- どうせ移住するなら沖縄がいい!
- 沖縄でストレスのない生活が送りたい
- 沖縄移住に興味はあるけど正直不安…
毎年多くの観光客で賑わう沖縄県。国内にいながら海外のようなリゾート気分が味わえると人気の地域です。
移住を検討されている方には、都会の喧騒を離れ、沖縄での悠々自適なスローライフに憧れている人も少なくないでしょう。
今回の記事では、沖縄生まれの筆者が、沖縄に移住するメリット・デメリット、よくある質問を紹介していきます。
まことしやかに囁かれる、「噂の真相」についても言及していきますので、沖縄移住のリアルが知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
目次
沖縄県の基本情報
まずは沖縄県の基本情報から見ていきましょう。
人口は約145万人で、人が住む日本最南端のエリアを含む、面積2,281平方キロメートルの県です。
県民の多くが本島に集中しており、中でも約30万人が居住する那覇市は、都市圏なみの人口密度となっています。
また、那覇市の国際通りから車で約10分に位置する那覇空港は、国内・海外を結ぶ直行便の数が多く、都市間のアクセスには不自由しません。
沖縄県は地域によって大きく分類され、主なエリアは以下の通りです。
- 本島北部
- 本島中部
- 本島南部
- 本島離島
- 宮古エリア
- 八重山エリア
それぞれの地域や島で、独自の文化が体験できるのも魅力のひとつと言えるでしょう。
沖縄移住で後悔?噂の真相は
一部では、「移住者の8割が本土に戻る」とも噂されている沖縄移住。
移住先として人気が高い反面、よい噂ばかりではないのも事実です。では、実際のところどうなのでしょうか。
総務省が公表する「2023年(令和5年)4月の人口移動の概況」によると、沖縄県への転入者数は4月時点で、4,561人となっています。
こちらは前年度に比べ144人の増加が見られました。
しかし、同期間の転出者数は、5,543人です。沖縄県に移動してきた人よりも、沖縄から出ていった人の数が、982人多い結果となっています。
上記の数値がすべて移住者をあらわすものではありませんが、実際に沖縄から出ていく人が少なくないのも事実と言えるでしょう。
詳しくは後ほど解説しますが、物価の高さや独自の文化になじめないのが原因で、沖縄を離れるケースもめずらしくないようです。
沖縄移住を検討している人は、メリット・デメリットを十分に理解したうえで、移住を判断するのが無難と言えます。
沖縄県に住むメリット5選
沖縄県に住むメリットから見ていきましょう。
紹介する内容は、
- 常にリゾート気分が味わえる
- 花粉症に悩まされない
- 健康的な食事が多い
- のんびりとした環境で生活できる
- 独特の文化にふれられる
の5つです。それぞれ順に解説していきます。
1.常にリゾート気分が味わえる
沖縄の海や雰囲気に魅せられた人にとって、常にリゾート気分が味わえる沖縄での生活は最大のメリットと言えるでしょう。
沖縄県による「令和4年人口移動報告年報」を参考に、県外からの転入者数が多い地域を順に並べると、
1位.那覇市:9,435人
2位.宮古島市:2,061人
3位.沖縄市:2,060人
といった順番です。
本島が好まれる一方で、美しい海に代表される宮古島市が人気なのも頷けます。理想とするスタイルに合わせて地域が選べるのも、沖縄移住の魅力のひとつと言えるのかもしれませんね。
週末にバカンス気分を味わいたい人は本島を、常にリゾート気分を満喫したい人は離島を検討してみてはいかがでしょうか。
2.花粉症に悩まされない
重度の花粉症の人にとって、沖縄は「避粉地」としても注目を集めています。
花粉症の原因とされるスギやヒノキは、戦後の日本で資材確保を目的として植林された人工林がほとんどです。
沖縄にスギ・ヒノキが少ない理由は、沖縄では本土と戦後の歩みに違いがあったため、植林政策の対象とならなかったのが一因とされています。
実際に、スギ人工林の割合がもっとも多い秋田県では、森林面積に対して367,469ヘクタールがスギ人工林。
