「老後破産」「下流老人」という言葉が飛び交うようになりました。
また、老後に2000万円の生活費が必要というニュースも記憶に新しいかと思います。
そして現在、医療技術の進歩などにより、人生100年時代を迎えようとしています。仮に60歳の定年で仕事を退いても、残り40年前後の人生を歩んでいかないといけない計算です。
老後の生活資金は、年金だけで賄えない時代となり、60歳以降になっても働くことが必要となるでしょう。
そこで重要になるのが50代の過ごし方です。この記事では、50代向けに老後に向けた取り組みを解説します。
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目次
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この記事の後半では、50代からするべきこと・しない方がいいことについて紹介しています。
その中には、「リモートワークで稼ぐスキルを身に付ける」という項目があります。
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人生100年時代と老後破産・下流老人
「老後破産」「下流老人」という言葉が認知されるようになり、将来に不安を感じている人もいるでしょう。
下流老人とは公的年金があるにも関わらず、生活保護受給基準レベルで暮らしている高齢者、またはその恐れがある高齢者を指します。(NPO法人ほっとプラス代表理事である社会福祉士の藤田孝典氏が作った造語)
そして、貧しい生活が続くと破産状態になり、老後破産してしまうのです。
ちなみに、下流老人の人口は藤田孝典氏の著書『下流老人-一億総老後崩壊の衝撃-』によれば、600〜700万人いるとされています。
厚生労働省が発表した『平成29年簡易生命表』によれば、平成29年の男性平均寿命は81.9歳。女性平均寿命は87.26歳。
戦後間もない昭和22年の平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳ですから、70年ほどで平均寿命が30年以上伸びたことになります。
平均寿命は今後も伸び続けることが想定されますので、老後の生活資金の確保は誰もが直面する課題です。
年金支給開始の年齢の引き上げも議論されているなか、70代や80代でも働くことが当たり前な時代に突入することも予想されます。
これまでのような固定概念から脱却して、生涯に渡り変革を続けることが重要になるでしょう。
固定概念を捨てる脱頑固!も重要
みなさんの身の回りに「誰の意見にも耳を傾けない頑固な老人」はいないでしょうか。
中年までは落ち着いた年相応の対応ができても、老齢を迎えることで頑固になる人は少なくありません。
頑固で人の意見に耳を傾けられないのは、コミュニケーション能力が低下しているからです。
森川洋昭著の「性格の不思議」でも、「老人が頑固になるのは、家族や周囲の人々の老人に対する理解の不足、愛情の欠如、あるいは、老人自身の役割意識の喪失などが原因と考えられるからだ。」
と述べられています。
人が生きていく上でコミュニケーションは欠かせません。
コミュニケーションをとるには、相手の言葉をしっかりと理解して自分の言葉を発する必要があります。
また、コミュニケーションをとるには相当な脳のエネルギーを消費します。
しかし、老齢になるとエネルギーも少なくなり、コミュニケーションが面倒になります。場合によっては、相手の意見に自分の考えが全否定されるような感覚に陥る人もいます。
そうなると、わざわざエネルギーを使って誰かとコミュニケーションを図ることより、自分の世界観や主観にこだわることを選んでしまうのです。
最終的に誰の声にも耳を貸さない頑固な老人となってしまいます。
なぜ、頑固な老人では困るのか
頑固な老人のままでいると日常生活で困ります。
年々、新たな技術が生まれ、私たちの生活が豊かになってきました。ここ5年、10年で変わったこともたくさんあります。
例えば、政府は2018年の年末あたりからキャッシュレス化に対する動きを加速させています。
その流れに乗るように、コンビニを中心とした小売業ではキャッシュレス決済を導入。
このような世の中の流れに対して『私は現金主義だからキャッシュレスは必要ない』と考えていたらどうでしょうか。
現金決済が完全になくなる可能性は低いとしても、キャッシュレス決済しか対応しないお店も増えてくるでしょう。
そうなると、現金主義では日常的な買い物もできなくなります。
世の中の流れを受け入れながら、対応していくことは日常生活にも大きな意味があるわけです。
頑固脳が老後破産に影響することがある
頑固脳のままでいると、下流老人や老後破産になる可能性があります。
生活が困窮していても『誰の世話にもならず生きていける』と閉鎖的な思考になりやすいのです。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査〔二人以上世帯調査〕(2015年)」によると、貯蓄が500万未満の世帯(60代以上)は40%を超え、半数近くが下流老人であり、老後破産のリスクを抱えていることが分かります。
変なプライドがあると、セーフティーネットがあるにも関わらず頼ろうとしなくなります。
家族や親しい人から生活保護受給を勧められても断ってしまい、悪循環に陥ってしまいます。その結果、老後破産をしてしまうのです。
頑固なままでは人生100年時代を乗り切れない
日本人の平均寿命は80歳を超え、人生100年時代と言われています。
長い人生を生きるには健康だけではなく、相応の資産も必要です。
60歳で定年を迎えても、公的年金だけに頼らず自分で稼ぐことが大切になってくるでしょう。
そのためには、社会の変化に対応し、明確なライフプランを立てることが重要です。
人生100年時代に向けて50代からすること
