グランドスタッフに憧れがある人は、自分のイメージ通りの仕事なのか、自分に適性はあるのか、気になりますよね。
そこで今回は元グランドスタッフの私が、グランドスタッフの仕事内容やなり方、やりがいなどをまとめて解説します。
目次
グランドスタッフとは?
空港のお仕事で、一番に想像するのは「キャビンアテンダント」が多いのではないでしょうか。
fa-arrow-circle-right飛行機に乗る前にカウンターで様々な手続きをする際に対応するのが、今回ご紹介する「グランドスタッフ」です。
これから旅行に出発するお客様を笑顔で見送り、素敵な旅行のスタートをきれるようにサポートできる魅力的なお仕事です。
グランドスタッフとキャビンアテンダントの違い
グランドスタッフは、fa-arrow-circle-right出発までと到着後の「空港での仕事」を担当し、キャビンアテンダントはfa-arrow-circle-right出発から到着までの「機内の仕事」を担当します。
どちらも特別な資格は不要であるものの、キャビンアテンダントはそのほとんどの方が、4年制大学を卒業しています。
どちらを目指すにしても、学生時代からしっかりと語学力や接客力などのスキルを身に付けておく必要があると思います。
グランドスタッフの仕事内容
グランドスタッフの仕事は大きく分けると、以下3つです。
- カウンター業務
- 出発案内業務
- 到着便業務
ひとつずつ解説します。
1. カウンター業務
チェックインカウンター業務は「搭乗手続き対応」と「受託手荷物対応」があります。
搭乗手続きの対応
搭乗口にて、出発時刻等のご案内をします。また、お子様連れやご妊娠されているお客様のサポートも実施します。
全てにおいて、機内の係員や、お客様の荷物を飛行機に乗せている係員と連携をして進めていく必要があり、チームワークや先読みして行動することが大切です。
受託手荷物対応
受託手荷物(飛行機の機内に持ち込むことができない荷物)をカウンターにて預かる業務です。
受託手荷物は、大きさや重さ、預け入れができない危険物など、ルールが厳しく定められています。
また、貴重品を受託する場合は、万が一トラブルが起きた際に責任問題になってしまうため、確実にお客様のご了承いただかなければなりません。
もちろんお客様の中には、納得していただけない方もいらっしゃいます。しかし、ご了承いただかなければ受託することはできないので、しっかりとコミュニケーションを取る必要があります。
2. 出発案内業務
出発案内業務は「出発ロビー案内」と「搭乗ゲート前案内」があります。
出発ロビー案内
自動チェックイン機のご案内や、混雑時の誘導をします。また、イレギュラーで頻繁に起こるのが、飛行機に乗り遅れそうなお客様のご案内です。
場合によっては、お断りしなければいけない場面もありますし、時間ギリギリで搭乗できる時もあります。その判断を瞬時に行い、お客様をご案内しなければなりません。
搭乗ゲート前案内
飛行機が定刻通りに出発できるように時間を逆算して、お客様にアナウンスをします。
そして、最終のご案内までにお客様が現れない場合は、出発エリアを探し回ります。個人的に、この業務がかなり大変だと感じていました。
ヒールも履いていますし、時間がない中でお客様を探して、ご案内するのはプレッシャーでした。
場合によっては、間に合わず搭乗をお断りする場面もあり、心苦しい時もたくさん経験してきました。
3. 到着便業務
到着便業務は、「到着旅客対応」と「手荷物返却対応」があります。
到着旅客対応
到着便を待ち、車椅子のお客様のサポートをしたり、乗継便をご案内したりします。
手荷物返却対応
受託手荷物(飛行機の機内に持ち込むことができない荷物)を返却する際の対応です。
万が一、荷物に何かトラブル(破損・紛失)があった際は、スムーズに対応することが求められていました。
その他には、お子様連れのお客様のサポートも実施していました。
グランドスタッフの1日
国内線のみの空港に夜勤はありません。しかし、私が勤めていたのは国際空港でしたので、24時間体制のシフト勤務でした。
今回は、国際空港で勤務するグランドスタッフの1日のスケジュールを、早番と遅番それぞれご紹介します。
早番
- 3:40:出勤(タクシーで空港へ向かいます)
- 5:00:出社(全体でミーティングを行います)
- 5:30:チェックインカウンター業務開始
- 10:30:出発案内業務(搭乗ゲートでの案内、改札業務など)
- 12:00:休憩
- 13:00:チェックインカウンター業務
- 15:00:退社
- 16:00:帰宅
遅番
- 13:00:出勤
- 14:00:出社(全体でミーティングを行います)
- 14:30:出発案内業務(搭乗ゲートでの案内、改札業務など)
- 17:00:休憩
- 18:00:オフィスでの事務作業
- 20:00:到着便業務
- 23:30:退社
- 24:00:帰宅
グランドスタッフのなり方
グランドスタッフは、専門学校、高等専門学校、短期大学、大学以上の学歴が必要になります。
特に学部や学科、専攻の指定は、ありません。文系・理系問わず、どの学部でも応募が可能です。
実はグランドスタッフとキャビンアテンダントは、所属会社が異なります。
具体的には、グランドスタッフはハンドリング会社に所属し、キャビンアテンダントは航空会社に所属しています。
ハンドリング会社とは、グランドスタッフの業務を専門的に請け負う会社です。航空会社のグループ企業もありますが、航空会社と直接関係ない企業もあります。
具体的には、以下のような会社があります。
- ANA系:ANAエアポートサービスなど
- JAL系:JALスカイなど
- 独立系:スイスポートジャパンなど
fa-arrow-circle-right例えば、JALのグランドスタッフになりたい場合は、「JAL」ではなく「JALスカイ」などのハンドリング会社に応募することになります。
fa-arrow-circle-right一方キャビンアテンダントは、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)といった、航空会社に所属しています。
このように、キャビンアテンダントとグランドスタッフでは、所属会社が異なります。
グランドスタッフに資格は必要?