一方で沖縄県は、スギ人工林の面積はわずか248ヘクタールです。
完全に、とは言い切れませんが、花粉症に悩まされる可能性が低いのは事実でしょう。
参照:林野庁「都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積」
3.健康的な食事が多い
かつては長寿県として知られた沖縄ですが、平均寿命は低下の傾向にあります。厚生労働省によると、2020年(令和2年)時点で、沖縄県の男性の平均寿命は、全国43位です。
しかし、「あと何年生きられるか」を示した平均余命を見てみると、75歳の男性で全国2位。同年代の女性では1位と、やはり好調な結果を残しているのがわかります。
その理由として考えられるのが、琉球料理とよばれる伝統的な食文化です。中でも代表的な料理には、
- ゴーヤチャンプルー
- ラフテー
- ソーキ
- ジーマーミ豆腐
など、豚肉や豆腐といった、タンパク質が豊富な食材が使用されているのがわかります。
ほかにも、ゴーヤーやナーべーラー(ヘチマ)に代表される植物性の食品にくわえ、海ぶどうなどの海藻類も有名です。
ビタミン・ミネラル豊富な食材も多いため、自然とバランスのよい食生活が身につくのが長寿の秘訣なのかもしれません。
参照:
厚生労働省「令和2年都道府県別生命表の概況」
厚生労働省「2 都道府県別にみた平均余命」
4.のんびりとした環境で生活できる
沖縄特有のゆったりとした雰囲気に惹かれる人も少なくありません。
沖縄には、「ウチナータイム」とよばれる独特の時間感覚が流れているとされており、ちょっとした時間のズレにはあまりこだわらない空気が浸透しているようです。
また、人との交流が盛んな沖縄では、ゆんたく(おしゃべり)好きな人が多いのも特徴のひとつ。
時間に追われる暮らしが苦手で、人とのつながりを重視する方にとって、沖縄は心身を癒してくれる最適な移住先と言えるかもしれませんね。
5.独特の文化にふれられる
かつて琉球王国として栄えた沖縄は、中国や東南アジアとの交流を通して独自の文化を発展させてきました。
三線や琉球グラスなどの工芸文化にくわえ、エイサーやハーリーに代表される伝統行事が今でも広く親しまれています。
また、島やエリアによって独自の文化が体験できるのも魅力のひとつ。
中でも特徴的なのは、石垣島のアンガマや、宮古島のパーントゥ、波照間島のムシャーマなど、どれも個性的な行事ばかりなので、気になる人はチェックしてみてください。
少し出先を変えるだけで新たな体験が得られる沖縄は、多様性のある文化にふれたい人にとって、理想的な移住先と言えそうです。
沖縄県に住むデメリット4選
次は、沖縄県に住むデメリット4選を紹介します。
1.車がないと不便
公共交通機関の選択肢が少ない沖縄では、車が必須となります。
那覇空港駅から、てだこ浦西駅を結ぶモノレールはありますが、運行するエリアがごく一部のため、やはりメインとなる移動手段は必要でしょう。
また、「沖縄は本土に比べてガソリンが安い」といった話も耳にしますが、必ずしもそうとは言い切れません。
たしかにガソリン税は軽減されてはいますが、輸送量や車社会などの理由もあってか、そもそもの値段が高く設定されがちです。
実際に、経済産業省による「給油所小売価格調査」では、レギュラーガソリンの価格は2023年(令和5年)5月時点で、全国平均168円。
同期間での沖縄の平均店頭価格は172円と、全国平均よりも高いのがわかります。
2.台風の影響を受けやすい
沖縄に移住すると考えた場合、台風による影響は避けては通れません。沖縄地方は台風の通過点に位置しているため、本土よりも被害を受けやすいのです。
気象庁が観測した「台風の接近数」によると、2022年(令和4年)には6回の台風が沖縄に接近しています。ちなみに、同年の関東地方では2回。
沖縄がいかに台風の影響を受けやすいのかがわかります。とくに、海の近くに住んでいる人なら、塩害や水害対策は必須となるでしょう。
3.物価はやや高め
沖縄ってモノが安いんでしょ?
