- 一生このまま下積みで終わるのかな?
- 頑張ってるのに報われない…
- いつまで今の生活を続ければいいんだろう?
新入社員や将来に目的を持たれている方には、成果の出ない生活がストレスになっている人もいるでしょう。
やりたい仕事を任せてもらえない、目標が達成できない、そんな不遇の期間である、下積み時代。
世間では、「下積みは必要」といった意見もありますが、反対に「下積みなんて必要ない」などの声もあり、このまま今の生活を続けるべきか判断に迷ってしまう部分です。
そこで今回は、下積み時代が必要と言われる理由と不要論、辛い時期の乗り越え方を紹介します。
今の下積みが必要なのか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
辛い下積み時代は必要?
必ずしも必要とは言い切れませんが、仕事や目標によっては、避けては通れないケースもあるでしょう。
一般的に、アーティストや芸能人に多く使われる言葉ですが、高い専門性と特定の技能が求められる仕事にも下積みは存在します。具体的には、
- 職人
- 料理人
- スポーツ選手
- クリエイター
などが代表的。和食料理では「追い回し」、落語では「前座見習い」、相撲界では「序ノ口」など、呼ばれ方や立場もさまざまです。
また、仕事に慣れるまでの修行期間と考えれば、どの職業にもある程度の下積みは存在していると言えるでしょう。
なかなか実務を任されてもらえず、雑用ばかり押し付けられていると感じている方は、まさしく下積み期間中と言えるかもしれませんね。
社会人が下積みから1人前になる目安
職業にもよりますが、下積みから1人前とよばれるまでには、少なくとも3年の期間が必要になるようです。
マイナビによる「調査」では、社会人300人を対象に、新人が1人前になるまでに必要な期間を調べています。結果は、「3年以上」が39.3%の第1位。
また、労働政策研究・研修機構(JILPT)が公表する「熟達したホワイトカラーの実践的スキルとその継承における課題」においても、同様の結果です。
上記の研究では、
「自律的に仕事が実行できる段階」になるには、およそ3〜4年は必要
とされています。
下積みから1人前とよばれるまでには、最低でも3年、場合によっては4年以上かかってしまうケースもめずらしくはないようです。
辛い下積みが必要と言われる理由3つ
ここからは、下積みが必要と言われる理由とその根拠を解説します。内容は以下の3つ。
- 熟達者になるには10年必要
- 一流になるには1万時間必要
- 成功者は若い頃に苦労している
それでは順に見ていきましょう。
1.熟達者になるには10年必要
下積み必要論を支える理由のひとつとして、熟達化の研究が挙げられます。
熟達化とは、人がさまざまな分野で成長していく過程をあらわしたもので、心理学者のエリクソン氏によって提唱された理論です。
エリクソン氏は成長のプロセスを4段階に分類し、「熟達化の10年ルール」として、期間とレベルを以下のように位置づけています。
- 初心者 :1年目
- 1人前 :3~4年目
- 中堅者 :6~10年目
- 熟達者 :10年以上
新人の方には、「とりあえず3年」と言われた経験がある人もいるかもしれませんが、上記の結果を見るに、あながち間違った意見ではないのかもしれませんね。
2.一流になるには1万時間必要
一流になるまでの練習量の目安として、「1万時間の法則」が挙げられます。
上記は、心理学者であるエリクソン氏の研究をもとに、マルコム・グラッドウェル氏が提唱した理論です。
グラッドウェル氏は、一流とよばれるバイオリニストの事例をもとに、高いスキルを身につけるには膨大な練習量が必要だと言及しました。
その具体的な数字が、約1万時間です。1日8時間で約3年半。1日1時間の練習なら、一流になるまでには、およそ30年かかる計算です。
やはり、「その道のプロ」になるには、それだけ容易な道のりではないのでしょう。
3.成功者は若い頃に苦労している
「成功者ほど挫折を多く経験している」などの話を耳にした経験がある方もいるでしょう。
実際に、自然科学情報誌「Nature Communications」に掲載された調査によると、
若い頃の挫折がその後の成長につながる
