デザイン思考とは?デザイン・シンキングを仕事に活かすメリットを解説

より顧客に寄り添ったアイデアを出すなら、デザイン思考がおすすめです。けれども、どういう意味か知らない方も多くいらっしゃいますよね。

 

考えている男性の様子
  • デザイナー以外でも使えるの?
  • どんな効果があるの?
  • ビジネスへの活用方法は?

 

そんな疑問を持つ方に向けて、デザイン思考(デザイン・シンキング)についてわかりやすく解説します。

 

デザイン思考をするとアイデアを出しやすくなりますので、ぜひ本記事を参考に考え方の役に立ててみてください。

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デザイン思考とは

デザインシンキングを意識しながらデザインしている様子
デザイン思考(デザイン・シンキング)とは、ユーザー視点で商品・サービスの本質的な課題を見つける思考法です。

 

デザイナーがデザインをする際に用いるプロセスを体系化しました。ビジネス戦略や製品開発時に成果を上げている手法です。

 

ユーザー目線になることで共感性が高まり、新たな創造をしたり、アイデアを素早く出したりできるようになります。

 

例えば「問い合わせ対応は電話が一番親切」と企業側で思っていても、ユーザー目線では「電話は苦手」「時間外に問い合わせたい」と思われている場合もあります。

 

そうすると、どこに問題があったのか気付けるようになるわけです。

 

本質的な課題を見つけて対策をすると、継続的な改善が可能となり、長い目で見ても利用価値があるでしょう。

アート思考との違い

人のシルエットと脳から綺麗な粒子が出ている様子
デザイン思考と似た考えに、アート思考というものがあります。

 

アート思考とは、個人が自由に発想し、自分の感性で創造する思考法です。

 

どちらもアイデアを出すときに活用しますが、視点が異なります。

 

例えば、デザイン思考では

  • 「ユーザーが見やすく使いやすいWebページを作ろう」

と考えます。

 

一方、アート思考では

  • 「自分はこの配色が好きだからこの色を使おう」

とオリジナリティを重視します。

 

どちらが良いというわけではないので、場面によって活用する思考法を考え、利用してみてください。

デザイン思考のメリット3つ

デザイン思考のメリットを紹介します。

1. 多様性のある発想ができる

デザイン思考を利用すると、多様性のある発想ができます。

 

自分目線だけでは考えの幅に限界があるものです。しかし、ユーザー目線は多くの視点を得られるので、多様性を高められます。

 

色んな意見があることを知り、商品・サービスに取り入れると、顧客満足度も上がります。

 

また、日々変化していく社会にも適応できるので、時代に取り残されることもなくなるでしょう。

2. 共感性が増す

共感性が増すこともデザイン思考のメリットです。自分目線でしか物事を考えないと、他者の意見を理解できません。

 

ですが、ユーザー目線で考えてみると、異なる視点で見れるので、他者を理解できるようになるのです。

 

例えば「電話での問い合わせが少ない理由が分からない」と思っているときに、ユーザー目線で考えてみます。

 

すると

  • 「電車で移動中に問い合わせたい」
  • 「声が出ないからテキストで連絡したい」

とさまざまな意見が見えてきます。

 

相手の立場になって考えれば、共感性が高まるでしょう。

3. 問題解決能力が上がる

問題解決能力が上がるのもメリットです。デザイン思考は視点が増えるので、見過ごされがちな問題にも目を向けられます。

 

すると、今まで解決できなかった課題の糸口を見つけられるはずです。

 

根本的な対処を行うと、効果的で持続可能な解決策となり、長期的な問題解決ができるでしょう。

 

その場しのぎの対応ではなく、本質的な問題解決をしたいときにデザイン思考はおすすめです。

デザイン思考のやり方|5段階のプロセス

プロセスを示す構図
デザイン思考をする際の5段階のステップを解説します。ぜひ本項目を参考にコツを掴んでみてください。

1. 共感(Empathize)

デザイン思考をするには、まずは共感が必要です。ユーザーの視点になって理解できると、ニーズや期待を感じ取れます。

 

共感する方法としては、例えば以下の方法があります。

 

  • インタビューしてみる
  • アンケートを取る
  • 顧客を観察する
  • ユーザーとして体験する

など

 

以上を通じてユーザーの状況や課題を認識し、深く入り込むことが第一段階です。

2. 問題定義(Define)

共感の段階で得た情報をもとに、具体的な問題定義をします。

 

共感をすることで本質を理解できるので、明確な目標を設定できるはずです。

 

例えば「なぜ誰も配信内容に反応してくれないのだろう...?」と悩んでいるとします。そこで、アンケートで「メルマガは見ない」「LINEなら確認する」という結果が出たとします。

 

自分に置き換えて考えてみると

  • 「確かに毎日メールを漏らさず確認することはないな...」

となるでしょう。

 

すると「メール配信しか連絡手段がない」という問題が見え、「連絡手段を見直そう」と目標を立てられます。このように課題を明確にしてみてください。

3. アイデア出し(Ideate)

次に、課題解決のためにアイデア出しをしましょう。解決策は異なる意見をなるべく多く出してみてください。

 

例えば、「メルマガの代わりにLINEを使う。LINEならLINE公式アカウント。」のように意見を固めすぎず、

 

