書評【あなたの夢を叶えもん】量子力学と引き寄せの法則が人生を変える

世の中には目に見えて存在が分かることと、そうでないことがあります。

 

そのなかで、「量子力学」という分野、用語をご存知でしょうか。

 

今回、紹介する「あなたの夢を叶えもん」によると、量子力学は「目にみえない世界の自然の振る舞いを探求する学問」と記載されています。ですから、量子力学は目にみえない世界についての学問です。

 

「目にみえない」と聞けば、誰もが怪しさを持つでしょう。しかし、高橋宏和さんの書籍を読めば量子力学についての理解が深まり、人生を変えることも可能になります。

 

本記事を参考に、量子力学の理解を深め、日常生活に活かしてみませんか。

 

 

主人公のヒロは、仕事もプライベートもダメダメな30歳。

 

20代の頃にSNSを使って、結婚相手探しに成功し夢の結婚生活を送るが…。毎日のようにDVを受けるようになり、1年で結婚生活も破綻。毎日の仕事は終電帰りで疲れ果てて帰る。

 

そんなある日の夜。仕事のストレスで眠りが浅かったのか、ヒロは自問自答を繰り返します。

「本当にこのままでいいのだろうか」

「残りの人生をどう生きるのだろうか」

「本当はどうなりたいのだろうか」

 

いろんな想いを巡らせるうちに…

と叫んでしまいます。

 

そして、ある日、ヒロの自宅には荷物が届きます。

 

そこから出てきたのが「叶えもん」という猫型エイリアン。ヒロの夢を叶えるために現れます。

 

「11次元ポケット」に入っている道具を使えば、夢を叶えられるとのこと。

 

ヒロは怪しさをぬぐえないものの、自分には無限の可能性があることを説明されます。

 

そんなこんなで、ヒロと叶えもんの共同生活が始まっていくのです。

 

各章で、叶えもんが11次元ポケットから取り出すアイテムとそれにまつわる知識から、日常生活における物事の考え方などが解説されています。

第１章：この世はすべて量子力学がつかさどっている

第１章では、「量子スコープ」「夢かなダーツ」「ダークマターチョコレート」「波動ふろしき」「仮想現実ヘルメット」の５つのアイテムが紹介されました。

量子スコープ

量子スコープは、物質の最も小さな粒である素粒子がみえるアイテムです。

 

私たちの身の回りには、机やイス、カバン、靴など数多くのモノがあふれていますが、全ては素粒子の集まりです。

 

そして、多くの人は学校で原子の構造を学習したと思います。原子核の周りを電子がぐるぐるとまわっている。しかし、電子の位置を特定しようとしてもどこにあるかわかりません。

 

叶えもんはその様子を「不確定性の原理」と呼びます。

 

電子や素粒子といった、モノを構成する物質が不確定なため、現実の世界にあいまいさが出ているのです。

 

さらに、素粒子はダブルスリット実験において観察者から見られるかで、その様子を変えることも分かっています。

 

観察者が見ているときは粒状になり、目を閉じているときは波になるとのこと。そのように状況に応じて変化することを二重性と呼んでいます。

あなたも経験はないでしょうか。

 

例えば、親がいない間はゲームをしていて、帰ってきたら急いで勉強する…。私たちの生活や行動を素粒子にあてはめると、納得できる部分がありますね。

 

素粒子の存在のように、あいまいさゆえがある私たちの生活は、何が起こるかわからないことが理解できるでしょう。

 

良いことも悪いことも含めて、どんなことが起こるのかわからない。

「良いことが起こるように、こういう行動をしていこう」

「悪いことが起きないために、対策を万全にしておこう」

 

と考えることも大事ではないでしょうか。

夢かなダーツ

夢かなダーツのストーリーは、ぜひ、日常生活のエネルギーにしてほしいです。

 

ヒロは叶えもんから、実現したい夢を聞かれ「100万円欲しい」と告げます。

 

そして、叶えもんは「アタリ」と「ハズレ」が書かれたダーツの的を取り出し、ヒロにダーツを投げさせます。

 

しかし、ヒロが投げたダーツはハズレに刺さります。残念がるヒロに対して、叶えもんは言葉をかけました。

 

 

ダーツボードの回転が止まって、アタリかハズレかがわかるまでは無限の可能性が広がっていることを説いたわけです。

 

また、過去の開発者は幾多の失敗を繰り返して成功したことも話しました。

 

全ての人に無限の可能性があること、叶うまで諦めなければ夢は叶うことを叶えもんは教えています。

 

あなたも、結果が出る前に勝手に諦めていることはないでしょうか。諦めずに行動することを叶えもんは教えてくれます。

ダークマターチョコレート

ダークマターという言葉を聞いたことはあるでしょうか。

 

この世の中は、みえるものが5%しかなく、ほとんどのものはみえていない。そのように叶えもんは解説しています。

 

さらに、みえていないものは
「見えない物質＝ダークマター」が27%で
「見えないエネルギー＝ダークエネルギー」が68%で構成されているのです。

 

また、ダークマターは万有引力が関係し、月や地球がお互いに引っ張り合っていることも解説されています。

 

その宇宙の法則は、我々の脳内にまで影響しているとのこと。無意識、つまり潜在意識が私たちの言動を成り立たせているわけです。

 

「お金持ちになりたい」というのは「貧乏な自分を信じている」ことになったり、「仕事を上手くこなしたい」というのは「仕事ができない自分を信じている」ことになったりするのです。

 