上記のようなイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、沖縄の物価は本土と同程度か、やや高い傾向が見られます。
気候などの影響もありますが、本土からの輸入品の場合、離島の沖縄は輸送量が高く掛かってしまうためです。
2021年(令和3年)を対象とした、総務省による「消費者物価地域差指数」では、沖縄は98.5と、全国的に見てもほぼ平均値なのがわかります。
消費者物価指数とは、モノの価格がどのように変化したのかをあらわす数値とされており、全国平均は100です。
そこからさらに、2022年(令和4年)を対象とした沖縄県の発表を見ていくと、那覇市の消費者物価指数は102.9と、全国平均をやや上回る結果となりました。
費目別に見ると、とくに食料や光熱・水道が高い傾向にあるようです。
4.給与の水準が低い
沖縄県の最低賃金は、2022年(令和4年)10月の改定後、853円となりました。
前年と比較して33円の引き上げですが、それでも全国平均961円にはかなりの差があります。
また、2023年(令和5年)に公表された、沖縄県による「毎月勤労統計調査地方調査」では、沖縄県の現金給与総額は、平均223,180円。
上記は、事業所規模5人以上を対象とした調査となっており、同期間の全国平均は292,546円で、約70,000円の差があります。
物価も水準より高いのを考えると、現地で新たに定職できたとしても生活が安定するまでには苦労しそうですね。
沖縄移住に向いている人の特徴
沖縄移住に向いている人の特徴を紹介します。
おおらかな性格の人
マイペースな人にとって、沖縄でのゆったりとした生活は性に合っているかもしれません。
沖縄には、「テーゲー」と言われる言葉があり、「物事を突き詰めて考えず、ほどほどに」といった意味で使われます。
上記の言葉があらわすように、おおらかで陽気な性質が沖縄県民の特徴です。
小さな物事にはこだわらない、そんな、いい意味で「テーゲー」な人は、沖縄での暮らしにうまくなじめるかもしれません。
環境に対する適応力が高い人
環境や文化の違いを受け入れ、すばやく適応できる人は沖縄移住に向いています。
本島以外にも、それぞれの地域や集落によって独自の文化が形成されている沖縄では、適応力の高さは生活していくうえで欠かせないスキルとなるでしょう。
反対に、これまでの常識に固執する傾向がある人は、本土との違いにギャップを感じてしまうかもしれません。
個人でも稼げるスキルがある人
本業や副業に関わらず、個人で稼げるスキルがあればどのような環境でも生活していけます。
本島で起業してみるのもよいかもしれませんし、スキルを活かして、離島で何かしらの事業を始めてみるのもひとつの手段です。
また、個人で稼げるスキルさえあれば、現地で仕事を探す手間も省けますし、生活の幅も広がります。
とくにリモートワークのスキルがあれば、時間や場所に縛られずに仕事ができるため、憧れのスローライフに近い暮らしが手に入るのではないでしょうか。
実際に筆者は、リアルでの仕事とリモートワークを兼業していますが、以前に比べ安定した生活が送れています。
もしあなたが、本当に沖縄移住を検討しているのなら、今の段階からスキルを身につけておくのがおすすめです。
沖縄移住に関するよくある質問
沖縄移住に関するよくある質問と回答をまとめました。
沖縄県に移住者向けの補助金制度はある?
面積に対し十分な移住者を確保できている沖縄では、金銭面での援助はおこなわれておりません。ですが、移住者向けの支援制度はいくつか設けられています。
主な制度としては、「空き家バンク」や「移住・安住住宅」、自治体によっては「お試し住宅」などが設けられてるため、気になる人はチェックしてみてください。
一例として、空き家バンクに対応している地域を下記に紹介しておきます。
沖縄に移住して仕事は見つかるの?
本土に比べると、仕事を見つけるのに苦労する可能性は考えられます。
「一般職業紹介状況」を調査した厚生労働省の発表によると、2023年(令和5年)4月時点で、沖縄県の有効求人倍率は1.18倍。全国平均は1.32です。
有効求人倍率とは、ハローワークに登録された求人数と求職者を割った数値で、倍率が高い地域ほど就職しやすいとされています。
上記の通り、沖縄は平均よりも低いため、職探しに向いている地域とは言えません。
しかし、就職支援事業はいくつか存在しています。一部を下記に紹介しますので、沖縄で仕事を探している方は参考にしてみてください。
沖縄移住で失敗しないためのポイントは?
沖縄移住で失敗しないためのポイントは、主に3つです。
- 収入源を確保する
- 住みたいエリアを絞る
- 下見をする
沖縄では仕事を選べる幅が少ないため、現地で職探しをするのではなく、あらかじめ収入源を確保しておくのが無難でしょう。
事前に住みたいエリアを絞ってから、実際に足を運ぶのも重要です。現地の雰囲気を肌で感じられるので、移住してからのイメージもつきやすくなりますよ。
また、
沖縄での生活には憧れるけど、都会からは離れたくない…
と、考えている人には、デュアルライフ(二拠点生活)がおすすめです。田舎と都会を行き来するデュアルライフは、完全移住するかどうかの判断材料にもなります。
お金と時間に余裕がある方は、一度検討してみるのもよいかもしれませんね。
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まとめ:沖縄移住にはリモートワークがおすすめ
沖縄移住に関する、メリット・デメリットを紹介しました。
常にリゾート気分が味わえる沖縄は、移住先として人気な一方で、仕事の幅が限られ給与の水準も高くはありません。
そのため、沖縄移住を検討している方には、どこでも安定して働けるリモートワークをおすすめします。
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