ここ最近、外国人を見ることが増えたと感じませんか?
以前、東京の浅草に住む友人に会いに行った際、街が外国人だらけでとても驚いた経験があります。
以下のグラフを見ていただくとわかる通り、外国人観光客は年々増加しています。
2000年:約475万人
2010年:約861万人
2018年:約3,100万人
2000年から約6.5倍と、ものすごい勢いで増加しています。2020年は東京オリンピックの影響でもっと伸びるでしょう。
また、外国人は観光客だけでなく、労働者として滞在する人も年々増加しています。
お客様として接するだけでなく、外国人が同僚や上司、部下になることも今後考えられるでしょう。
この記事では、これから外国人と働くことになった時に戸惑わないよう、私の海外経験から見えた感覚の違いなどに触れながら、外国人との働き方についてご紹介したいと思います。
読み終わる頃には外国人との働き方が掴め、グローバルな考え方になると思いますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
日本に住む外国人はどれくらいいる?
日本に住む外国人の人数は、2018年時点で約273万人となっており、出身国は中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジルが多いです。
2000年に約168万人だったことを考えると、かなり増えていることがわかると思います。
特にここ数年は年間15万人以上増加しています。
外国人労働者は今後かなり増加する見込み
外国人労働者の受け入れ拡大を目的とした、改正出入国管理法が2019年4月1日から施行されました。
外食業や介護業など、特定業種でのスタートでしたが、今後は5年間で34万5,000人の受け入れを見込んでいるため、業種を増やすことも検討しているようです。
ちなみにドイツの首都ベルリンは、3人に1人が外国人で、僕も最近までドイツで生活していましたが、見た目や言葉が違う人が多いと感じました。
ドイツと言えば生産性が高い国としてよく日本でも紹介されていますが、日本生産性本部が発表している「労働生産性の国際比較2018」によると、ドイツの生産性の高さはアメリカに次ぐ世界7位。日本は20位。
と思うかもしれませんが、スキルだけでなく働き方や考え方など、多様な価値観を取り入れることができ、生産性の高くなっているようです。
こういったダイバーシティ(多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと)の観点からも、外国籍人材の活用は重要と考えられています。
日本は国籍を気にする風潮がありますが、人手不足の深刻な業界が多いこともあり、外国人労働者の受け入れ拡大をしているのです。
人材確保ができた企業やお店はどう感じているのでしょうか?
人材確保ができたと喜びの声もある一方、いざ一緒に働いてみると、言葉の壁だけでなく、文化や価値観の違いにより、噛み合わないことが多いようです。
「文化や価値観の違いによる壁」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
外国人と日本人の働き方や考え方はそんなに違う?
国や人によって働き方や考え方が異なるので、一概には言えませんが、日本・中国・韓国といったアジア圏は似てる部分があり、欧米は根本的に違うと感じます。
ちなみに欧米は、日本社会に比べてフラット(対等)です。
日本は縦社会で、多くの会社がお客様ファーストという文化があり、店員とお客や上司・先輩と部下など、立場によってパワーバランスが露骨に現れます。
しかし、海外に行くと立場の差はなく、誰もがフラットな関係です。
例えばレストランやカフェに行った際、店員さんはお客さんだけでなく、他のスタッフともコミュニケーションを取ることを大切にしています。日本の飲食店に比べてフレンドリーですし、笑顔で接客してくれる人が多いです。
まるで文化祭のお店に行ったかのような雰囲気です。
店員同士で話し込んでてオーダーを放置されることもありますし、会話の合間に片手間で接客しているような雰囲気もあります。
先日エッフェル塔に行ったのですが、エレベーターの担当スタッフはスマホ片手に仕事をしていました。
でもこれは適当に仕事してるわけではなく、与えられた役割をこなしていれば問題ないという感覚です。
日本は「もっと安く」「もっと良いサービス」をという、お客様ファーストが根付いているため、仕事中にちょっと雑談すれば不真面目と捉えられ、スマホ見てればサボってる扱いになります。
外国人が”日本人は真面目”と思うのは、こういった部分を見ているからでしょう。
僕が前に日本で勤めていた会社だと、日中は営業活動して、夕方以降から事務処理とか提案書作りするような流れが一般的で、毎日1~2時間の残業は普通のこと。
仕事が重なって終電まで残業することもあり、入社して少し経った頃には残業が当たり前になっていました。