と示唆されています。
研究では、助成金を申請した学生を対象に、スコアが高い組(成功グループ)と、スコアが低い組(挫折グループ)にわけ、その後のキャリアを追跡しました。
結果は、挫折グループの方が、「有益な論文」を発表しているケースが高く、成功グループとの差は約6.1%。
カーネル・サンダースやヘンリー・フォードを引き合いに出され、「成功者は苦労人が多い」と言われても、ピンと来ない方もいるでしょう。
しかし、上記の結果が示すように、専門職においても挫折を経験するメリットは示されているようです。
辛い下積み時代不要論4つ
ここからは、下積みが必要ないかもしれない理由と、その根拠を解説します。内容は以下の通り。
- 努力量とスキルの差はあまり関係ない
- スキルの習得は1万時間も必要ない
- 成功者ほど下積み時代を誇張する
- 継続よりも柔軟性が大切
それでは見ていきましょう。
1.努力量とスキルの差はあまり関係ない
分野によっては、努力した時間と実際のスキルに、それほど高い関連性が見られないケースがあります。
プリンストン大学の准教授であるマクナマラ氏らは、さまざまな分野で練習量がスキルに与える影響を調べました。「研究」の結果は以下の通りです。
- テレビゲーム:26%
- 音楽 :21%
- スポーツ :18%
- 教育 :4%
- 専門職 :1%未満
音楽やスポーツの世界では、練習量とスキルの習得にある程度の差が示されてるのがわかります。
しかし、おそらく多くの方が関わるはずの、専門職への影響はわずか1%未満。がむしゃらに努力したからといって、仕事が上手くいくとは限らないようです。
「努力しても報われない」と悩まれている方は、一度考え方を変えてみるのもよいかもしれませんね。
2.スキルの習得は1万時間も必要ない
作家のジョシュ・カウフマン氏は、スキルのコツを学ぶだけなら20時間で事足りると語っています。
彼は1万時間の法則について、「トップレベルになるまでの時間」が「物事を学ぶための時間」と、誤解されていると指摘し、より効率的な練習法を示しました。
彼の提唱する練習法を抜粋すると、
- 目標を細分化する
- 余計なものを排除する
- 必ず20時間は続ける
などが挙げられます。仕事がある程度できるレベルになるには、1日8時間勤務の場合、約3日で到達できる計算です。
もちろん、職種や目標によって練習量の多さも異なりますが、何かを覚える際のひとつの目安にはなるでしょう。
3.成功者ほど下積み時代を誇張する
成功者の苦労話は参考になる部分も多くありますが、一部には、話を「盛って」しまっている人もいるようです。
米国のジャーナルサイト「Sage journals」に掲載された調査では、企業の重役を対象に、本人が語る内容と史実の差を調べています。
調査によると、親や家が裕福だったにも関わらず、「貧しい環境で育った」などと回答した割合は、175人中36人。約5人に1人が、何らかの形で過去を誇張していたようです。
偉い人が語るだけに説得力がありますが、若い頃の苦労は、成功にとって必須とは言えないのかもしれませんね。
将来の投資と考え、あえて人生のハードモードを選んでいる方は、なるべく早いうちに抜け出す方法を考えておくのが無難でしょう。
4.継続よりも柔軟性が大切
継続の重要性は多く語られていますが、時には柔軟性の方がメリットになるケースもあるようです。
ジャーナリストであるシェーン・スノウ氏は、歴代大統領を調査するなかで、優秀とされる大統領の方が政治に関わる期間が短かった事実を発見しました。
上記について、スノウ氏の見解を意訳すると、
と述べています。
長く下積みを経験してきた人ほど、思考が凝り固まり、柔軟性が失われている可能性が考えられるでしょう。
1つの物事にこだわり続けるのではなく、時には視野を広げ、別の世界に目を向けてみるのもよいかもしれません。
辛い下積みを重ねるメリット・デメリット
ここからは、辛い下積みを重ねるメリットとデメリットを紹介します。
下積み時代を重ねるメリット
まずはメリットから見ていきましょう。
メンタルが強くなる
我慢の時期を長く続けるほど、ひとつの物事に対する粘り強さと、物事を最後までやり抜く忍耐力が身につきます。
