働き方改革によって注目されているのが柔軟な働き方である「リモートワーク」です。
私は現在子育てをしながら自宅でリモートワークをしています。
現在はコロナウイルスの流行により働き方にも自粛が推奨されています。その一環としてよく耳にするようになった「リモートワーク」。実は、この働き方は以前から働き方改革によって注目されていました。
コロナウイルス流行前の日本におけるリモートワーカーは人口の8.8%程度、日本におけるリモートワーク導入率は11.5%程度でした。(参考:https://www.vision-net.co.jp/morebiz/remote_work/)
しかし、コロナ禍によってこの働き方が浸透されることとなりました。
リモートワークとは、会社に出社することなく場所を選ばず、自宅やコワーキングスペースなどで仕事ができる柔軟な働き方のことです。
そんなリモートワークを行っている人を「リモートワーカー」といいます。
私がリモートワーカーとして働くまでは簡単な道のりではありませんでした。主婦が働くということはこんなにも大変なのか、と現実を突き付けられたこともあります。
私が経験した大変さを経て、子育て中の主婦がリモートワークという働き方をおすすめする理由メリット、そして将来への期待をここでお話しできたらと思います。
目次
今どんな状況か
私は現在、企業と業務委託契約を結び、人事の仕事をリモートワークで行っています。
いつか人事として働いてみたいと漠然と思っていた夢を、未経験でリモートワーカーとして叶えることができました。
採用業務や採用に至るまでの求人掲載内容を作成したり、求人媒体の担当者と打ち合わせをしたり、人事担当者向けの教育カリキュラムを作成しています。
自宅のPCを使用してZoomなどのビデオチャットアプリで面接や入社後のオリエンテーションを実施しています。
今までどんな働き方をしてきたのか?
子どもが産まれる前まではIT企業で働いていました。
業務は主にマネジメント管理業務など。毎日決まったことではなく何が起こるかわからない中で対応することが多かったです。
人と密接に関わる業務をしていたので常にメンバーと対面しながらコミュニケーションが必要な現場です。
仕事を行う上で大変なこともたくさんありましたが、「人に任されている」ということでとてもやりがいがある仕事でした。
学生時代のアルバイトや今までの仕事に比べると仕事が楽しい!と心から思える瞬間がたくさんありました。
しかし、妊娠を機にその思いは消えてしまったのです。
当時は任されている仕事が多く、責任を感じていたこともあり、自分が納得するまで仕事を最後までやりきって次の方に引き継ぎたいと考えていました。
それでも、妊娠という身体の変化は計画通りにいかないものです。
前職場は自宅から職場までの通勤時間がバスや電車で1時間以上の場所にあります。
あと数ヶ月で出勤できなくなるのだから、思い切り最後まで納得した状態まで働きたいという理想が崩れてしまったのです。
今まで通り働くことも難しくなってきて、悔しいのに、どこに悔しさをぶつけていいのかわからない。つわりとストレスで苦しみました。
当初の予定だった「出産ギリギリまでの勤務」という期間を変更する決断をしたのです。
この時に、リモートとして働くことが出来たらと何度も思いました。それほど思い入れの強い職場と現場メンバーたちがいたからです。
なぜリモートワークを選んだのか?持っていた課題
出産後子育てにも慣れてきた頃に、自分の時間を持てるようになりました。
それと同時に社会とのつながりが途絶えてしまったことが急に焦りに変わりました。
子どもを保育園へ預けて働きに出ることを考えましたが、住んでいる街は「待機児童日本一」と言われている地域です。
簡単に保育園へ入ることはまず難しい環境。
働きに出るという選択肢を諦めて、家で何か働くことは出来ないのだろうかと考え始めました。
様々な求人を見ていると「主婦大歓迎!」「子育て中の方歓迎!応援します!」など自分に当てはまる文字が目に入ります。
前職での経験を活かせるような求人を探し、気になったものから何社も応募することに。
しかし、最初の書類が通ることがまず難しく苦戦しました。
書類が通ってやっと面接にこぎつけた時には「業務に慣れるまで3ヶ月は会社に通ってほしい」、という条件があったり、求人内容と異なった条件をその場で言われることも。
なかには、「子どもを保育園へ入れていないのに働けると思っていたの?主婦って大変だね~」
とわざわざ傷つくことを言われ、悲しくなることもありました。
現実を思い知らされます。
この経験から「完全リモートワーク」これを絶対条件として再度働ける場所を探し始めることになります。
区が運営する子育て中の主婦向けのハローワークで相談してみました。しかし、紹介している中ではリモートワークを行っている会社は見たことがないとのこと…。
働きたいと思っているとはいえ、すぐ働かないといけない状態ではなかったため、焦らずに求人媒体を使用しながら自分がしたいことを探してみることに。