自分のやることが終わってても、先輩や上司が残業してたら帰宅前に「何か手伝いありますか?」と聞くのが礼儀で、結局帰れず残業することになるのもザラです。
一方、海外で働いていた時は、もう少しで勤務終了の人に質問をしようとしたら、「もう仕事終わるから、明日にしてくれる?」と言われていました。
その分残業代が出るとか出ないとか関係なく、仕事は定時を超えてやりたくないんです。
・仕事は契約した時間だけやるもの
・みんな残ってるから帰りにくいという感覚はない
・先に帰って大丈夫か聞くこともない
上記のようなイメージで、「またね~」と言ってサクッと帰ります。
また、会社にいる時間は少しでも短くしたいという気持ちの表れなのか、出社も超ギリギリの人が多いです。
海外で「もっと丁寧にして」「さらにサービスをして」と要求すると、「じゃあその分給料上げてね」という話になります。
賃金が正当に上がらないと、2020年にフランスのパリであったような賃金アップを求めるデモが起こり、大騒動になることもあるんです。
結局大統領が最低賃金アップを約束して鎮静化しました。良く言えば、思ってることをちゃんと主張する人たちということですね。
日本の行き過ぎた顧客至上主義は、すぐ怒る客を生み、その上給料は上がらず常に人手不足で、働く人が疲弊しています。
日本だと介護や飲食、美容師業界などのサービス業は低賃金で、社会的地位も低く見られがちです。しかし僕が以前住んでいた、オーストラリアでは、同じ仕事で倍の給料がもらえます。
オーストラリアでは、いち調理スタッフでも日本の店長クラスの報酬がもらえ、役職がつけばさらに良い生活ができます。
例えば、日本のバリスタやバーテンダーは低収入のイメージがありますが、オーストラリアでは高給取りです。
そのためアルバイトでも仕事を得るのに一苦労するほどです。
ちなみに、オーストラリアは調理の仕事に「就労ビザ」が出されるため、日本人や韓国人、台湾人などが、オーストラリア移住を目指して殺到しています。
このように、根本的な仕事に対するスタンスから労働条件、社会的地位まで違います。
僕の友人のイギリス人は、若干25歳にして「生きるために働く、働くために生きることはしない。」と名言を放ちましたが、欧米人にはこのスタンスの人が多いように感じます。
「会社のために働くのではなく、自分のために働く。」という考えなので、転職は多いですし、その後の独立起業も珍しくありません。
日本人のサラリーマンの多くは「生きるために働くスタンス」だと思いますが、過度の残業や有休が取得できないような状況で疲弊しています。
その割に昇給しないと、不満を持ちながら黙々と働き続けているのであれば、それは働くために生きていると言えるでしょう。
日本社会と海外の違い
日本で働いたことがある外国人、帰国子女の日本人、そして日本と海外で働いた僕の経験を踏まえ、ほかの国と違う日本社会について紹介します。
違い①:残業が多い
日本は海外と比べても残業が多い国です。
世界の国別労働時間ランキングを見ると、日本は27位。そこまでブラックではない位置にいますが、実際はランキング通りではない企業がほとんどでしょう。
ブラック企業の多くは、月給に「みなし残業」を手当てに含み、ひどい場合は残業代が出ないとこともあります。
日本:残業してる=たくさん頑張ってる人
海外:残業してる=仕事が終わらせられない人
このように日本と海外では、残業に対する感覚が異なります。
そのため”帰れない雰囲気”が無くなるだけでも、日本全体の生産性がアップするのではないでしょうか。
働き方改革が推進され始めたので、少しずつ変わっていくとは思いますが、僕が少し前に聞いた話では、ホテルで働く友人が「1日15時間労働だよ。繁忙期は休みなく毎日こんな感じ」と言ってるのを聞いてゾッとしました。
人手不足が深刻な日本ですが、そんな環境で働き続ける人の気持ちが分かりませんし、過労死や自殺といった悲しい事件もあったにも関わらず、未だにこんな労働環境で働かせて企業があることも信じられません。
残業が毎月100時間を超えて入院した友人は、未だにその企業で働いています。
私が「そんなにその会社が好きなの?」と聞くと、友人は「全然好きじゃない」といいます。
給料が良いわけではなく、苦痛な時間を過ごしている友人ですが「どこへ転職したって同じでしょ」と思っているようです。
誰だってそう思っているはずです。
しかし、「みんな同じ思いをしているから」「石の上にも3年と言われているから」という考えが浸透している日本では、一歩踏み出せない人も多いのが現実です。
ダイバーシティ経営の一環で外国人を採用しても、このような労働環境では、すぐに辞めてしまいます。
違い②:休みが少ない(土日に働く)
日本のサービス業は、土日が稼ぎどきなので、休まずに働くところがほとんどです。
しかし、オーストラリアやドイツ、フランスでは、日曜日にスーパーが休みなのは当たり前。夏休みシーズンど真ん中に、休暇で店を閉めるところもあります。
