になって生活リズムが乱れている人は、出勤していたとき同様の規則正しい生活に戻しましょう。
夜更かししたり適当な食生活になっていたりすると、日中眠気でやる気も集中力も出ない、体調不良になりやすくなる、イライラしやすくなるといった、デメリットだらけです。
適度な運動に加えて、十分な睡眠やバランスの良い食生活など、トータルで生活を見直しましょう。
規則正しい生活にすることで、余計なストレスを減らせます。
自己管理能力を鍛える
在宅勤務をする上で自己管理能力は、最重要スキルと言っても過言ではありません。特にフリーランスで働く人は、自己管理ができないとかなり厳しいです。
なぜならフリーランスは、営業活動から仕事量の調整、スケジュールの組み立てまで、すべて自分で管理する必要があるからです。
いくらでもサボれますし、逆に張り切って仕事を受け過ぎれば、1人ブラック企業状態に陥ります。
筆者はフリーランスとして活動を始めた当初、仕事が途切れることの不安から仕事を抱えすぎて、休みなし状態がしばらく続いた時期もありました。
会社員と違って有給はなく、体調管理も欠かせないため、無理は禁物。必要以上にやらない勇気はすごく大切です。
自己管理ができると、在宅勤務でもオンオフのメリハリがつけられるようになります。
たまには違う場所で作業する
家だとストレスを感じる人は、たまには違う場所で作業してみてはいかがでしょうか。
カフェやコワーキングスペースで働いてみる、もしくは旅行に出てワーケーションをするのもオススメです。
場所が変わるだけで自然とリフレッシュされ、モチベーションが上がるので、筆者は国内外問わずワーケーションをしています。
社内の人と雑談する時間を作る
最近はコミュニケーション不足の懸念から、在宅勤務を取り入れる企業では雑談を推奨するところも目立つようになりました。
そんな中でも、相手が忙しくて迷惑になるかもと思い、連絡を躊躇してしまう人が多いですが、みんな同じような気持ちでいるものです。
先輩や上司も意外と「いつでも連絡してくれてOK」と思っています。誰かと話したくなったら、連絡してみましょう。
社外コミュニティに参加する
社内にはなかなか気の合う人がいなかったり、雑談する暇がなかったりする場合は、社外コミュニティに目を向けてみましょう。
最近はオンラインで参加できるコミュニティも増えましたからね。
私たちも「オープンイノベーション大学」という、最先端のビジネススキルが無料で学べるコミュニティ運営をしていますので、興味がある方はぜひ、お気軽にご参加ください。
参加者のみなさんの満足度は高く、参加者同士のつながりも増えています。
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プライベートを充実させる
あなたは今、何か趣味がありますか?
趣味があるかないかが、在宅勤務で孤独になる人とそうでない人の差と言われています。
もし趣味がない、もしくは趣味はあるけど最近できていないという人は、何か新しいことを探してみるといいでしょう。
みんなで楽しめること以外、自分1人でも没頭できることがあると、ストレス解消に効果的です。
限界のラインを決める
在宅勤務が原因のストレスでどうにかなってしまいそうな人は、限界のラインを決めることをオススメします。
例えば、◯月まで同じ状態が続いたら転職するとか、長期休暇を申請するといった具合です。
同じ距離でもゴールなく走るのと、ゴールがある状態で走るのでは、精神的に大きく差が出ます。最終ラインが決まっていると、少し心に余裕ができますよ。
在宅勤務が捗る環境づくりをする
家では長時間働く環境が整っておらず、仕事が捗らない上に肩こりや腰痛に苦しんでいる人は、在宅勤務が捗る環境づくりをすることをおすすめします。
パソコン用のデスクやチェアはスペース的に設置が厳しいかもしれませんが、ソファに座りながら使えるノートパソコン用のテーブルなど、物によってはスペースを取らず、コスト的にも手を出しやすいアイテムもあります。
ストレスの原因が仕事内容にある人は
在宅勤務というより仕事自体が合っておらず、モチベーションが上がらなくてストレスを感じている人もいるでしょう。
自分に合った仕事ができていなければ、出社になったところで辛いだけです。
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まとめ
今回は在宅勤務のストレス解消法についてまとめました。
どの解消法が合うかは、性格や立場、業務内容、家庭環境によって変わります。
ぜひ今の自分に合ったストレス解消法を試してみてください。
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