こんな経験はありませんか?
まず結論ですが、質問力で人生の充実度には大きな差が生じます。
質問ひとつで相手が自分に抱く印象は変わりますし、その後の人間関係、ひいては仕事の成果も変わるからです。
初対面の人と仲良くなれるか、友人から恋人に発展させられるか、上司や取引先から信頼されるか、これらに質問力は大きく関わります。
そんな質問力はどうすれば高められるのでしょうか?
この記事では、質問力を鍛える方法やオススメの書籍を紹介します。
目次
質問力はあらゆる場面で役立つスキル
質問力は会話や雑談、商談、会議、面接、講習会、営業・提案を受けるときなど、あらゆる場面で役立つスキルです。
また質問力は対面だけでなく、メールやチャットによるテキストコミュニケーションの中でも役立ちます。
ビジネスパーソンに重要なスキルと思われるかもしれませんが、プライベートで活きる機会も多々あります。
例えば今は、SNSやマッチングアプリで見知らぬ人と繋がる時代。ジャッジは一瞬ですからね。発展させられるかどうかは質問力次第と言っても過言ではないでしょう。
質問力を鍛えるメリット5つ
質問力を鍛えるメリットを5つ紹介します。
より多くの情報を得られる
質問力があると、より多くの情報を得られます。ネットであらゆる情報が得られる現代ですが、それでも世の中には考えてもわからないことで溢れています。
身近なところで言えば、相手の悩みや課題、価値観、趣味嗜好、経験から得た知見などは、聞かなければわかりませんよね。
悩みや課題がわかれば解決策を提示できたり、価値観がわかれば嫌なことをせずに済んだり、いい関係を築くヒントになります。
関係が深まればネットでは手に入らない、知る人ぞ知る情報が手に入ることもあるでしょう。
目標を達成しやすくなる
質問力が高い人は、相手が言語化できない、潜在的なニーズを発掘することができます。
例えばジムに通う人の目的は、ストレス発散がしたい、運動不足の解消がしたい、ダイエットしたいなどさまざまです。
でも実際は、もっと若く見られたい、周りを見返したい、モテたいといった願望を実現することがゴールの人も少なくありません。
もしあなたがインストラクターだったとしたら、潜在的なニーズまで理解していた方が、その人に合ったアドバイスや、モチベーションを上げる声かけができますよね。
相手が目標達成できると離脱抑止につながり、結果自分の目標達成にもつながります。
認識のズレをなくせる
スッキリしないまま話を終わらせず、きちんと質問することで、認識のズレをなくせます。
10まで聞かず、察して動ける方が優秀な感じがするかもしれませんが、それで結局上司やクライアントとの認識がズレていたら、時間のロスになるだけです。
連携ミスをなくすためにも質問力は欠かせません。
会話が弾む
質問力が高いと相手はどんどん話すので、自分は大して話をしなくても会話が弾みます。
「初対面の人と何を話せばいいのかわからない」「飲み会での雑談が苦痛」という人はとても多いですが、質問力を鍛えればそんな場面も楽しく過ごせるもの。
上手に話をするのは難しくても、上手に質問することならできそうな気がしませんか?
人付き合いが苦手な人は質問力を磨き、コミュ力を上げるといいでしょう。
信頼される
質問力が高い人は信頼されます。人一倍自分のことを理解しようとしてくれて、認識のズレがないようキッチリ確認する人は、信頼できますよね。
質問力を高められれば、仕事でもプライベートでも信頼される人間になることは間違いありません。
質問の種類
次に、質問の種類を紹介します。
クローズド・クエスチョン
クローズド・クエスチョンとは、Yes、Noの二択で回答できる質問や、簡単に回答できる質問です。
「明日の会議に参加できますか?」「今日は何時に外出ですか?」といったイメージです。
オープン・クエスチョン
オープン・クエスチョンは、回答者独自の見解を聞くための質問です。
例えば「明日の会議資料はどうまとめればいいと思う?」「今の課題解決には何が必要だと思う?」といったイメージです。
過去質問・未来質問
過去質問は、「なぜこうなってしまったのか?」「どうやってこんなに成功したのか?」といった、過去の事象に関する質問です。
未来質問は、「これからどうするべきか?」「今後も続けていくべきだろうか?」といった、未来に関する質問です。
肯定質問・否定質問
肯定質問は、「どうすればできるようになると思う?」「自分の強みはなんだと思う?」といった、前向きな質問です。
否定質問は、「なぜできないんだと思う?」「自分の弱みはなんだと思う?」といった、ネガティブ面に注目した質問です。
良い質問と悪い質問の違いとは?
