留学やワーホリでオーストラリア行きが決まっている人の多くは、現地の仕事事情に関心があると思います。
- 現地ではどんな仕事ができる?
- どうやって仕事探しをするの?
- 日本とオーストラリアで働き方は違う?
などなど、気になることはたくさんありますよね。現地生活をスムーズに始めるためには、事前のリサーチが欠かせません。
今回はオーストラリアで4つの仕事を経験した筆者が、オーストラリアでできる仕事や仕事の探し方などについて、まとめて解説します。
目次
そもそも日本人はオーストラリアで働ける?
- そもそも日本人はオーストラリアで働ける?
- 働くためには何か申請が必要?
と疑問を持つ人もいるかと思います。
結論は、ワーキングホリデービザや学生ビザを取得していれば、現地での就労が可能です。
ただし、取得するビザによって働ける「時間」が異なりますので、その点はあらかじめ認識が必要です。
なお、観光ビザで就労はできません。
オーストラリアでの働き方は大きく分けて3つ
オーストラリアでの働き方は、大きく分けて次の3つに分けられます。
- 現地の企業やお店で働く
- 日系の企業やお店で働く
- フリーランスとして働く
ひとつずつ特徴を解説します。
現地の企業やお店で働く
現地の企業やお店とは、日本人経営ではない企業やお店のことです。よく「ローカルジョブ」と表現されます。
せっかく海外で過ごすのであれば、英語力を伸ばしたい、外国人と一緒に働いてみたい、と考える人には、ローカルジョブがおすすめです。
ただし、職種によっては高い英語力が求められるため、仕事の選択肢は英語力に大きく左右されます。
日系の企業やお店で働く
オーストラリアには、日系の企業やお店が数多く存在します。
中でも特に求人が多いのは、ジャパニーズレストラン(通称:ジャパレス)と呼ばれる日本食のお店です。
オーストラリアで日本食は人気なので、さまざまなジャンルのお店があります。
- 居酒屋
- 定食屋
- 寿司屋
- 蕎麦屋
- ラーメン屋
など
日本人スタッフのみで運営するお店も多いため、英語力に不安がある段階では心強い存在です。
フリーランスとして働く
フリーランスの中でもIT系(WebライターやWebデザイナーなど)は、パソコンとネット環境があればできるため、出社不要で働けるものも多くあります。
つまり、日本の仕事をオーストラリアに持っていけるわけです。筆者はオーストラリア生活の終盤、現地の仕事とフリーランスの仕事を掛け持ちしていました。
理由は後述しますが、個人的には現地の仕事をしつつ、フリーランスの仕事もあるのがベストだと思っています。
オーストラリアでできる仕事15選
日本人がオーストラリアでできる仕事をご紹介します。
バリスタ
バリスタとは、主にカフェでエスプレッソやラテなどのコーヒーを淹れる職業です。
オーストラリアにはカフェが多く、シドニーに次ぐ第二の都市メルボルンは「カフェの街」と言われるほど、カフェが多数存在しています。
現地には「バリスタコース」を有する学校も多く、英語とコーヒーについて学び、職探しをする留学生は多くいます。
筆者はメルボルンを主な拠点としていましたが、バリスタは現地で最も人気のある仕事のひとつでした。
バーテンダー
バーテンダーとは、主にバーでカクテルなどのお酒を作る職業です。
筆者はオーストラリアで、バーテンダーの仕事をメインに働いていました。
オーストラリアはバー文化も栄えていて、都市部には多くのバーがあるため、働くチャンスはわりとあります。
終業がどうしても夜遅くなるため、学校との両立は難しいかもしれませんが、ワーホリで時間が自由な人にはおすすめです。
ウェイター/ウェイトレス
ウェイター/ウェイトレスは、飲食店のホールスタッフです。男性がウェイター、女性がウェイトレスと呼ばれます。
お客様をテーブルまでご案内したり、オーダーを取ったり料理を提供したりする、日本でもお馴染みの仕事ですね。
知識や経験がなくても始めやすく、専門職より求人数も多いため、現地で最も探しやすい仕事のひとつです。日本人に限らず、留学生の多くは飲食店で働いています。
ソムリエ/唎酒師(ききさけし)
ソムリエを簡単にいうと、主に飲食店のワイン係です。唎酒師とは「日本酒のソムリエ」と呼ばれる存在です。
ウェイター/ウェイトレスの業務に加え、お客様の好みや料理に合わせて、ワインや日本酒選びのお手伝いをする仕事、と考えていただけるといいでしょう。
