就活する時に誰もが気になるのが、ブラック企業かどうか。
特にすでにブラック企業で消耗している転職活動中の人は、絶対に避けたいと必死になっているでしょう。
とは言え、求人はどれも響きのいいことしか書いていないので、判断が難しいですよね。
そこで今回は、ブラック企業で働いたことのある筆者の経験を踏まえ、ブラック企業の見分け方を紹介します。
目次
何としてもブラック企業を避けたいあなたへ
何としてもブラック企業を避けたい人は、就職しないのがひとつの手です。つまり、フリーランスとして活動する、もしくは起業するということです。
いずれも誰かに雇われず個人で活動できるので、パワハラやセクハラ、不毛な飲み会、法外な残業や休日出勤を心配する必要はありません。
筆者自身、アルバイトに正社員、フリーランスと働き方を変え、ブラック企業もホワイト企業も経験しましたが、フリーランスが1番平和だと感じます。
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そもそもブラック企業とは?
そもそもどのような会社がブラック企業に該当するのでしょうか?
実は厚生労働省ではブラック企業を定義していません。特徴は次のように説明されています。
一般的な特徴として、
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
- このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
などと言われています。
※引用:厚生労働省|「ブラック企業」ってどんな会社なの?
明確な定義はないため、人それぞれの感じ方によって多少差があるでしょう。
ブラック企業によくある特徴
ここではブラック企業によくある特徴を紹介します。
人手不足でどう頑張っても残業になる
ブラック企業の多くは離職率が高いため、慢性的に人手不足のところがほとんどです。
そのため1人あたりの仕事量が明らかに多い、もしくは拘束時間が長く、どう頑張っても残業になる傾向にあります。
残業が常態化している企業だと、本来定時の時間から平然と会議が入っているなど、定時で帰れる日はほとんどありません。
残業代がキッチリ出ない
法外な残業を強いる一方で残業代がキッチリ出ないのは、ブラック企業あるあるです。
中には残業代を一切支給しない会社もあるようですが、一般的に多いのは”みなし残業”として、30〜40時間程度の残業代をあらかじめ給与に組み込んでいるケース。
「あらかじめ残業代が加味されてるならいいよね」と思うかもしれませんが、みなし残業の2〜3倍の時間残業している人もザラです。
みなし残業からの超過分は別途支給されなければいけませんが、超過分に関しては支給されないところがほとんど。
残業代をキッチリ出す企業であれば早く帰ろうという文化になりますが、残業代をキッチリ出さない企業は働いてもらうだけ得になるので、使い倒されるわけです。
休日が少なく有休もロクに取れない
ブラック企業は慢性的に人手不足だったり、ノルマがキツかったりするため、休日が少なく有休も取りづらい傾向にあります。
休日が少ないだけならまだしも、ひどいところでは休日出勤の代休を勝手に有休扱いにされたという話もあります。
こんなことを平然とやってしまう会社なり上司は、ブラック企業の中でもタチが悪いです。
研修制度が充実していない
ブラック企業には研修が充実していないどころか、研修自体ないところもあります。
入社してすぐに実務が始まり、とりあえずやってみろと無茶振りされ、見よう見まねで覚えるしかない展開は結構あるものです。
よく言えば個人のやりやすいようにやれるわけですが、最初は混乱するでしょう。
新人に冷たい
新人に冷たいのもブラック企業の特徴です。
ブラック企業は離職率が高く、頻繁に人の出入りがあるため「どうせすぐ辞めるから仲良くしてもムダ」と思われて、最初のうちは挨拶すら返してもらえないこともあります。
ある程度続けて「こいつはたぶん続くな」と思われると、徐々に打ち解けて普通に会話ができるようになりますが、それまではかなり居心地が悪いです。
ブラック企業が多い業界
次に、ブラック企業が多い傾向にある業界を紹介します。
営業ノルマが厳しい業界
どの業界も基本的に、営業職には毎月のノルマ(目標値)が付きものですが、業界や会社によってノルマの重みが違います。