60代、70代、80代…としっかりと生き抜いていくには50代の生き方が明暗を分けます。そこで、老後のお金に困らないように50代からすることを解説していきます。
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定年後のライフプランを立てる
老後破産にならないようにするには、50代のうちに老後のライフプランを考えることが重要です。
50代であれば、子供の教育費や住宅ローンの返済にも奮闘している時期でしょう。
当然、60歳が定年であれば50代のうちにリタイアすることは考えにくいです。
早期退職で退職金をもらって充当しても、年金支給までの期間は生活費を工面する必要があります。
教育費が終了したら、住宅ローンを積極的に返済していくなどのお金に関するプランを考えていきましょう。
様々な状況を考えると50代は人生の岐路とも言える年代です。
少しシビアな言い方にはなりますが、50代は退職前にお金に関する見直しをするラストチャンスです。
夫婦であれば、60代以降の生活についてしっかりと話し合いましょう。
単身者であっても、これから迎える老後についてのシミュレーションは大切です。
貯金がない状態で60代以降を迎えるのは、老後破産の可能性が高くなります。
考える癖をつける
広い視野を身につけるには、考え癖をつけることが大切です。
今の世の中や日々起こる出来事に順応しつつ「自分ならこうする」と具体的な行動案を考えること考えてみてください。
先ほどの電子マネーの例で言えば…
「今後のために、電子マネーのアプリをダウンロードしてみよう」
「コード決済をコンビニでしてみよう」
「キャッシュレスについて全くわからないから、家族に聞いてみよう」
など、世の中の流れに合わせ、自分なりに考えて行動に移してみましょう。
「老後に2000万円必要」という報道に対しても
「しっかり年金保険料を支払ってきたのに、国は守ってくれない」などと閉鎖的な考えだけを持ってはいけません。
「仮に老後、2000万円必要だとしたら今から何をすべきだろうか」と視点を変えていきましょう。
今のお給料だけでは老後資金を用意できないと考えたら、他にも収入源を持つ必要があります。
月に15万円稼ぐ力を身につけていく
老後資金を考えたときに、年金収入だけでは不十分なことが多いです。
厚生労働省が発表した平成31年度(令和元年)の年金額は以下になります。
・国民年金(老齢基礎年金・満額一人分)…65,008円
・厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)…221,504円
※参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000468259.pdf
上記はあくまで40年間、年金保険料を支払い続けたときの金額です。
それに満たない場合は、年金受給額は減っていきます。
一方で、65歳以上の高齢世帯の消費支出をみると約25万円です。
※引用:総務省統計局「高齢者の家計」
たとえ受給額の多い厚生年金であっても、高齢夫婦は毎月3万円ほどの赤字になる計算です。
各種統計からもわかるように、年金だけでは生活できない世の中になっています。
潤沢な貯金や退職金がある場合ならば問題はありませんが、そうでなければ、自ら稼ぐ必要があります。
目安になるのは生活保護の受給金額です。
各自治体によって、また、条件によって生活保護受給額は異なりますが、以下のシミュレーターを使うとおおよその受給額が算出されます。https://seikatsu-hogo.net/
例えば、東京都千代田区で60〜69歳の夫婦で算出すると月額18万円ほどになります。
厚生年金の約22万円と合算すれば、月の収入が40万円まで増加し、赤字からは脱却できる計算です。
ただし、生活保護を受けるには最低生活費に満たない収入や、援助してくれる家族がいないなど厳しめの条件が設定されています。
生活保護を受給する高齢者は増えていますが、誰でも受給できる制度ではありません。そう考えた場合に、月額15万円程度稼げる力が必要となるのです。
退職する前に稼ぐスキルを身につける
時代に対応しながら身につけた稼ぐスキルは一生ものです。
しかし、退職してから稼ぐ力を身につけようとすると、稼げるまでの生活費で困窮してしまいます。
年金でカバーしようとすれば、先の統計のように赤字の生活が続くでしょう。
そのため、稼ぐスキルは退職前に身につけることがポイントです。
中小企業庁が出す「2017年版 中小企業白書」でも、起業した人に占める60代の割合は、男性35%、女性20.3%にも及んでいます。
しかし、そこで問題になるのは、稼ぐスキルをどうやって身につけていくかということ。
「自分で稼ぐ」と聞くと、「何かビジネスを始めないといけないのか…」と思うかもしれません。
しかし、そこまで深刻に考える必要はありません。
例えば、最近ならリモートワーク(在宅)で副業することも可能です。
ライターやブログ運営、動画投稿などは初心者から始めても十分に稼げます。
ブログ運営や動画投稿はある種ビジネスですが、最近は会社員が運営していることも珍しくありません。
IT分野に精通している人だけしかできない稼ぎ方ではないのです。
「今からブログや動画編集の知識は身につけられない…」と考えず、色々とチャレンジする姿勢が大切です。
ブログ運営者や動画投稿者の中には、40代や50代の人もいますし、年齢を重ねたからできない分野ではありません。
特にIT分野のスキルは今後も発展していくはずです。新しいことを取り入れる努力をしてみてください。
今後発展していく分野の知識を身につける
自分で稼ぐ力が必要とお話をしましたが、合わせて、これから発展していく分野の知識を身につけることも大切です。
例えば、みなさんは以下にあげるものが何かをご存知でしょうか。
・アリペイ()
・ウィーチャットペイ
・スクエア (最短当日でカード決済導入!)
