PhotoshopやIllustratorなどのクリエイティブ製品で有名なアドビ社が開発したAIツール「Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)」。
Adobe Fireflyなら、度々問題になっている「AIで生成された画像の著作権問題」を解決し、安心して商用利用ができると大きな話題になっています。
ベータ版が公開されましたので、詳細や使い方を詳しく解説いたします。
- 他の画像生成AIとどう違うか知りたい方
- 画像生成AIの著作権や商用利用についてしっかり理解したい方
- 料金について知りたい方
- 実際の詳しい使い方や画像生成のコツが知りたい方
上記の方々にとっては必見の内容となっておりますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
目次
Adobe Fireflyとは?
「Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)」は、画像生成だけでなく、テキストエフェクトや素材のカラー変更など、様々な機能を備えたジェネレーティブAIです。
ベータ版が2023年3月21日に公開され、当初は利用申込みをして順番待ちをする必要がありましたが、5月23日からは一般向けに開放され、現在は申請不要で利用開始できます。
ベータ版はウェブ上で利用でき、専用ソフトウェアやアプリをダウンロードする必要はありません。無料のAdobe IDを作成すれば誰でも利用を開始できます。
⬇公式サイト右上の「Sign in」ボタンからIDを作成できます。
【商用利用可】著作権問題が解決されたとはどういうこと?
「Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)」が他の画像生成AIと比べて、特に大きく異なる特徴は、著作権問題をクリアにしたことです。
他の有名な画像生成AIである「Midjourney(ミッドジャーニー)」や「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」などは、どんなデータをAIが学習したのかが公開されていないので、中には著作権違反となるような画像も学習に含まれている可能性があり、著作権問題に関してはグレーな状況です。
アメリカやイギリスなどではアーティストが「画像生成AIは大量の作品を盗用し、知的財産権を侵害している」とMidjourneyやStable Diffusionに対して訴訟を起こしており、大きな問題になっています。
一方Adobe Fireflyは、
- Adobe Stock(アドビ社が運営する数億枚以上ある有料素材サイト)の画像
- 正式にライセンスを受けたコンテンツ
- 著作権の有効期限が切れたパブリックドメインコンテンツ
上記のような著作権に問題のない画像を利用してAIに学習をさせているため、安心して商用利用に使うことができます。
また、Adobe Fireflyで生成した画像にはコンテンツの信頼性情報が自動的に付与されます。
⬇ダウンロード時に以下のようなポップアップが表示されました。
コンテンツの信頼性情報(Content Credentials)は、2023年6月現在はAdobe Photoshopでフル機能のバージョンが利用可能です。
フル機能の信頼性情報を含める場合、次のようなより幅広い情報を共有することができます。
- 名前(Adobeアカウントに表示される名前)
- ソーシャルメディアアカウント
- Web3アドレス
将来的には、コンテンツの信頼性情報は他のAdobeアプリにも導入される予定です。
参考:https://firefly.adobe.com/faq#content-credentials
Adobe Fireflyは、他人の著作権を侵害してしまうリスクを減らすだけでなく、自分が生成した著作物を守ることについてもしっかり考えられていますね。
料金
次はAdobe Fireflyの気になる料金についてです。
ベータ版の料金
ベータ版は無料で利用することができますが、左下に「adobe firefly(Beta) Image Not for Commerical Use」とウォーターマークが入り、商用利用はできない点に注意してください。
⬇左下にウォーターマークが入っています
正式版の料金
正式版についてですが、2023年6月8日に法人向けの「Adobe Firefly エンタープライズ版」がリリースされることが発表されました。(参考:https://news.adobe.com/news/news-details/2023/Adobe-Brings-Firefly-and-Express-to-Enterprises/default.aspx)
提供開始時期は2023年下半期されており、金額はまだ発表されていません。
権利侵害で訴訟を起こされた場合、アドビ社が全額補償すると書かれているのでとても心強いですね。
adobe firefly ベータ版の使い方
現段階では4つの機能が公開されています。※2023年6月現在
- Text to image:画像からテキストを作成
- Generative filll:ジェネレーティブ塗りつぶし
- Text effects(プロンプトによるテキストへのエフェクト適用)
- Generative reclor(再配色)
- 3D to image(準備中)
- Extend image(準備中)
他にも
- スケッチからベクターデータを作成する
- 「動画後半で天気を変えて」などテキストベースの動画編集
- テキスト入力でポスター、バナー、ソーシャルメディア投稿などを作成
- 3Dオブジェクトの作成
など様々な機能の追加が予定されています。
Text to image機能の使い方