下積み時代はとにかく仕事を覚える修行期間。地道で根気のいる作業を続ける過程で、自然とメンタルが鍛えられていくのです。
また、制約のある環境が創造性を高めるといった研究もあり、クリエイティブな仕事についている方は、下積みの時期をうまく活用するのもひとつの手段でしょう。
信頼構築につながる
下積みはスキルを身につけると同時に、周囲との信頼関係を築いていく大切な期間です。
はじめのうちは、やりたい仕事を任されず、つまらない業務ばかりと感じる場面もあるでしょう。
しかし、たとえ単純な仕事でも、コツコツと真面目に取り組む過程で、上司や周囲からの評価も高まっていきます。
また、周りの人が避けるような業務を積極的に引き受けていけば、より信頼度も高まるでしょう。
信頼されると、その分重要な仕事を回される機会にも恵まれ、結果としてスキルの向上にもつながります。
コミュニケーション能力が身につく
下積み時代は人脈づくりの期間でもあるため、対人スキルの習得に適した環境です。
クリエイターや起業を目指す方なら、支援者の獲得は必須と言えます。よいアイデアが浮かんでいたとしても、支持してくれる人がいなければビジネスとして成立しません。
会社員の方であれば、上司や得意先に気に入られるのも出世のためのひとつの戦略と言えるでしょう。また、職場での付き合いを通して社会人としての教養も身につけられます。
上記のような、成功のための人脈づくりの過程が、コミュニケーション能力を高める結果につながるのです。
どのような職種であれ、コミュニケーション能力は成功に欠かせないスキルです。若い頃に身につけておいて損はありません。
下積み時代を重ねるデメリット
次は下積みを重ねるデメリットを見ていきましょう。
ストレスが溜まる
いつまで経っても先が見えず、雑用ばかり任せられる生活が続くと、精神を病んでしまう可能性が考えられます。
仕事におけるストレスを調べた厚生労働省の資料によると、「仕事の量」が最多の回答。次いで、「仕事の失敗」と「仕事の質」が続きます。
新人のうちは覚える業務も多く、仕事の失敗も少なくないはずです。そこに雑務に追われる日々が重なると、精神を参らせてしまう可能性も考えられるでしょう。
夢や目標のために頑張った結果、心身を壊してしまっては元も子もありません。
参照:厚生労働省「令和4年版過労死等防止対策白書」
周囲の目が気になる
夢や目標を持っている方には、会社員ではなく、アルバイトで生計を立てている方も少なくないでしょう。
たとえ本人が、「いつか成功してみせる!」と高い志を持っていたとしても、周囲の人からしてみればただのフリーターです。
下積み時代が重なるほど、当然、親や親戚からの視線も厳しくなっていきます。そのため、他人の目を気にしすぎる方は、長く下積みを続けるべきではないでしょう。
逆に言うと、夢や目標を明確に持っている方は、フリーターとして生きるのもひとつの選択肢です。
収入が不安定
下積みを長く続けていくと、経済面での心配事も多くなります。とくに、特定のスキルや成果が求められる仕事の場合、続けているだけで収入が得られる保証はありません。
アーティストであれば売れる作品を作らなければならず、職人ならスキルがなければ現場に立たせてもらえないケースもあるでしょう。
そのため、専門的な分野で1人前になろうとした場合、はじめのうちは安定した生活は見込めないものと考えてください。
また、20代ならまだしも、30代にもなれば出費も増えてくるものです。収入に関する不安を持たれているなら、早めに何かしらの対策を取っておくのが無難でしょう。
社会的信用度が低い
正社員ではなく、個人で独立を考えている場合、社会的なステータスは低くなります。
とくに、小説家やミュージシャンなどの仕事であれば、下積み時代は無名の期間。売れなければ当然、何者でもありません。
立場の不安定さから社会的な信用度が低いと判断され、日常生活に不自由が生じる場面もあるでしょう。具体的には、
- ローン審査に通らない
- 賃貸物件を借りられない
- クレジットカードが発行できない
などが挙げられます。近い将来、家庭を持とうと考えている方にとって、社会的な信用度の低さは大きなデメリットとなるかもしれません。
下積みが辛い時の乗り越え方