  • 「メルマガもLINEも広告も使う。直接ユーザーと会える機会も設けよう。」

のように、あらゆる可能性を提案します。創造的な発想を重視して考えてみるのがおすすめです。

 

4. プロトタイピング(Prototype)

解決策が出たらアイデアを具現化し、試作モデルを作成します。複数の案があっても素早くプロトタイプ※を作成し、アイデアの実現可能性をテストしてみましょう。

 

※プロトタイプ:原型、手本、試作モデル。製品を大量生産する前の試作品のこと。

 

すると、解決策が実現可能かどうかを知れます。

 

コストや技術、運用方法を知れば、現実的なアイデアであったか分かり、調整を行えるはずです。

5. テスト(Test)

最後に、テストを行います。作成したプロトタイプをユーザーに提供し、フィードバックを収集しましょう。

 

そして、ユーザーの反応や、プロトタイプの機能性を評価し、必要に応じて修正・調整します。

 

テストを繰り返すことで、最終的にユーザーに求められている商品・サービスが出来上がるはずです。

デザイン思考に役立つ3つのフレームワーク


デザイン思考に役立つフレームワークを紹介します。

1.事業環境マップ

事業環境マップとは、事業を展開するときに外部環境を分析するための手法です。

 

事業戦略を決めて、意思決定を行う際に役立つ情報を集めます。事業環境マップは以下4つの視点から分析します。

 

  1. 市場:商品・サービスの市場価値や規模、成長率など
  2. 業界:競合他社の状況や新規参入の難易度、取引先との関係性など
  3. トレンド:社会の変化やニーズの移り変わり、将来性など
  4. マクロ経済:国や地域の経済状況など

 

上記4つのカテゴリで分析することで、時代に合わせた発想ができるようになるでしょう。

2. ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスとは、事業モデルを視覚的かつ簡潔に表現するための手法です。

 

内容は以下9つの構成要素にわかれています。

  1. 顧客セグメント:企業が提供する価値を求める、主要な顧客層を特定。
    (年齢、性別、所在地、職業、趣味嗜好など)
  2. 価値提案:顧客に提供される独自の価値や利点を明確にする。
    (商品の品質、価格、利便性、体験価値など)
  3. チャネル:商品・サービスを顧客に届ける手段や方法を決める。
    (店舗、オンライン、提携企業など)
  4. 顧客との関係:顧客との関係を構築・維持するための戦略やアプローチを決める。
    (新規顧客をメインにする、既存客のリピート率を上げるなど)
  5. 収益の流れ:企業が提供する価値に対して得られる収益源を明示する。
    (商品販売、広告収益、寄付など)
  6. コスト構造:事業を実現するために必要な資源や要素にかかるコストを示す。
    (商品の資源、人材コスト、運用コストなど)
  7. キーパートナーシップ:事業に必要な外部の組織との連携を示す。
    (製造業者、コンサルタント、広告代理店など)
  8. 主要活動:事業モデルを実現するために必要な主要活動を挙げる。
    (商品、サービス、教育、セミナーなど)
  9. キーリソース:事業の実現に必要な、主要な資源や能力を指定する。
    (利用建物、機材、従業員、スキル、知識、金銭など)

 

以上の要素を利用してデザイン思考をしてみてください。

3. 共感マップ(エンパシーマップ)

共感マップ(Empathy Map)は、デザイン思考の手法の一つとしてよく使われます。

 

特定のユーザーグループに対する理解を深め、共感を組み込むために利用されます。

 

共感マップは、ユーザーの感情、思考、行動、環境を整理し、洞察を得るのに役立つフレームワークです。

 

以下6つの項目にわけて考えてみてください。

 

顧客が、

  1. 見ているもの(See)
  2. 考えていること(Think)
  3. 感じていること(Feel)
  4. 聞いていること(Hear)
  5. 言っていること・意見(Say)
  6. 悩みやストレス(Pain)
  7. 得られるもの(Gain)

デザイン思考に関するよくある質問

Q&A
デザイン思考に関するよくある質問に回答します。

デザイン思考はどんなときに使えばいい?

デザイン思考は、ユーザーに寄り添ったアイデアが欲しくて、顧客満足度を上げたいときに活用できます。

 

共感性を大事にする考え方なので「会社や制作者目線になっているから視点を変えたい!」というときに使えるはずです。

 

また、何度も試行錯誤して試作を作る思考法のため、どんどん新規案をテストしてみたいときにも利用してみてください。

なぜデザイン思考が必要なの?

デザイン思考は、変化の速い社会の波に乗ったり、顧客により喜んでもらったりするために必要な考え方です。

 

デザイン思考をしなければ時代に取り残され、多くの人に見向きもされなくなってしまうでしょう。

 

今に合った商品・サービスを作りたい方には、デザイン思考がおすすめです。

デザイン思考がうまくいかない理由は?

デザイン思考は何度もテストを繰り返す手法なので、考えているだけでは十分な効果を得られません。

 

また、デザイン思考が合わない場所で利用している場合も、上手くいかないはずです。

 

例えば、新規サービスを立ち上げる際にはあまり向いていません。デザイン思考はユーザーの意見や視点を基にアイデアを求めるからです。

 

ユーザーが抱えている課題を解決するために使っていない場合は、デザイン思考は不向きといえるでしょう。

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幸せそうにパソコンを向かっている女性
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