オーストラリア(メルボルン)では、祝日にお店を開ける場合、スタッフの時給を倍にすることが法律で決められているほどです。
一方日本は、24時間営業のお店が立ち並び、安い賃金で過剰なサービスを行っています。
まさに「生きるために働く、働くために生きることはしない。」の精神です。
違い③:有休が取れない
日本では有給が取れない、もしくは取りにくい会社が多いです。
仮に有給を取るとしても、「他の人に嫌われるかな?」「評価が下がるかも」と不安になってしまいます。
しかし海外では、上司が率先して有給を消化するので、周りも気を遣うことなく休みが取れるんです。
また日本の夏休みは数日間だけというのか一般的ですが、海外では数ヶ月バカンスをすることも珍しくありません。
日本は祝日が多く、GW、お盆、年末年始、とちょこちょこ1週間程度の休みがあるので、バカンスという発想がありません。しかし海外では休みこそが仕事の効率を上げると感じ、長期休暇を大切にしています。
そもそも有休取得が難しい職場なんて考えられないと思うでしょう。
違い④:主張が控えめ
日本人は主張が控えめで、自分の意見を言わない人が多いです。
意見を求められも黙ってしまったり、誰かの意見に同調したりと、主張することがありません。
一方、外国人は意見をちゃんと主張するのが当たり前です。
日本では、提案や助言を受け入れない上司が多いため、あえて何も言わない人もいますよね。しかし外国人は部下の意見を聞き、改善をしてくれる上司がいるので、誰でもフランクに意見を言える環境が整っています。
以前同じ職場にいた、アメリカで育った帰国子女の同僚は、なんでも意見できるタイプの人でした。
上司の指示や考えに反論してるわけではなく、「自分はこう思う」「こうした方が良いと思う」と伝えていましたが、日本の管理職は嫌がるんですよね。
”若いクセに口答えする”と、めんどくさそうにしてたのを覚えています。これではお互い不幸ですよね。
中国人の同僚は、バタバタしてる時に、「お昼休みの時間なので休憩行ってきます」というような感じでした。
休憩の時間を返上してまで働くことはあり得ない!という感覚の人は多いです。
外国人と一緒に働く上で、ここが1番違いを感じる部分だと思います。
この部分の理解が弱いと、生意気、ワガママ、空気が読めないと感じてしまうかもしれません。
違い⑤:飲み会が多い
日本の会社は飲み会を大切にする文化があります。
同じように海外でも飲み会の文化があると思われがちですが、それはプライベートに限った話です。仕事になると、残業はせず、飲み会などの行事もありません。
仕事とプライベートを分けてる人が多く、業務が終わったらすぐに帰宅して、家族や自分の時間を過ごすのが一般的です。
日本は”飲みニケーション”が活発で、職場の仲間で飲みに行くことは当たり前。歓送迎会や忘年会、新年会、部署のお祝い事など、何かと飲み会をする機会が多いです。
日本は業務時間中にコミュニケーションが取れないが故に飲み会をしますが、海外だと職場の人とは、お昼にランチミーティングで交流を深めることが一般的です。
もちろん飲み会もありますが、オフィスで1杯飲んだり、ちょっとした立食パーティーをしたり、軽めの交流で終わらせることがほとんど。家族との時間を第一に考えているため、飲み会をする機会が少ないのです。
前段で「主張をハッキリ言う」とご紹介しましたが、飲み会の誘いに関してもそうです。
外国人の同僚を歓迎しようと、飲み会を開く人もいるかもしれませんが、人によっては迷惑に感じてしまい、上司の誘いでも普通に「NO」と言ってきます。
そのため、日本の飲み会文化に疑問を感じている外国人もいるそうです。
また外国人は、バカンスでもない限り、泥酔するような飲み方はしませんし、平日に飲むことも少ないです。
一方、日本人はお酒を飲んで態度が豹変したり、必要以上に飲ませたりすることもあり、「真面目で礼儀正しい日本人」のイメージが崩れつつあります。
職場にいる外国人とのコミュニケーションを、お酒の席で取れば良いという考えはなくしましょう。
日本にいながら外国のように働く方法
外国で生活していると、「日本の方が好きだけど、仕事はどうしても日本ではやりたくない」という日本人にすごくたくさん出会います。
仕事は生活の3分の1、多い人では半分ほどの時間を費やすことですから、合わなければツライのは無理もありません。
「仕事を今すぐに辞めたい」
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世界にはさまざまな働き方や考え方がある
ここまで日本人と外国人の、仕事に対する考え方の違いを解説してきました。僕の経験から話した部分もありますが、感覚や常識に違いがあるのは事実です。外国人と働く機会がある方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
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