ここからは、下積みが辛い時の乗り越え方を紹介します。
無駄を減らす
最短で成果をあげたいと考えているなら、今の生活から無駄と思える部分を減らしていきましょう。
生活から少しずつ無駄を減らせば、それだけ集中したい物事に時間を費やせるようになります。具体的な対策としては、
- 物事の優先順位を決める
- 決まった時間を確保する
- 自分の行動を記録する
などが考えられるでしょう。
なるべく遠回りは避け、自分に必要なスキルを効率よく学習していけば、成果が出るまでの期間も短くなるはずです。
やりたいことを棚卸しする
現状が耐えられないほどのストレスになっているなら、目標設定や仕事自体に問題があるのかもしれません。
たとえば、音楽が好きでミュージシャンを目指している方なら、一度プロにこだわるのをやめ、兼業しながらYouTubeに楽曲を投稿するといった方法もひとつの案です。
また、「キャリアアップして自由に働きたい」と思われている会社員の方なら、そもそも企業勤めではなく、フリーランスとして働く方が向いているかもしれません。
筆者も小説家を目指してきましたが、まったく芽は出ませんでした。そこで、あらためて「やりたいこと」を考えた結果、Webライターとよばれる仕事に出会えたのです。
下積みはあくまで過程でしかありません。一度、本当にやりたいことを考え直してみるのも悪くはないでしょう。
考え方を変える
下積みを続けられている方には、「理想のキャリアは地道な努力によって作られるもの」と考えられている人もいるのではないでしょうか。
しかし、心理学者であるクランボルツ氏は、
ビジネスパーソンのキャリアの8割は、偶然の出来事によって決定されている
と述べています。
上記は「計画的偶発性理論」とよばれる概念で、クランボルツ氏はこの事実から、努力の方向性を「いい偶然」を招き寄せるために使うべきだと指摘しているのです。
ひとつの物事にこだわり過ぎると、偶然のチャンスを逃してしまう原因になりかねません。少しだけ考え方を変え、時には別の分野にチャレンジしてみるのもよいでしょう。
環境を変える
仕事や目標の達成に行き詰っているなら、思い切って環境を変えてみるのもおすすめします。環境を変えるメリットは、新たな刺激や考えに触れられる点です。
夢を追いながらフリーターとして生計を立てている方なら、職場を変えてみるのもひとつの手でしょう。アルバイトであれば仕事を変えるリスクもそれほど高くはありません。
社会人の方なら、勉強会や社会人サークル、またはオンラインサロンなど、何かしらのコミュニティに参加する方法も考えられます。
とくに、ビジネスコミュニティのような環境なら、スキルを学びながら同じ目標を持つ人たちと交流ができるため、将来への不安も軽減されるのではないでしょうか。
収入源を1つに絞らない
現状から抜け出したくても抜け出せないのは、特定の環境や収入源に依存してしまっているのが原因かもしれません。
- 「ここまでやってきたんだから途中で投げ出したくない!」
- 「今の仕事をやめたら生活が厳しくなる…」
上記のように思われている方もいるでしょう。しかし、収入源を増やすだけなら、夢を諦める必要も、仕事を変える必要もありません。
その際におすすめの働き方が、フリーランスです。フリーランスなら時間や場所に縛られずに仕事ができるため、本業に支障が出る可能性も低いと言えます。
また、複数の収入源を確保しておけば、それだけ生活も安定し、今の環境から離れても別の分野で生計を立てていける可能性も高まるでしょう。
将来のためにも、今のうちから他分野のスキルを身につけておくのもよいかもしれませんよ。
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まとめ
今回は、下積みから1人前になるまでの期間と必要と言われる理由、不要論を解説しました。辛い下積みは仕事や目標によっては避けられない道です。
しかし、不必要な下積みは、成功への遠回りになるだけでなく、精神面への悪影響も考えられます。
本記事を参考に、今の辛い生活を続けるべきかを判断する、ひとつの目安としていただけましたら幸いです。
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