ここでは、良い質問と悪い質問の違いを解説します。
良い質問とは
良い質問とは、聞かなければわからない質問、または聞くべき質問です。
聞かなければわからない質問は例えば、相手の趣味嗜好や価値観、経験から得た知見、生い立ちなど、調べられないことです。
聞くべき質問は例えば、優先順位や段取りの最終確認といった、間違いを起こさないための質問や、契約時に認識のズレがないかを確認するための質問などです。
自分は理解できているけど周りは理解できていない雰囲気で、その人たちが質問しずらそうにしていたら、代弁するのも良い質問と言えるでしょう。
悪い質問とは
逆に悪い質問は、調べればわかることや答えづらい質問です。
調べればわかることは例えば、商談先の企業情報、業界の基本的な専門用語といった、誰でも調べられるような内容です。
答えづらい質問は例えば、「自分を動物に例えるとなんですか?」「家族と仕事はどちらが大切?」のようなもの。
「もし小学生に戻れたら何をしますか?」のような、今の時代で?頭脳は今のままで?と、前提条件が曖昧で変数が多い質問も答えづらい質問です。
それを聞いて何?と思われる質問は、良い質問とは言えません。
質問力が高い人の特徴
質問力が高い人は、相手のタイプやレベルに合わせて質問の仕方を変えられます。
- 話すのが好きな人/話すのが苦手な人
- 即断できる人/優柔不断な人
- 初級者/中級者/上級者
このように、人にはさまざまなタイプやレベルが存在しています。
相手をよく観察し、どういう質問の仕方が適切かを見極めて行動できる人は、質問力が高いと言えます。
質問力がない人の特徴
質問力が低い人は、相手のことを考慮せずに質問しがちです。
突然「年収はいくらですか?」と聞いたり「どこ住んでるんですか?」と聞いたり、自分の知りたいことを自分のペースでズケズケと質問する傾向があります。
失礼な質問や会話の流れに合わない質問が多く、やりとりを重ねてもコミュニケーションが深まらないのが特徴です。
質問力を鍛える方法6選
ここからは、質問力を鍛える方法を紹介します。トレーニングすれば質問力は上げられますので、ぜひ試してみてください。
知ったかぶりをしない
質問力を高める上で最も大切なのは、知ったかぶりをしないことです。
知識がある優秀な人と思われたくて、恥をかきたくなくて、つい知ったかぶりをしてしまった経験が誰しも1度はあると思います。
そして、知ったかぶりをせず、素直に聞けばよかったと思った経験も同様にあるでしょう。日本人は恥を恐れる傾向が強いため、知ったかぶりをしてしまいがちです。
調べればわかることを聞くのは悪い質問と説明しましたが、知っているフリをするのはより悪いです。
「勉強不足ですみません、それはどういう意味ですか?」のような聞き方をすれば、印象は悪くなりません。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざの通り、余計なプライドを捨てて、素直に聞く勇気を持つことがまずは超重要です。
人によって質問の仕方を変える
質問力が高い人は、相手によって質問の仕方を変えています。
- 優柔不断な人
- 寡黙な人
- おしゃべりな人
- 初対面は緊張してしまう人
- せっかちな人
など、さまざまなタイプの人がいます。相手になったつもりで、どう質問されたら答えやすいかを考えましょう。
例えば優柔不断な人には「何が食べたい?」と聞くのではなく、「AとBならどっちがいい?」とか「食べたくないのは何?」と聞いてみるイメージです。
相手からほしい回答が得られなかった時に、相手に問題があるととらえるか、自分の質問が悪かったと考えるかで、その後の質問力は変わります。
まずは自分から答える
人に名前を聞くときはまず自分から名乗るのがマナーであるように、先に自己開示するのも有効です。先に自己開示することには2つのメリットがあります。
1つは、答えやすいことです。「私は東京出身です」と言えば、これに合わせて「私は埼玉です」と粒度を合わせて回答できるので、答える側は楽ですよね。
もう1つは先に自己開示をすると、類似性の法則が働く場合があります。
類似性の法則とは、自分と共通点がある人には親近感を抱くというものです。出身地や出身校が同じだと、それだけで距離が縮むことってありますよね。
なので例えば自己紹介の時は、名前、出身、星座、趣味など、端的に答えられて、共通点がありそうなものを選ぶといいでしょう。
相手が共通点に親近感を抱き、話しやすくなればラッキーですし、共通点がなくても話の糸口さえ見つかれば、その後の質問は自然と出てきます。
相手のいいところを探す
「何を質問すればいいのかわからない...」という人は、相手のいいところを探してみましょう。
- 笑顔が素敵