- 不動産
- 住宅メーカー
- 保険
- 車のディーラー
上記のような新規顧客の開拓と獲得がメインの営業は、ノルマが強烈に重たいです。
ノルマを達成していれば可愛がられ、若くしてガッツリ稼げるなど魅力もある一方、未達なら地獄です。
筆者自身営業を経験してきましたが、ノルマが厳しい業界で達成が危うい状況になると、獲得できるまで休憩なし、夕方までひたすら営業して雑務は定時以降終電まで、休日返上などはザラですからね。
中には達成できなければペナルティがあるところも。扱う商材によりますが、上司の詰めがこわくて自腹を切る人もめずらしくありません。
安定して好成績を残し続ける営業マンは限られているので、ブラックだと感じる人が多いでしょう。
年中無休が多い業界
- ホテル/旅館などの宿泊
- 飲食
- スーパー
上記の業界は定着率が低く、人手不足が起こりやすいです。
厚生労働省が発表する「大卒の就職後3年以内の離職率の推移」をみると、宿泊業・飲食サービス業界の離職率は52.6%(平成29年)。
立て続けに起こる社員の離職に加え、バイトの突発休みや離職もよくある業界です。
人手不足は残る社員で切り盛りするほかないため、必然的に休みは削られ、毎日働くしかない状況に陥るケースもめずらしくありません。
筆者はホテルで働いた経験もありますが、人手不足のホテルは疲弊している従業員が多く、自分に余裕がなくて感情的になってしまう人が目立ちました。
暴言が多い上に、休日返上で働いても正社員は残業がつかないところもザラ。ブラック要素満載です。
拘束時間が長い業界
- アパレル
- エステ/サロン
- ウェディングプランナー
これまで紹介してきた業界も拘束時間が長い点は共通していますが、自分の成績が良いか、人手が足りていれば時間通りに帰れます。
しかしここで紹介する業界は、そもそもの拘束時間が長く、指名されるため変えがきかないといった特徴があります。残業して終電で帰宅はよく聞くところです。
一方で残業代がきっちり出るところはほとんどなく、昇給も微増。時給換算するとかなり薄給になるため、労働に見合わないと感じる人が多くいます。
ブラック企業の見分け方(求人情報)
ここでは、求人情報から見えるブラック企業の見分け方を紹介します。
未経験歓迎で給料がやたら高い
投資用マンションの営業など、ゴリゴリの営業系によく見られますが、未経験歓迎で給料がやたら高い求人は要注意です。
営業系の場合、ノルマがキツくてプレッシャーがすごいため、数字が足りなければ残業や休日出勤で補填するしかありません。
それだと結局のところ、時給換算すれば一般的な給料を提示する企業の水準と変わらなくなります。よほど稼ぐことに対して貪欲な人でない限り、敬遠するのが無難です。
みなし残業込みの給料が低い
標準的な給料水準かと思ったら、みなし残業込みでその額の場合があります。
そういうところは長時間労働が常態化していて、使い倒される可能性が高いので要注意です。
給料は高すぎても低すぎても怪しいと思うようにしましょう。
応募条件がゆるい
未経験可、学歴・年齢不問、大量募集、即日勤務可のような、誰でもOKと言わんばかりの応募条件がゆるい求人も注意が必要です。
単純にそれだけ仕事内容がカンタンなのかもしれませんが、採用基準がゆるいのは社員を大切にする感覚がなくて、入れ替わりが激しいのかもしれません。
雑な扱いをされて使い倒されてしまう可能性があるので、応募する際は面接で雰囲気を見極めるなど、慎重に検討しましょう。
ブラック企業の見分け方(外部情報)
次に、外部情報から見えるブラック企業の見分け方を紹介します。
就職四季報を確認する
就職四季報とは、東洋経済新報社が発行する就職・転職情報誌です。
5,000社もの企業データが集録されており、3年後離職率、有休取得年平均、平均年収、初任給といった、知りたい情報が網羅されています。
試験情報や選考のポイントも明記されているので、面接対策としても役立ちます。
知らない企業を知り、興味をもつキッカケになることもあるので、幅広く検討したい方はぜひ購入してみてください。
ちなみに厚生労働省が発表する「職業安定業務統計」によると、大学卒の新入社員の3年以内の離職率は3割ほど。3割を超える離職率の会社は要注意です。
企業口コミサイトを確認する