あまり知られていないですが、オーストラリアはイタリア、フランス、スペイン、アメリカに続く、世界5位のワイン生産国です。
多くの飲食店でワインを扱っており、ワインバーの存在も目立ちます。また、日本食ブームでもあり、日本酒の取り扱いも非常に増えています。
有資格者、あるいはお酒に詳しい人材を求める飲食店は少なくありません。
キッチンハンド(調理補助)
キッチンハンドとは、料理の仕込みをしたり盛り付けをしたりする、調理スタッフのことです。
ウェイター/ウェイトレス同様、求人数が多く、現地で最も探しやすい仕事のひとつです。
寿司ロールのお店のような日本食レストランであれば、調理経験なしの人でも問題なく働けます。
ディッシュウォッシャー(皿洗い)
ディッシュウォッシャーとは、皿や調理器具を洗う専任のスタッフです。
日本ではホテルのような大規模な組織にはディッシュウォッシャーがいますが、街の飲食店ではなかなか見かけません。
一方オーストラリアのレストランでは、わりと一般的にディッシュウォッシャーのポジションがあります。
特別なスキルは不要で英語力がなくてもできるため、ローカルも狙える仕事です。
ハウスキーピング(客室清掃)
ハウスキーピングとは、宿泊施設の客室清掃や備品の補充などを行う仕事です。
現地のホテルが主な職場となるため、ローカルジョブです。とはいえ、仕事自体は英語力がなくてもできるため、英語に不安がある人でも問題なくこなせます。
担当の部屋を割り振られて、1人で作業する流れになるので、1人で黙々と働きたい人におすすめです。
美容師
シドニーやメルボルンといった主要な都市には、主に日本人向けの美容室もあります。
筆者も日本人の美容師が多く在籍する美容室に通っていました。
もちろんローカルの美容室もたくさんあるため、経験のある美容師なら現地での仕事探しには困らないでしょう。
マッサージセラピスト
オーストラリアには日本人経営のマッサージ店も多くあります。
施術中は基本会話をしないため、あいさつ程度できる初級の英語力でOKとしているお店も少なくありません。
また、未経験者可のお店もあるので、新たな仕事に挑戦してみたい人にもおすすめです。
ファームジョブ(農業)
ワーホリメーカーの多くが経験するオーストラリアの仕事といえば、ファームジョブ(農業)です。「季節労働」と表現されることもあります。
なぜかというと、オーストラリア政府はファームジョブをするワーホリの人に、特典を用意しているからです。
通常ワーキングホリデービザの有効期間は、入国から最大1年間です。ところがオーストラリアでは、ある条件を満たすと最大3年間の滞在が可能になります。
その条件は、最初の1年間の内にファームジョブを3ヶ月行うこと。条件を満たせば「セカンドビザ」を発給できます。
さらに2年目に6ヶ月行えば「サードビザ」を発給できます。※年齢制限があります。
ファームジョブはワーホリ向けの仕事、といっても過言ではないため、仕事を見つけるのは難しくはありません。
カーウォッシュ(洗車)
オーストラリアでは、カーウォッシュ(洗車)の求人も多数あります。
筆者がオーストラリアで最初にした仕事も洗車でした。ローカルジョブしかないですが、英語力は初級レベルで問題ありません。
特別なスキルは必要ないものの、しゃがみ込んでの作業や洗浄ガンの扱いには意外と力がいるため、体力がある人に向いています。
配達員
オーストラリアには、日本の食材やお酒の仕入れなどを行う日系企業があります。
日本食レストランや販売店に、車で商品を届けるのが配達員の仕事です。
オーストラリアは日本同様、左側通行の右ハンドルで、国際免許の取得も簡単なので、運転に抵抗がない人は配達員もいいでしょう。
倉庫スタッフ
倉庫内にて商品の在庫管理や出荷のための梱包などを行うのが、倉庫スタッフの仕事です。
日本にも多数存在している倉庫スタッフの仕事と同じと考えて差し支えありません。
倉庫は中心地から少し外れた場所にある場合が多いので、郊外に住む人にはちょうどよい求人があるかもしれません。
日本人観光客向けのツアーガイド
日本人観光客向けのツアーガイドの仕事もあります。
観光地のご案内をしたり、レストランでメニューの説明やオーダーをしたり、旅行をサポートする仕事です。
筆者の友人がツアーガイドをしていましたが、団体ではなく家族やカップルなど、1組に付いての案内で、楽しそうに働いていました。
需要は観光シーズンに集中しがちのため、仕事は毎日あるわけではありません。週末の副業としておすすめです。
受付
