今までは、「田舎なんて」と思い多くの人が都会に出てくる現象が続いてきました。しかし昨今、田舎移住への目線が昔と違う捉えられ方をしていることに気づいていますか?
理由として、
- 「ストレス社会から脱出したい」
- 「働き方や暮らし方を変えたい」
と自分の生き方を考える人が増えているからだと考えられます。
本記事では、実際に田舎に移住した筆者の体験から、田舎暮らしのメリット・デメリットをお伝えします。ぜひ参考にしていただければと思います。
田舎暮らしを考える人の割合は65%
東京在住の20代〜40代(学生除く)の1,500名を対象に意識調査した結果、65%の人が移住に関心があるとわかりました。
(引用:PRTIMES)
背景として、コロナ禍にリモートワークが普及したことが引き金になっていると思われます。
「リモートワークで収入があるなら、都会のストレスの中で生きていかなくてもよい」と感じる人がいてもおかしくないですよね。
他にも「自然に囲まれて暮らしたい」など自然を身近に感じたい人もいるでしょう。
65%という数字が「多いか少ないかの感じ方」は人によって違うと思いますが、人々の田舎に対する意識に変化が出ているのは間違いなさそうです。
田舎暮らしのメリット6選
「な〜んもないでしょ」と思われるでしょうが、田舎にしかないメリットもたくさんあります。その中から田舎に移住した経験を基に「田舎暮らしのメリット6選」をお話しします。
自然に触れやすい
なんといっても、海・山・川・湖など自然が溢れています。
- 水上アクティビティのSUP
- 森林セラピー
- トレッキング
- ダイビング
などの体験も田舎ならではです。
また、大自然の中で生きている野生動物などにも近づけます。野生動物とまではいかなくとも、大自然を利用した酪農の牛や馬など動物と触れ合う機会も身近にあります。
自然の恵みで育った食材で作る料理も見逃すわけにはいきません。
大自然に触れながら過ごすと、時間を忘れストレスから解放された「スローライフ」を体験することができるでしょう。
筆者の家の周りでは、朝起きるとさまざまな鳥の声が聞こえ、夜になるとフクロウも出てきます。都会では見られない星空も広がっており、流れ星もよく見ます。バードウォッチングや天体観測もできそうですね。
助け合いの文化がある
田舎には助け合いの文化が残っているケースがあります。昔は都会でも、お隣さんに「切らした醤油を借りて多めに夕食を作り、借りた醤油とお返しの料理を渡す」という近所付き合いがありました。
筆者の家は島根県の田舎ですが、ご近所さんから食材をもらい、できた野菜をお返しに渡すなどの交流があります。
今の都会では近所付き合いが少なく、隣に誰が住んでいるのかわからないケースが多いと思います。
「人との交流が残っている文化」と言えるかもしれませんね。
1次産業との接点がある
田舎には自然が多くあるため、
- 米や野菜を作る農家
- 乳製品を作るための酪農家
- 食肉用の牛・鶏・豚などを育てる畜産農家
- 海などで魚介類を獲る漁師
などの1次産業とも近くなります。
筆者の家の近くでも辺りは田んぼだらけで、稲作農家の方が多いです。少し離れたところには牛を飼っている酪農家の方もいます。
筆者の住む島根県は日本海が近く、のどぐろ・しじみが有名です。自宅から近い場所にも漁師さんが住んでいます。
各地方で特色がありますが、どこも同じように1次産業が身近に存在しています。
田植えシーズンでは田植え体験をさせてくれるサービスがありますので、土いじりをしてみたい方は、ぜひ体験してみてください。
(参考:アソビュー!)