- 姿勢がいい
- 服や小物がおしゃれ
- 字がキレイ
- 気が利く
観察していれば何かしらいいところに気が付くと思います。
人間粗探しをしてしまいがちですが、意識的にいいところを見るようにすると相手に好感が出て、興味が湧いてくるものです。
「字がキレイですね、習字されていたんですか?」のような、いいところをフックにすれば話しかけやすいですよね。
褒められれば誰しも嬉しいですし、相手からも好感を持ってもらえるので話しやすくなります。
自分がされた質問を振り返る
これまでに自分がされた質問を振り返り、答えやすかった質問・答えにくかった質問の違いを探るのもオススメです。
質問内容によるのか、それとも聞き方に違いがあるのか、会話しやすい人を思い浮かべて考えてみましょう。
質問力が高い人を真似する
初対面の人とすぐに仲良くなれる人のような、質問力が高い人を真似するのは鉄板です。
どんな質問をどんな順番でどんな聞き方で、どんな相槌をしているのかを観察すると、ヒントが見えるでしょう。
身近に参考にできる人がいなければ、YouTubeにある対談・インタビュー動画を観る、バーに行ってマスターと会話してみる、といったやり方も有効です。
質問にはそんなにバリエーションがあるわけではないので、真似は質問力アップに効果的です。
質問する時のコツ
次に、質問する時のコツを紹介します。
軽い質問から始める
初対面の人やまだ関係が浅い人には特に、軽く答えやすい質問から始めましょう。
相手がすごくオープンな人なら気にする必要はありませんが、多くの人は会って早々に「年収いくらですか?」「持ち家ですか?」など、突っ込んだ質問をされたら引きますよね。
まずは名前や出身地、趣味のような当たり障りのない質問をして、相手がどんな人物か、共通点はないかを探りましょう。
答えやすい聞き方をする
質問は内容だけでなく、聞き方も大切です。
例えば「何駅に住んでいますか?」より「どのあたりにお住まいですか?」のような、特定しない質問の方が答えやすいと感じる人は多いです。特に異性との会話では。
あとは「この中で何が1番好きですか?」より「AとBならどちらが好みですか?」と選択肢を絞ってあげるのもいいでしょう。
「答えられる範囲で良いので」「差し支えなければ教えていただきたいのですが」と前置きするのも、答えやすさにつながります。
警戒心を持たれたり、答えを考えるのが面倒と思われたりすると、その後が続かなくなってしまいますからね。聞き方にも配慮しましょう。
話したくなる相槌をする
話しやすい相手でついつい話し過ぎてしまった、という経験があなたにもありませんか?
質問力の高い人は、質問してばかりではありません。聞き方や相槌がうまく、聞かずとも相手がどんどん話したくなるような、モチベーション管理にも長けています。
「へぇ〜そうなんですね」「なるほど〜」「すごい」と通り一遍の相槌ではなく、「説明が上手でわかりやすい」「その話面白いですね」などリアクションを少し工夫することで、相手はより話しやすくなります。
相手が話していて気分が良くなれば、自然と会話は進んでいきます。
アドバイスを求める聞き方をする
アドバイスを求める聞き方をするのもオススメです。
といった、教えてくださいスタンスで聞くということです。
自分の中ですでに答えがあるとしても、人によってやり方や考え方が違うことは、あえて聞いてみるのも全然OKです。
頼られて嫌な気持ちになる人はそういませんからね。この聞き方で心を開いてくれる人はたくさんいます。
普段あまり会話する機会がない人と、会話したいときにも使える質問の仕方です。
質問中にメモを取る
質問をするときに、メモを取るのも有効です。
心理学では「インタビュー効果」と言われますが、人は話しているときにメモを取られていると、真剣に回答しなければという意識が働いたり、相手に好感を持ったりするからです。
手元にメモがなければ、「今の話スマホにメモさせてください」と言って、スマホを使うでもいいでしょう。
メモの方が印象はいいかもしれませんが、話の内容を記録するという行動自体がプラスに働きます。
質問する時の注意点
次に、質問する時の注意点を解説します。
相手の話を遮らない
相手の話を遮らない、コミュニケーションの基本です。
せっかちな人は特に、相手がまだ話しているところに被せて話をしてしまう傾向がありますが、質問しておいて話をきちんと聞かないのは、言うまでもなくNG。
話を遮られると、徐々に答える気がなくなってしまいますよね。相手にペースを合わせましょう。
話をまとめるのが苦手な人に対しては、所々要約で入ってあげた方がいいですが、一生懸命話している人を遮ってはいけません。
何人かでいるとき、自分が誰かにした質問を遮る人がいたら、今あなたには聞いていないとハッキリ言いましょう。