エン・ジャパンが運営する「カイシャの評判」や「OpenWork」といった、企業口コミサイトを確認するのも役立ちます。
企業口コミサイトは現在働いている従業員、もしくは元従業員が、年収や残業、会社の風土や成長できる環境か、といった項目を投稿して構成されています。
結局人それぞれ感じ方は異なるため、合ってる人はポジティブに書き、合わない人はネガティブに書く傾向があるので、そこは見極めが必要ですが、参考になることは間違いないでしょう。
ブラック企業リストを確認する
厚生労働省は2017年から毎月、ブラック企業の一覧(労働基準関係法令違反に係る公表事案)を公表しています。
都道府県の企業別に、事案概要(違反の理由)が掲載されています。あまり詳細な情報はわかりませんが、掲載されている企業は避けるのが無難です。
これらの外部情報は、登録されている企業とない企業があること、情報量には差があるものなので、網羅的に確認することをおすすめします。
ブラック企業の見分け方(面接〜面接後)
最後に、面接〜面接後のタイミングで見えるブラック企業の見分け方を紹介します。
面接官の態度や質問
社員採用であれば多くの場合、人事面接、担当部門面接の2回は面接があり、役員面接や社長面接など3回目、4回目はあったりなかったりします。
人事面接はそこまで気にするものではないですが、担当部門の面接は基本、上司となる人が対応します。
その人の態度や言葉遣い、質問の仕方など、雰囲気をよく観察しましょう。人の入れ替えが激しくて、面接ばかりで飽きてる人は素の状態を出す場合もありますからね。
即日内定が出る
即日内定が出るのもひとつのサインです。
採用に熱心な企業は即日採用は基本しません。今ひとつだと感じたら再度募集をかけ直すなど、採用にはとことん時間を使うからです。
本当に魅力的に思ってもらえた場合ももちろんありますが「なんとなく良さそうだったし、これ以上面接するのが面倒だから」といった理由が本音のパターンも往々にしてあります。
従業員の表情の明るさ
面接の時などに確認できたらしたいのが、従業員の表情や雰囲気です。
活き活きと誇りを持って明るく過ごしていそうか、それともどんより殺伐としているか。遠目でもわかることもあります。
従業員の表情が暗いと感じたら危険かもしれません。
ホワイト企業の見分け方は?
ここまでブラック企業の特徴を紹介してきましたが、ホワイト企業にはどのような特徴があるのでしょうか?
ホワイト企業と呼ばれる会社によくある特徴は以下の通りです。
- 離職率が低い
- 休日の日数が明確
- 有休取得率が高い
- 年収が比較的高い
- 福利厚生が充実している
- 研修制度が充実している
- 主婦が働きやすい
従業員を大切にしていると口で言うだけではなく、休みや福利厚生、時短、リモートワークを推奨するなど、働きやすい環境づくりに力を入れています。
ブラック企業の多くは、若いうちで独り身ならなんとか耐えられますが、結婚して家庭を持ったら厳しいと感じられるところがほとんど。
長期的に働くイメージができるかどうかが、ブラックとホワイトを分けるひとつのポイントと言えるでしょう。
ブラック企業を絶対に避けたいなら
冒頭でも紹介しましたが、何としてもブラック企業を避けたい人は、就職しないという手もあります。
つまり、フリーランスとして活動する、もしくは起業するということです。
筆者自身、さまざまな働き方を経験してみてフリーランスが1番平和だと感じます。
私たちは起業やフリーランスに必要なスキルを無料で身に付けられる、オープンイノベーション大学という学校を運営しています。
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まとめ
今回はブラック企業の見分け方を紹介しました。
ブラックかどうかは会社自体の場合もあれば、特定の部門、上司によってそう感じられることもあります。
つまり、多くの人にとってブラック企業じゃなくても、自分にとってはブラック企業と感じることもあるわけです。
結局は自分がどう感じるか、自分の価値観次第です。ブラック企業だけど居心地がいいという人だって中にはいますからね。
求人情報だけでなく、適性診断などの外部情報含め活用し、自分に合った会社選びを実現してください。
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