都会でできない体験ができる
田舎で自然を満喫したり、古い歴史に触れたりすることもよいでしょう。
筆者が実践した例でいうと、
- 狩猟
- 農業
この2つです。
- 狩猟に関しては、都会に住んでいた時は不要だったので断念しておりました。しかし、田舎に移住するとすぐ近くに害獣が出てくるため、必要性があったのです。
- 農業に関しては、都会では土地がないため諦めていました。当時は田舎移住したらプランターではなく、畑で作物を育ててみたいと思っていましたね。田舎では土地を貸してもらえるケースがあるので、挑戦しやすい環境です。
最初は比較的育てやすいサツマイモを育てましたが、でき過ぎたため当面はサツマイモの天ぷらがおかずでした。ですが、自分で育てた作物を食べるのは経験がなかったので、よい経験となりました。
昨今では食糧難のニュースを聞きますが、自分で農作物を育てることができれば恐怖心が和らぎますよね。
満員電車に苦しまない
田舎では、満員電車に苦しむことがありません。そもそも、都会と比べて電車に乗る人が少ないですが、鮨詰め状態になって通勤で汗をかく状態にはなりません。
また、人が少ないので連結された車両数も2両程度と少なめです。東京や大阪と比べるとその差にびっくりすると思います。
都会では満員電車で怪我をする話をよく聞きます。相当なストレスと日々戦っていると想像できますが、田舎ではその苦しい状態ともおさらばです。
地方によって補助金が出る
自治体にもよりますが、田舎では移住者向けの補助金が用意されています。
筆者は関西に38年住んでいたため、補助金が給付される条件に入っていました。しかし存在を知らずに引越してしまい、補助金はもらえませんでした。
誰も言ってくれないので、この記事を通してお伝えします。
都会から田舎へ移住する際、補助金が出るか調べましょう!
昔と比べて田舎も少しずつ都会化しています。補助金などの施策により子育て世帯や、仕事に不安を感じる人も移住しやすくなってきており、メリットとして捉えてもよいのではないでしょうか。
田舎暮らしのデメリット6選
田舎暮らしには都会とは違うデメリットもあります。どんなデメリットがあるのかお話しします。
人との関わりが増える
都会ではご近所付き合いが全くない人も多いと思います。筆者が関西に住んでいた時は、社会人になって一度もご近所付き合いがなく、隣に住んでいる人がどんな人かも知りませんでした。
その方が、仕事以外の煩わしさがなく都合がよかったと感じます。
逆に田舎では、知らない人からよく声をかけられます。理由は本人が知らない間に、田舎のネットワークで周りに情報が伝わっているからでした。
恐るべし田舎、世間が狭いとはこのことですね。
また、年に1 〜2回近所の草刈りで召集されます。知らない人しかいませんが、何回か顔を出すと覚えられて話をすることが増えます。
こうして人との関わりが増えていくのが田舎です。
人との関わりが煩わしい人は、生きにくい環境になりやすいのが難点ですね。
都会暮らしとは違う自治体の存在
都会にも自治体があります。独り身の社会人だと経験があるかもしれませんが、借家の契約時に少しお金を払うと自治体に参加しなくてよいケースがあります。
しかし、田舎では自治体に参加しないのは御法度です。面倒な上に周りの人を知らない状況が追い討ちをかけます。
さらに面倒なのは、「若いから」という理由だけで物事を押し付けられるケースです。若い人が田舎を嫌がる理由として、こういう背景が大きいのではないでしょうか。
田舎の自治体が今の時代に対応できていないのです。若い人が自治体に参加しやすい状況を作る対策が必要ですね。
虫や野生動物が出てくる
自然が豊富である裏返しですが、虫や野生動物が頻繁に出てきます。虫嫌いの人には酷なのが田舎です。都会の人が見たことがない虫のオンパレードです。子どもにとっては、理科の実験みたいで楽しいとは思います。
しかし、中にはムカデやスズメバチなどの毒を持った虫もいます。
筆者がトイレに入っていた時、開いていた窓からスズメバチが入り込み、必死に便器ブラシで応戦しました。
です。