否定的なリアクションをしない
否定的なリアクションをしないのも大切です。
例えば「何が食べたい?」という質問に対して「カレーかな!」と回答があり、「そんなのいつでも食べれるじゃん」とか「いやそれはないでしょ」と言ってしまうイメージです。
聞かれた方としては、じゃあ聞くなと思いますよね。些細なことですが、否定される印象が染み付くと、あらゆる質問に回答する気がなくなってしまいます。
あと、疑っているわけではなく口癖で「本当に?」と聞き返す人がいますが、この返しを嫌う人は結構いるので注意しましょう。
専門用語や横文字を多用しない
同業者や同じ趣味を持つ人との会話ではない限り、専門用語や横文字を多用するのは避けましょう。
例えばワインを飲んでいて「セパージュはなんだと思う?」と聞かれたら、大体の人は「セパージュってなに?」となりますよね。
ちなみにセパージュは「品種」のことです。最初から「品種はなんだと思う?」と聞けばいいですよね。
聞き直さないとわからないのは面倒です。誰でもわかる言葉選びをしましょう。
取調べのように質問しない
質問が大切、という意識になると、つい質問し過ぎになってしまいます。
出身は?趣味は?仕事は?恋人は?と質問攻めにされたら、疲れますよね。
時に自分の話をして、バランスをとりましょう。「耳ふたつに口ひとつ」と言うように、自分が話す倍聞くことを目安にするといいかもしれません。
また質問しておいて、逆に質問されたら自分は回答を濁す人もいますが、それはNG。自分が答えたくないことを聞くのはやめましょう。
理解できてないことを質問しない
例えば、上司からヒアリングしてくるよう言われた内容という理由で、なんの意図があって質問してるかわからず質問している人もいます。
ヒアリングシートはあくまでテンプレートで、人によって飛ばしていい項目、もう少し突っ込んで聞くべき項目があります。
次から次に質問はできても「なんのための質問?」と思われる内容で、情報を引き出すことができなければ、質問の意味がありません。
思考停止で理解していないことを聞くのはやめて、まずは質問の意図を理解しましょう。
デリケートな質問は避ける
デリケートな質問は避けるのが無難です。
政治・宗教のことや子どもの有無、年齢あたりは、積極的に質問しないようにしましょう。
また、背が高いのような一見長所に見えることも、実はコンプレックスの場合があります。外見でとても目立つところは、良く見えたとしても触れない方がいいかもしれません。
誘導尋問をしない
「◯◯さんって理不尽。あなたもそう思いませんか?」のような、誘導尋問的な聞き方もやめましょう。無理に同調させられるのは嫌ですよね。
また「小学生の時、何が流行っていた?」のような質問から、年齢を導こうとするのをよく思わない人もいます。同調圧力や詮索と思われる質問も避けましょう。
聞くことをためらわない
最後は、聞くことをためらわないです。なんだかんだ言って、わからないことは素直に聞くのが1番大切です。
年上で権威のある人には聞けて、年下の後輩には聞けないような、余計なプライドは捨てましょう。
質問力を鍛えるのに役立つ書籍
ここからは、質問力を鍛えるのに役立つ書籍を紹介します。
質問力
いい質問とは何かと、質問力を鍛えるためのトレーニングメニューが学べる本です。
面接、交渉、会議、雑談など、あらゆる場面で役立つ質問力が鍛えられるでしょう。
「良い質問」をする技術
「良い質問の8つの特徴」や「良い質問をする12のコツ」といった、良い質問をするための本質的なテクニックが学べる一冊。
優秀な人がもつ良い質問をする技術を学び、仕事に役立てたい人にオススメです。
聞く力
企業経営者に大物芸能人、若手アイドルまで、1000人近くにインタビューをしてきた阿川佐和子さんの著書です。
ビジネスにも通じる”聞く極意”が学べる、累計170万部のベストセラー。
質問力がないと悩む人は
人付き合いや会話が苦手で、直接だとうまく質問ができないけど、文章なら落ち着いて考えられるという人は、働き方を変えた方がいいかもしれません。
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まとめ:質問力を鍛えるメリットは大きい
今回は質問力を鍛える方法を紹介しました。
「優秀な人とそうでない人の差は、質問力」と言われるほど、質問力は重要なスキルです。
難しそうに感じるかもしれませんが、本質的にはわからないことを聞くだけなので、難しいことではありません。
質問力は今からでも鍛えやすいスキルなので、ぜひ本記事を参考に、少しずつ取り入れてみてください。
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