アドビIDでログインした状態で、こちらのページの下の方にあるテキストエリアに作りたい画像を英語で入力するだけです。
日本語対応はしていないので、英語で入力してください。
翻訳サイトを使えば簡単です。(おすすめ翻訳サイト:https://www.deepl.com/translator)
単語と文章の間は「,(カンマ)」で区切ることで、多くの情報を指定できます。このようにAIに出す指令のことをプロンプト(呪文)と言います。
プロンプトを入力するとすぐに画像が4枚生成されます。
Adobe FireflyのText to image機能の大きな特徴は画像生成後の調整が細かく変更できることです。さすがクリエイティブソフト開発会社です。
以下のように①からプロンプトの変更、②から細かい調整が簡単にできます。
画像のサイズやスタイルを選ぶだけで、プロンプトに追加されます。
アスペクト比・コンテンツタイプ・スタイル・色とトーン・照明・構成と細かく調整可能です⬇
生成された画像の上にカーソルを置くとさらにメニューが出てくるので、こちらから気に入った画像が保存できます。
Generative filll機能の使い方
Generative filll機能は「すでにある写真や画像」の一部を変更することができます。
- 画像の中に無いものを作り出す
- 画像の中にあるものを消す
- 画像の中のものを別のものに置き換える
上記のような使い方ができます。
まずはこちらのページから加工したい画像をアップロードします
アップロードしたら、消したい・置き換えたい・作り出したい部分を塗りつぶします。
マウスで塗りつぶす以外に、以下の画像の「①Background」ボタンを押せば背景を一瞬で塗りつぶすことができます。
最後に②のテキストエリアに置き換えたいものを英語で書き込むことで、AIが画像を再生成してくれます。
⬇ワンクリックで背景を消すことができます
⬇②のテキスト入力エリアに青空(blue sky)を入力して置き換えてみました。
1度に4枚生成されます。気に入ったものがない場合、「More」を押せば再生成されます。
基本の使い方は以上です。
⬇服を置き換え
⬇皿に食べ物を乗せる
かなり自然でクオリティの高い画像を生成することができます。
こちらもダウンロードする際に左下にウォーターマークが入ります。
Text effects機能の使い方
Text effects機能は「飾り文字」を簡単に作ることができます。
基本的な使い方は他の機能と同じです。
こちらのページの画面下にあるテキストボックスの「①の部分に作成したい文字」、「②の部分にどんな飾り文字にするのかを英語で入力」し、「Generate」をクリックします。
⬇CAKEという文字を作ってみました。
Text effects機能でも右のエリアから細かいフォントや背景色など調整が可能です。
⬇AIという飾り文字
Generative reclor機能の使い方
Generative reclor機能はSVG形式の素材の配色を変更することができます。
こちらのページ機能に移動します。
「SVGデータ」をアップロードしてください。
SVGとはScalable Vector Graphicsの略で、画像やイラストを数式で保存したファイルです。
画像素材サイトなどで保存する際にSVGを選択してください。
⬇例えば素材サイト「時短素材」でSVG形式で素材をダウンロードできます
基本的な使い方は他の機能と同じで、1度に4枚提案され、ページ右側から調整できます。
使ってみた感想・生成のコツ
プロのクリエイターが利用する「Adobe」独自のデータを使った学習をしているAIだけあって、生成される画像のクオリティが高いと感じました。
特にGenerative filll機能では、単に画像を置き換えるだけではなく、影や境界線・色味などAIが背景と馴染むように画像全体を調整がされていることにとても驚きました。
⬇クロワッサンを生成(背景と馴染んでいる色や影、角度のクロワッサンが出現)
⬇おすしを生成
他にも、Midjourneyのようにチャット形式ではなく、1画面で集中して画像生成ができる点もとても魅力的です。
また、サイズやスタイルなど細かいディテール部分は選択式のため、すべてテキストで指定する必要がないのでAI初心者さんにも易しいツールだと思います。
Adobe Fireflyで画像を上手に作るコツは、他の画像生成AIにも通じることですが、プロンプトを少しずつ調整しながら満足できるまで何度も生成し直すことです。
Adobe Fireflyはアドビストック(https://stock.adobe.com/jp)の素材を使って学習しているので、アドビストックの素材のタイトルや類似ワードをヒントにしつつ、自分のイメージする理想の画像を言語化していくと良いと思います。
ベータ版のため、まだ商用利用はできない点が残念ですが、無料で何枚でもお試しできるのでぜひ使ってみてください。
まとめ
クリエイティブ製品開発会社アドビが開発したツールだけあり、クリエイターに寄り添うAIツールだと感じました。
プライベートで使うというよりは、
- Adobe製品を使っている方
- 会社で利用したい方
- 商用利用可能で安全な画像生成AIを探している方
におすすめです。
もうすぐリリースされる、商用利用が可能な「Adobe Firefly エンタープライズ版」に期待ですね!
AIツール名 | Adobe Firefly ベータ版
(アドビ ファイアフライ) |
運営会社 | Adobe |
画像生成方法 | テキスト入力、画像のアップロード |
利用方法 | 無料のAdobe IDを取得してWEBから利用 https://firefly.adobe.com/ |
料金 | ベータ版:無料
エンタープライズ版:2023年下半期に公開予定 |
商用利用 | ベータ版は商用利用不可 |
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