また、星空を見るため家の外に出ていたら、物音がしたので懐中電灯を照らすと40〜50kgぐらいのイノシシが3m程度の至近距離にいました。音を立てず後ずさりして逃げました。
です。
虫と野生動物の出現率はかなり高いので、虫嫌いな人は田舎でも都心部をおすすめします。
自然災害の脅威
田舎は海や山に囲まれており、土砂崩れや洪水、津波の心配があります。昨今では、線状降水帯により雨が集中する傾向が高まっており、洪水や河川の決壊が毎年のように表面化しています。
筆者がよく使う島根県の国道9号線も土砂崩れで、長い間通行止めになった経験がありました。
また、都会ほど下水整備が整っていないため、洪水になるリスクも高いです。
河川の堤防も何十年と整備されていない部分もあるでしょう。
田舎は予算が潤沢にあるわけではないので、小さいところは特に後回しになりがちです。
自然災害に関しても、都会よりリスクが大きいのがデメリットではないでしょうか。
自動車が必須で費用が掛かる
田舎は買い物1つでも自動車が必要です。都会では家から徒歩数分圏内にコンビニがあります。
しかし、筆者の場合、家から一番近いコンビニまで8kmもあります。
家族が自分以外にいる場合、大人の数だけ自動車がないと何もできない状態になります。
農業をされている方は、軽トラも必要です。
ですが、今はガソリンがドンドン値上げをされており、2023年8月2日現在のガソリン代は、1ℓあたり平均174円前後です。
他の交通手段を考えても、都会ほど電車の本数もないので、自動車一択になります。
つまり、都会よりも交通費が高くなります。
寒さ対策で費用が掛かる
日本海側や豪雪地帯の田舎では、暖を取れるかが命に関わります。多くの家ではファンヒーターやストーブが主力となっています。電気を使うケースもありますが、共通しているのは灯油が必要なことです。
一冬越えるために一家で使う灯油もかなりの量です。ちなみに、筆者の家でも一冬で400ℓ〜500ℓの灯油を使っています。
田舎の家は、木造で土壁を使った古い家も結構あります。そのため、都会の家とは比べ物にならないほど断熱性能が低い家が多いです。家の性能も燃料費が掛かる一因です。
寒さ対策の燃料費も勘定に入れておくべきでしょう。
移住前にするべきこと
ここまで、田舎暮らしのメリット・デメリットの一例を挙げてきました。そして田舎移住をする前に、今持っている情報をよりブラッシュアップしておいた方がよいポイントがあります。
田舎移住の助けになりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
補助金を調べておく
都道府県や市町村で施策が違うため、候補地で補助金について調べる必要があります。
筆者が住んでいる島根県を例としてお話しします。
島根県がUIターン希望者の受け入れと、地域の定着までを各段階でサポートするためにとった施策は、さまざまな支援制度です。
- 交通費助成
- 引越し費用割引
- わくわく島根生活実現支援事業
- しまねUIターンテレワーク支援事業
- 産業体験
などがあります。
(引用:くらしまねっと)
どんな補助金があるか知っておくと、移住後の生活にも活用できます。子育て世帯は特に調べておくとよいでしょう。
災害の発生状況を調べておく
「過去の災害」は、どこに家を構えるかを決める段階で必要になる情報です。過去にどんな災害があったかを知ることで、災害を回避できる可能性が高まります。
役所でも教えてくれる可能性がありますが、インターネットである程度調べておくことをおすすめします。役所などで教えてもらうときも話が早いです。
- 洪水
- 河川氾濫
- 土砂崩れ
- 地震
- 地盤沈下
- 液状化現象
などの起こった場所はなるべく避けるように候補地を考えましょう。
神社巡りが好きな方は、素戔嗚命(スサノオノミコト)を祀っている神社を調べてみるのもよいです。「昔、ここまで災害があったよ」という印として建立されているケースがあります。
子どもがいる世帯に向いた環境か調べておく
子育て世帯の場合、
子どもの学校と家の距離は?
他にも同じ歳くらいの子どもがいるか?