グランドスタッフには、「英語力」が必要です。
採用基準として、”英語検定2級・TOEIC550点以上”を掲げている会社がほとんどです。
実際に空港には、様々な国籍のお客様がいらっしゃいました。特に私が勤めていた関西国際空港には、英語圏のお客様だけでなく、中国語圏のお客様が多い印象です。
そのため、中国語のスキルがあると、より接客のスキルが向上すると思います。
グランドスタッフの給料・年収・福利厚生
グランドスタッフの平均年収は、200万円〜350万円ほどとされています。初任給は月収18万円ほどです。
キャビンアテンダントは、「基本給+各種手当」とされており、手当が比較的充実しています。そのため、年収500万円を超える場合がほとんどです。
このように同じ航空関係でも、キャビンアテンダントの給料とは差があります。
グランドスタッフのやりがいや楽しさ
定刻通りに飛行機を出発させることができたときは楽しく、やりがいを感じました。
飛行機は1日1日、全く同じ便はなく、毎日がイレギュラー続きです。
使用する飛行機の到着遅れや、機内準備に時間を要したり、搭乗口にお客様がいらっしゃらなかったり・・・搭乗券をなくしたお客様の対応など。その他にも、日々様々なイレギュラーに遭遇します。
そのイレギュラーに対応し、考え、行動し、定刻通りに飛行機を出発させることができたときには、大きな達成感を感じられました。
グランドスタッフの大変さ
グランドスタッフを経験して感じた大変さは、「体力」と「クレーム対応」です。
ある日のスケジュールをお伝えしましたが、24時間制の空港での勤務は、かなり体力が必要です。
その他にも、業務ではお客様を探しに走ったり、チェックインカウンターで何時間も立ちっぱなしになったり、体力が必要な状況が多々あります。
また、接客業のため、クレーム対応をせざるを得ません。
航空券の使用や飛行機の運航には、厳しい規定があります。その規定の許容範囲内で対応できるものであれば、臨機応変に対応しますが、残念ながら全てのお客様のご要望に沿うことは難しいです。
その際、お客様にご納得していただけず、お怒りの言葉をいただく場合もあります。
実際に私もチェックインカウンター業務時、お客様に怒鳴られたこともありますし、カウンターを蹴られたこともあります。
そのような状況でも平常心を保ち、”次のお客様には笑顔で対応する”必要がありますので、グランドスタッフは、「クレーム対応力」が必要になります。
グランドスタッフに向いてる人の特徴
グランドスタッフに向いてる人の特徴は、「切り替えができる人」「チームのことを考えて行動ができる人」です。
切り替えができる人
日々起こる様々なイレギュラーに臨機応変に対応し、すぐ切り替えて次にできることを考える必要があります。
また、クレーム対応を受けても次のお客様対応をするときには、切り替えて笑顔で対応しなければなりません。
チームのことを考えて行動ができる人
グランドスタッフだけでなく、航空業界の全ての業務において、”チームワーク”が必要です。
1つの飛行機を出発させるのに、様々な部署の方との協力が欠かせないからです。
そのため、自分の事だけではなく、周囲の事を考えて行動できる人が向いていると思います。
グランドスタッフに関するよくある質問
グランドスタッフに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q. グランドスタッフの男女比は?男性でもなれますか?
男女比は、「1:9」と圧倒的に女性が多いです。
しかし、近年では男性のグランドスタッフも増えています。
基本的にどの航空会社でも、男性のみを募集しているとか、女性でなければ採用されないということはなく、男女で別の基準枠や数が制限されていることもありません。
採用基準は男女同じなので、グランドスタッフとして働いてみたい男性は、ぜひチャレンジしてみてください。
Q. 国際空港の方が倍率は高いですか?
グランドスタッフの倍率は、20倍~50倍です。
空港の顔として働くグランドスタッフは、とても人気のある職業です。そのため、採用倍率も高くなっています。
また、航空会社に入社後、国内線担当になるか、国際線担当になるかが決まります。そのため、国際空港だから倍率が高いということはありません。
Q. 大学と専門学校、どちらに進学した方が有利ですか?
どちらが有利ということは、特にありません。
しかし、高校を卒業してすぐにグランドスタッフになりたい方は、「航空系専門学校」がおすすめです。
理由は、航空業界の基礎知識や就活対策を学べるのはもちろん、TOEICや手話など、航空業界で仕事をする上で役立つ資格の取得サポートもあるからです。
補足ですが、初任給に関して、大学卒と専門学校卒では大きな差はありません。
まとめ
グランドスタッフは飛行機を利用するお客様にとって、空港の顔になる存在です。
大変な事も多くありますが、それ以上に「やりがい」を感じられる魅力的なお仕事だと思います。
お客様が”何を求めているか”を考え、そこから自分が”何ができるか”を考えることで、お客様から嬉しいお言葉をいただけることもあります。
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