働くなら、自分が楽しいと感じ、仕事もやりがいのあったあの前職のような仕事ができたらいいなと思いました。
ただ働くだけではなく自分がどう思うのか、本当にやってみたいと思ったことを仕事にしようと考えます。
探しているうちに現在働いている企業の求人が目に入ります。「未経験でも採用人事になれる」というキャッチフレーズに目を奪われたのです。
求人掲載内容を読み進めていくと「子育て中の主婦を応援」「家事育児の合間に働けます」「面接からフルリモート」というまさに自分の理想が記載されていました。
実際にブランクもあるし、未経験歓迎とはいえ人事の仕事のことは全く知らない状態なのでまた落ちてしまうのではと不安もあります。
しかし、不安よりここで働きたい!という気持ちが大きく、迷う暇もなくすぐに応募。
将来、子育てが落ち着いたら人事の仕事に挑戦したいと思っていた私ですが、もしかしたらその夢がすぐに叶うかもしれないと思ったからです。
度重なる不採用や、面接で傷ついたことで自分への自信を失っていましたがやっと心から働きたいという会社に出会えたことで前職での経験も活かせると思い自信を取り戻すことができました。
無事に採用されて今に至ります。
リモートワークをやってみての感想・良かった点
リモートワークをやってみてまず思ったのは、この働き方が当たり前の世の中になればいいのに。ということです。。
主婦はどうしても家のことや、子どもの世話を行う時間が多くを占めてしまいます。
出社しながら働く主婦は家から出社までの時間や退勤してから子どもの預け先へ向かう時間のロス、帰ってから日中出来なかった家事の続きや子どもの世話など…これを毎日続けているのです。
リモートワークはそういった時間を効率的に仕事やプライベートに充てることができるのです。
また、通常は面接に行くにも会場へ向かう交通費や着ていくスーツ代、履歴書代など細々としたお金がかかります。
弊社のように面接からフルリモートだとそのようなものは一切掛からないというのも魅力なのではないでしょうか。
これは個人の感想になってしまうのですが、私はリモートワークを選んでよかったなと心から思います。
自分の性格上、保育園へ子どもを預けながら働きに出ていたら今のように子育てや家事が自分の思い通りに出来ていたのか分かりません。
作業が一区切りしたら気分転換に外へ散歩する時間などもできるので、
毎日ノーストレスです。
前職では人と直接コミュニケーションを取りながら作業を進めることが何よりも大切な職場でした。
その経験から最初はリモートワークだと人と直接話すということがないため、ちゃんと業務を行うことが出来るのか不安でした。
しかし、リモートワークを行っている会社では当たり前のようにコミュニケーションツールが用意されていました。
chatwork(チャットツール)やZOOM(ビデオミーティングツール)などで、業務の説明を受けたり、わからないことは気軽に誰にでも聞ける環境が整えられています。
初めてリモートワークを行う方でも抵抗なく仕事を始められるため、リモートワークに不安を持っている方も、始めてみたらイメージが変わるかもしれません。
リモートワークはどんな人にお勧めできる働き方?
子育て中の主婦の方向けにリモートワークの説明を行ってきましたが、リモートワークは色んな方におすすめできる働き方です。
私がメディアで見た中で印象的だった方々を紹介します。
まず一人目はライターでありコラムニストとしても活躍されている「村橋ゴローさん」(Twitter:@muragoro)、村橋さんは男性が自宅で家事育児を行う『主夫』であり、ライターやコラムの業務をリモートワークで行っています。
仕事と育児のストレスで「育児うつ」にかかってしまった経験もある村橋さん。
育児に疲れて引きこもり、子どもと距離を置いて、仕事だけを行っていた経験もありましたが、育児うつを乗り越えて現在もリモートワークと育児の兼業主夫として働いています。(村橋ゴロー連載コラム https://www.huffingtonpost.jp/author/goro-murahashi/)
二人目は現在多拠点&複業メディアを運用している「久野太一さん」(Twitter:@multi_ness)、久野さんは以前数々の大手IT企業でバリバリ働いていた経験をお持ちの方です。
仕事柄、毎日飲み会がある生活・給料日前日には預金残高が3桁になっている生活。
東京に住むこと自体が嫌になってしまったといいます。
そんな中、久野さんの選んだ選択は会社を辞め、東京を離れて福岡県糸島市でリモートワークをしながらプライベートの時間を優先にしながら働いています。
現在は海沿いにあるシェアオフィスを拠点に、知人から受けたWEB運営の仕事をしながら生活をしているという。
二人ともそれぞれ育児やプライベートの時間を大切にしながらリモートワーカーとして仕事をしています。
仕事や社内業務など会社にたくさんの時間を費やしてプライベートの時間が取れないと、知らぬ間にストレスとなってしまいます。
仕事はもちろん好きだけど、プライベートの時間ももう少し有効活用したい!