マッサージ店や日本語対応可能な病院などで、受付を募集しているケースがあります。
電話対応をしたり、病院であれば先生との通訳をしたりするため、それなりの英語力が求められるポジションです。
体力仕事が苦手な人は、受付の求人を探してみるといいでしょう。
オーストラリアでの仕事の探し方
オーストラリアでの仕事の探し方は、主に次の3つです。
- 求人サイトを見る
- 直接行く
- 紹介をもらう
ひとつずつみていきましょう。
求人サイトを見る
日本で仕事探しをする際は、まず求人サイトを確認すると思いますが、オーストラリアでも同様です。
日系の企業やお店で働きたいか、ローカルジョブをしたいかによって、確認するサイトは変わります。
オーストラリア全土の日系の求人を確認するなら、例えば「日豪プレス」が有名です。ローカルでは「Gumtree」あたりがメジャーどころ。
上記の他、シドニーやメルボルンなど、ある都市に特化した日本人向けのサイトもあります。例えばメルボルンでは「DENGON NET」というサイトが有名です。
求人サイトは複数ありますので、いろいろ調べてみてください。
お店に直接行く
オーストラリアでは、アポ無しで履歴書を持って直接お店に行き、「仕事探しをしています」と伝えるやり方も一般的です。
日系の企業やお店は、求人サイトから連絡して、面接の日程を決めてから行く流れを好むところも多い印象ですが、ローカルは直接行っても問題ありません。
むしろローカルジョブがしたいなら、直接行くことをおすすめします。求人サイトに掲載しているわりに、応募をあまり確認していないケースもあるからです。
直接行って興味を持ってもらえると、例えばバリスタ希望なら「今1杯ラテを淹れてみて」と言われ、腕試しが始まります。
合格点なら即決で、「明日から来て」と言われることもめずらしくありません。
紹介をもらう
友人・知人に紹介してもらい、仕事に就くケースもよくあります。
語学学校で知り合った人、あるいはシェアハウスで一緒に住む人などに、仕事を探していると伝えておくといいでしょう。
筆者もファームジョブをした際は友人に紹介してもらったおかげで、すぐに仕事が決まりました。
オーストラリアの雇用形態
オーストラリアの雇用形態は、主に次の3つです。
- カジュアル
- パートタイム
- フルタイム
ひとつずつご説明します。
カジュアル
カジュアルとは、「業務委託契約のアルバイト」というイメージです。
ワーホリメーカのような就労期間が限定的な人は、カジュアルでの採用になるケースが多いです。
日本の一般的なアルバイトとの違いには、雇用主がいつでもカジュアルワーカーを解雇できる点が挙げられます。
日本ではアルバイト契約でも、正当な理由がなければ解雇は認められていません。
一方オーストラリアのカジュアルという雇用形態は、理由なしの突然解雇も認められています。※真面目に働いていれば、基本クビにはなりません。
不安定要素はありますが、その分後述するパートタイム・フルタイムより、最低賃金が25%高いなど優遇されている側面もあります。
パートタイム
パートタイムは、1日の労働時間が最低3時間と決められている、時間の保証がある雇用形態です。
その他カジュアルとの違いは、次の2つです。
- 労働時間に応じて有休の権利を取得できる
- 突然の解雇ができない
カジュアルだと「明日から来なくていい」があり得ますが、パートタイム契約の場合、突然の解雇はできません。
フルタイム
フルタイムは、いわゆる「社員」です。
1週間で38時間の労働時間が保証されていて、有休も取得できます。カジュアルやパートタイムは基本的に時給ですが、フルタイムは固定給です。
筆者は一時期フルタイムで契約させてもらっていましたが、収入の安定感という意味では抜群でした。
しかし、フルタイムで契約すると仕事中心の生活になるため、身動きが取りづらくなる点には注意が必要です。
オーストラリアで働く前に知っておきたいこと
次に、オーストラリアで働く前に知っておきたいことをご紹介します。
能動的に動かないと「トライアル」で落とされる
オーストラリアでは「トライアル」と呼ばれるお試し期間を経て、本契約に進む流れが一般的です。
トライアルの期間は飲食店でいうと初日のみの場合も多く、この短期間で本契約をするか見定められます。
ダメだと思われたらほんの1〜2時間働いた時点で「帰っていい」「もう来なくていい」と言われてしまうため、勝負所と認識してください。