上記は全て、決済システムの技術です。
アリペイとウィーチャットペイはコード決済ができるサービス、スクエアはクレジットカード決済が簡単に導入できるサービスです。
今後はさらに、新しいシステムが登場し、社会は目まぐるしく進化を遂げるでしょう。
これから進化する分野の知識を身につければ、視野が広がり、新たな稼ぎ方の発見につながります。
50代がしない方がいいこと
50代からしておくこともあれば、50代がしない方がいいこともあります。
50歳を過ぎてから多額の借金はしない
50歳を過ぎてからの借金は非常にリスクが高いです。
50代の会社員であれば、信用もあり車や教育のローンも通りやすいでしょう。しかし、ローンを組むにも返済をいつまで行うかを考える必要があります。
当然のことながら、退職した後までローンが残れば老後の生活にも影響が出てきます。
住宅金融支援機構のデータによると、2020年の住宅ローンの完済年齢の平均は73歳という結果に、過去20年間で5歳も上がっています。
住宅ローンを50代から組もうと考える人は少ないと思いますが、せめて65歳までには完済できるような計画が必要です。
また、クレジットカードのリボ払いにも注意しましょう。
リボ払いは金利が15%以上です。金利が高いだけではなく、返済額も小額なため元金の減りが遅くなります。
年収1000万円ほどの収入がある人ならば、クレジットカードの限度額が500万円に設定されることも。限度額まで使えば、利子だけで年間75万円支払うことになってしまいます。
(年金利15%の場合)毎月の返済額も10万円前後になることが想定され、教育費や住宅ローンの支払いが重なると家計は苦しくなるでしょう。
そのため、50代を超えてからの借金は家計を圧迫する危険性が高いと言えます。
アパート経営や投資などは注意が必要
資産形成をするには、アパート経営や金融商品への投資も方法の一つです。
不動産、株式、FX、仮想通貨、先物…と様々な金融商品はありますが、特にファウンドラップやリートには注意が必要です。
ファウンドラップやリートはいずれも、証券会社などに資金を預けて運用してもらう投資になります。
投資について詳しい知識がなくても利用できるので、資産形成のために手を出してしまう人が多いです。
とはいえ、投資は不確実なものです。老後資金のために始めた投資でも原資を割る可能性があります。
損失のリスクがあるのはファウンドトラップやリートでも同じです。損をしてしまえば、老後資金が無くなります。
損失のリスクを取るよりも、自分で稼ぐスキルを身につける方が確実性はあるでしょう。
若い世代であれば、投資で損をしても働いて巻き返せます。しかし、50代以降であれば給料をもらえる期間が限られてきます。
損失をカバーして老後資金を確保できるかは不透明です。
投資が悪いわけではありませんが、リスクを考えてた上で運用をしていきましょう。
まとめ
老後破産や下流老人、老後資金は2000万円必要…。将来が不安になる言葉を毎日のように聞きます。
一方で日本人の平均寿命は伸び続けています。老後をどう過ごすかは50代からの取り組みが明暗を分けます。
そのため、頑固脳にならず、日々、色々なことを吸収する心構えが大切です。特にこれからは、IT関連の技術がどんどん増えていくでしょう。
それらの技術は、自分で稼ぐスキルにも通じています。そのスキルを活かせば在宅で稼ぐこともできるでしょう。
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