仕事以外の会社に使っている時間を失くすことができたら…と少しでも考えたことのある人には、『リモートワーク』という働き方をお勧めします。
自分が考える理想の働き方
現在、自分は思い描いていた理想の働き方に近い働き方が出来ているのではないかと思っています。
元々、積極的に0歳児から子どもを保育園へ預けてまで働こうとは思っていませんでした。
家で子どもと一緒に過ごしながら自分の好きな時間で働くことが出来たら一番理想的だと考えていました。
現在子どもが未就学児の3歳と、1歳ということもありまだどうしても1日3回のご飯の時間、寝かしつけやお散歩など1日のうちに子どもに対する時間が大半を占めます。
また、病気にもかかりやすく突発的な通院なんてこともしばしば。
リモートワークの中でも勤務時間が定められているとどうしても対応が難しかったり、お休みを頂くようになり、いろんな方に迷惑を掛けてしまうので、後ろめたさを感じながら仕事していたかもしれません。
きっと、仕事に対する楽しさを見つけられず何とかノルマをこなさないといけないと考え、伸び伸びと子育ても出来なかったのではないかと思います。
理想の働き方は、「家事や育児を優先、空いた時間でガッツリ仕事に没頭して楽しいと思える業務をこなして、結果会社や社会へ貢献できるような働き方。」です。
これだけ見るとわがままに思えるかもしれません…
子どもを育てながら家でできる仕事で、前職のように楽しいと感じながら業務をすることなんてありえないのだろうなと思っていましたが、今はそれが実現出来ています。
実現したいこと。夢など
私が実際に結婚し、妊娠後の退職、子どもを産んだ後の仕事探しにおいて、子育て中の主婦が仕事を探そうとすることは決して容易ではないことを知りました。
まだまだリモートワークの認知度は低く、全国の待機児童問題などから働きたい主婦の方が働くことを諦めてしまっているのではないかと思っています。
現在はコロナウイルスの流行もあり職を失ったシングルマザーの方などの貧困問題が目立ちます。
私は、そんな主婦の方を一人でもなくし、働きたい主婦の方が働ける場所・環境をつくることが私の夢です。
そのためにはリモートワークの普及やリモートワークができる会社がもっと増えることが必要です。
子どもが熱を出してしまった、その日は学校の行事がある、など子育てのために仕事を休むことを後ろめたい気持ちにさせず、仕事でも子育てのことでも主婦同士で助け合える環境があれば良いなと思っています。
子育てでキャリアを諦めてしまった人でも、そのキャリアを活かして社会とのつながりを持ち続けてほしいです。
まず夢に向かって自分が出来ることは自身が今持っている仕事に全力で取り組み、子育て中主婦である自分でも毎日充実しながら家で仕事が出来ていると人に言えるような人間になることです。
フリーランスという働き方をお勧めする理由
フリーランスは会社に属さず、自身が個人事業主となって仕事に応じて自由に契約をして仕事をしていく人をいいます。
特定の会社に属していないため通常禁止されている副業も可能です。
様々な仕事を行いたい人や、一つの企業のみで縛られたくない人にはお勧めです。
クリエイティブ系の仕事をするフリーランスの方は直接企業と契約できることから、支払われる作品料が多く手元に届くこともあるといいます。
フリーで様々な企業と契約をしている方が多いです。
働き始めた時の周りの声は?
子育てをしながらリモートワーカーとして働き始めて家族は安心していました。
もちろん、考え方は人それぞれですが、私の家族は子どもが3~4歳までは家で一緒に居てあげてほしいという考えでした。
実際に、私が働きたいと言い出した時はあまりいい印象はなかったそうです。
しかし、リモートワーカーとして働いていることは子どもと同じ空間に居ながら仕事が出来るので、私自身も子どもも安心です。
子育てと家事だけの毎日だとどうしても知らぬ間にストレスが溜まってしまっていました。
仕事を始めてからは「自分の時間=仕事」という区切りができたため心が穏やかに。
同じ子育て中お母さんたちのなかでもリモートワークの認知度がまだ低かったため、「家で仕事が出来るなら働きたい!」と、リモートワークについて聞かれることが増えました。
最後に
子育て中の主婦の人は様々な理由で仕事を探している人が多く居ます。
現代の待機児童問題は思った以上に深刻で、子どもを保育園に預けるためにはフルタイム勤務の方が優先されることも。
フルタイムで外に働きに出て、仕事を終えて家事育児…毎日続けるには体力も精神力も必要です。
働きたいと思っている子育て中の方はもちろん、毎日時間に追われている子育て中の方にもリモートワークを知ってもらいたいと思います。
また、近い将来にはリモートワークが当たり前の世の中になっていることを願いながら、自身も力になれるように頑張りたいです。
少しでも悩んでいる方はぜひ、リモートワークを調べてみてください。家事と子育て以外の世界が広がりますように。
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