など不安があるかと思います。
各都道府県にも子育て世帯が暮らしやすい地域があります。
島根県を例にすると、「松江市」「出雲市」という都心部が人気です。しかし、意外にも自然に囲まれた郊外の「飯南町」が注目されています。
地域住民が一体となって子どもを見守る雰囲気があり、保小中高一貫教育という教育機関の連携があります。
(参考:飯南町定住支援センター)
町全体で子育て環境が整っていると助かりますよね。候補地にも子育て世帯が住みやすい場所があるはずなので、調べてみましょう。
老後の生活に向いた環境か調べておく
社会人の第一線を退いてゆっくり老後を過ごしたい方も多いはずです。都会での生活ではなく田舎でスローライフもいいですね。
ただ、無理に田舎過ぎる場所を選んでしまうと、生活を安定させること自体が難しく、田舎生活を諦めざるを得ない状態になりかねません。
基本的に押さえておきたいポイントは以下です。
- 近くに介護施設がある
- 近くに病院がある
- 自動車の運転ができない場合の交通手段がある
- 最初から家を買わず賃貸に住む
働き盛りとは違い時間的には余裕があるので、慎重にひとつずつ決めていきましょう。
空き家バンクを活用する
田舎の住居探しは空き家バンクを活用し、賃貸から始めることをおすすめします。
なぜなら、その地域が自分に馴染まない場合は撤退を考えねばならないからです。
- 日頃の生活の出費が思ったより多い
- 周りの人間関係に悩む
- 持病などの不安があるのに病院が近くにない
など要因は数多くあります。
なので、家を購入してしまうと、仮に退去になった場合の手続きが面倒になります。
まずは、各都道府県で空き家バンクを使いましょう。
インターネット上で田舎の家や土地を紹介しています。感覚的には街の物件サイトと同じです。
普通の物件サイトだと主に都心部のマンションなどが出てきますが、空き家バンクだと郊外の自然に囲まれた物件も出てきやすいです。
自動車は処分せず持っていく
田舎は車社会です。
都会では電車徒歩で多くの用件を済ませられます。しかし、田舎では距離が比較にならないほど遠くなり、用件を済ますのが容易ではありません。
「田舎では出費が減る」と聞いたことがあるかもしれませんが、むしろ逆になるケースがあります。
とにかく「田舎暮らしに自動車は必須」と覚えておいて間違いないです。自動車がない人は、他の交通手段がある場所に移住を考える必要があります。
自動車を保有している場合は、処分せず田舎生活のパートナーにしましょう。
二拠点生活を試しておく
「情報もある、勉強もした、いざ田舎生活だ」と思っている人は、ちょっと待ってください。
いきなり田舎に引越しは危険な判断です。
田舎は、世間が狭いです。
田舎は「人付き合い」の度合いで過ごしやすさが変わります。しかし、自分と気が合う人に囲まれているとは限りません。
反りが合わず迷惑をかけてくる人と毎日顔を合わせるような環境だったら嫌ですよね。
周りの人・環境を確認するには、人の輪に入って物知りな人たちから情報をもらうことです。
本当に住むべき場所と付き合うべき人が選べると、後の生活はストレスが少ない状況になります。
まずは、今ある拠点をベースに田舎でも安い物件を借りてみてはいかがでしょうか。休日だけ田舎暮らしをしてみるだけでも、実際に都会との違いを体験できます。
リモートで仕事ができる環境にしておく
田舎に移住する前にリモートで仕事ができるようにしておくと便利です。
なぜなら、田舎は都会のように働き口が多くないからです。
都会にいる間に今の仕事がリモートでできるかを調整してみましょう。コロナ禍をきっかけに会社の働き方が変わっているケースも多くあります。
もし、個人事業主であればインターネットを使った仕事ができるようにしておくとよいです。WEBデザイン、動画編集、プログラミング、広告などがあります。
以上の方法で収入経路を確保しつつ、田舎でも何かやりたいことができたらチャレンジしてみるとよいかもしれません。
あと、忘れてはいけないのがネット回線が引ける地域かの確認が必要です。田舎はNTTのネット回線が整備されていないケースが多いです。
筆者の家ではネット回線が届いていないため、ケーブルTVに加入し、その中のサービスでネットを使っています。この部分も都会より出費が大きくなっています。
外部コミュニティで仲間作りをしておく
いろいろな外部コミュニティに参加し、仲間を作りましょう。
なぜなら、インターネットだけでは情報が偏っている場合があるからです。
候補地に住んでいる人が参加しているコミュニティだと情報が入りやすくなります。地域の情報をもらえる場合もありますし、移動した先に知り合いがいた方が何かと相談しやすいです。
インターネットだけの付き合いでも、あると心強いと思います。
インターネットでできる仕事の勉強がてら仲間を増やすのもありです。「スキル」「仲間」両方とも手に入るので一石二鳥ですね。
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まとめ:田舎暮らしは焦らない
田舎暮らしに目を向けている人は増えていますが、成功させるコツは「時間をかける」ことです。
焦って行動すると後悔します。
田舎暮らしの失敗要因で多いのは、人間関係です。
場所や物件がよくても、周りの人が自分と合わない人だとストレスが倍増し、「都会の方がマシだった」と思うようになります。
都会と田舎で一番違うのは「人が持つ価値観」です。
人間の性格を観察するためにも時間がかかるわけです。焦らず少しずつ進めて、足を使って現地を確認してみてください。そして、現地の人と交流し、少しずつ迎え入れてもらえるように顔を覚えてもらいましょう。
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