日本感覚だと、トライアル(試用期間)は教えてもらえるのを待つスタンスでOK、と考えがちですが、それだと高確率で落ちます。
自分から指示をもらいに行く、手伝えることがないか聞くなど、能動的に動く姿勢がみられないと、なかなか仕事は決まりません。
丁寧な研修はない
日本でアルバイトを始めると、最初は何かと1から教えてもらえますよね。
企業やお店によっては丁寧な研修プログラムが用意されていて、数週間〜1ヶ月程度、みっちり研修をしてもらえるところもあるくらいです。
オーストラリアでももちろん、最低限は教えてもらえます。ただ「研修期間」は基本ありません。特にローカルジョブは即現場入りです。
仕事が決まっても、手取り足取り教えてもらえるわけではないと心がけましょう。
実力主義
オーストラリアでは、年齢や見た目、経歴、英語力はさておき、仕事ができるかどうかだけで判断されるケースも少なくありません。
筆者が働かせてもらっていた店のオーストラリア人オーナーは、応募者の履歴書にはほぼ目を通していませんでした。
とりあえず1日働いてもらい、仕事ができそうと判断すれば、金髪にピアスでタトゥーまみれで、英語力がなくても採用です。
逆にいうと、英語力に不安があっても、スキルがあればローカルジョブに就くチャンスはあるということです。
お客様との関係は対等
日本のサービス業には「お客様は神様」精神が根付いていますが、オーストラリアにその感覚はありません。
対応は基本的に、とにかく笑顔で気さくな感じです。難癖をつけてくるお客様には「帰ってください」と追い返すことも。
あまりにお堅い感じだと、現地では馴染めない可能性があります。日本とはコミュニケーションの取り方が違う点は認識しておきましょう。
最低時給を下回ることがある
本記事の執筆時点(2023年8月)でのオーストラリアの最低時給は、約23ドルです。
現在のレートは1オーストラリアドル=約94円なので、日本円にして2,162円程度です。
ローカルジョブであれば、基本的に最低賃金が支払われます。しかし、日系のお店では、最低賃金を下回る時給で契約するところも少なくありません。
特に、渡豪して間もなく英語力がない、ビザ的に数ヶ月しか働けない状況だと、足元を見られるケースは結構あります。
状況にもよりますが、個人的には最低時給を下回る場所での就労はおすすめしません。
交通費は出ない
日本では交通費が出るのが一般的ですが、オーストラリアでは出ません。
職場まで電車やトラムで移動する場合、週5日くらいがっつり働くとなれば、交通費だけで月に1万円程度かかってしまいます。
そういう意味では、歩いて通える距離で仕事探しをするのがおすすめです。
海外生活をするなら「フリーランス」がおすすめ
海外生活をする人は、フリーランスとして働く選択もおすすめです。
ここでいうフリーランスとは、WebライターやWebデザイナーのような、パソコンとネット環境があればどこでも働ける「IT系フリーランス」です。
IT系フリーランスをおすすめする理由は、主に次の2つです。
- 行動の選択肢が増える
- 生活の安定感が増す
例えばワーホリビザで入国した場合、学生ビザとは違い学校に通う必要がないため、どこで暮らしてもOKです。
住む場所を転々として、オーストラリアを一周するような過ごし方もできます。しかしながら、ある程度お金に余裕がなければできません。
フリーランスなら拠点を変えても働けるため、手元の貯金がなくても自由な暮らしが選択可能です。また、コロナ禍のような不測の事態に見舞われた際のリスクヘッジにもできます。
海外で働くという経験は貴重ですし、職場は友達ができる場所でもあるので、個人的には現地での仕事は経験した方がよいと思っています。
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まとめ:オーストラリアでできる仕事はたくさんある
今回は、オーストラリアでできる仕事や現地での仕事の探し方について解説しました。
- 「英語に自信がないから裏方の仕事で...」
- 「パソコン仕事は難しそうだからちょっと...」
興味はあるものの、自信がなくて挑戦せずに終わってしまう人は大勢います。
海外に行く、という一歩を踏み出したのに、それではもったいないですよね。
やる前から無理だと決めつけず、興味のあることには積極的に挑戦してみてください。
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