自分が不幸だと思い続ければ、不幸な自分が現実として維持され続けてしまう…。潜在意識とは恐ろしいものですね。

 

私たちの行動は目に見えていないことに支配されていると意味しています。

波動ふろしき

「引き寄せの法則」という言葉を聞いたことあるでしょうか。

 

波動ふろしきのストーリーでは、振動数が同じものは引き寄せ合うことが解説されています。

 

振動数と波動は密接なつながりがあって、同じ波動のものが引き寄せあっているということです。

 

人間の意識のチャンネルを変えることで、現実が変わってくる。

 

• 自分が欲しいものや理想をイメージすれば、体が軽くなる
• 上司に怒られていることを考えれば、体は萎縮してしまう

 

このように、意識のチャンネルは簡単に変えられるとのこと。もし、欲しいものや達成したい目標があれば、それに意識を向けることは非常に大事なことではないでしょうか。

 

「育児をしながら家で仕事したい」

「個人でも稼げるビジネスをしてみたい」

「インターネットビジネスをしてみたい」

「会社で成果を出したい」

「筋肉をつけて女性にモテたい」

「モデルのように綺麗になりたい」

 

など、私たちはさまざまな目標や願望を持つものです。それらの目標や願望、夢があるのであれば、そのカテゴリで成果を出している人を参考にしてみましょう。

 

身近に成功者がいれば、いろんな話を聞いてみてください。もし、身近にいなければ本で勉強することもできます。本であれば、偉大な人物の思考に出会うことができますね。

仮想現実ヘルメット

仮想現実ヘルメットのストーリーは、少し難解な内容かもしれません。

 

冒頭でアインシュタインの相対性理論「E = mc²」が登場し、「E＝hv」という式も並べられました。

 

相対性理論はエネルギー E = 質量 m × 光速度 c の2乗、質量（m）が大きいとエネルギー（E）も大きくなるという理論です。

 

さらに、叶えもんが書き加えた「E＝hv」（エネルギー E = プランク定数ｈ × 周波数v）において、「h」はプランク定数*、「v」は周波数を表します。

＊プランク定数＝光のもつエネルギーと振動数の比例関係の定数。

 

プランク定数は「定数」ですので、エネルギーの大きさを考える上で無視しても大丈夫です。（相対性理論の「c」も光の速さとなり、定数です）

 

周波数は目にみえないものであり、私たちの感情エネルギーや意識、思考を当てはめることでエネルギーを計算できるのが「E＝hv」。

 

つまり、私たちは常に何らかのエネルギーを出している（消費している）ことになるのではないでしょうか。

 

そこから何かを感じるには、いわゆる五感を駆使するわけです。逆に五感がなければ、さまざまな世界を感じることはできません。

 

また、五感を通じて感じた世界を「現実」と思い込んでいるだけで、幻の世界である…。そんな表現もありました。私たちが感じている現実は、五感を通した電気信号の交換であり実態のない世界…。

 

なんとも不思議な理論が書かれています。

 

しかし、どんなことでも自分でやってみることは全て、エネルギーということがわかると思います。

 

イメージすること（エネルギーの消費、目に見えないこと）が物事に影響を与えている。

 

イメージできないものは現実化できない。そのように解釈することもできると考えられます。

 

第２章：価値観をゼロから書き直そう

第2章では、「過去書きかえノート」「セルフイメージアップミラー」「摩擦係数ゼロドリンク」「万有引力ベルト」「ワクワクメトロノーム」「パラレルワールドドア」という、6つのアイテムが登場してストーリーが展開されていきます。

過去書きかえノート

誰にでも振り返りたい過去やトラウマになっていることはあると思います。

 

ヒロは離婚した経験がトラウマになって、女性が苦手になりました。しかし、合コンに行くことになり、叶えもんに相談します。

 

叶えもんは「過去書きかえノート」を出して、アドバイスします。そして、合コンに行ったヒロは、前妻からミジンコと呼ばれていた過去を話すことに。

 

しかし、それを聞いた美穂さんという女性は「ミジンコは人間よりもDNAが多い」ことを調べて話しました。

 

つまり、ひとつの物事であっても見方が変われば解釈が変わるということです。

 

例えば、楽しみなキャンプの当日に雨が降ったらどうでしょうか。キャンプを楽しみにしていた自分は残念な気持ちになるでしょう。一方で日照りが続いていたとしたら、農家にとって恵の雨になります。

 

「雨が降る」という同じ出来事に対して、立場が変わると考え方も変わるわけです。

 

忘れたい過去やトラウマも解釈次第でポジティブにとらえることができるでしょう。物事がうまくいかない時に限って、ネガティブな要素を考え込んでいるものです。

セルフイメージアップミラー

トラウマや嫌な過去をポジティブにとらえることは大切でも、全てをポジティブに考える必要はありません。

 

ポジティブすぎると猪突猛進になり、大きな失敗をしてしまうことがあるからです。

 

ネガティブというのは、必ずしも悪いことばかりではありません。慎重な行動を取るには、一歩引いて考えることも重要です。

 

セルフイメージアップミラーのストーリーでは、「この世界の全ての出来事は陰と陽で成り立っている」と解説しています。

 

量子力学の世界では「相補性の原理」といって、対極のものがあるから成立する考えになります。

 

長所のなかにも短所があり、短所のなかにも長所がある。

 

そのすべてを受け入れることで、他人への愛を持った行動につながるのでしょう。今の自分の状況を振り返ると思い当たるところがあるかもしれません。

 

「自分は誰にでも気軽に話しかけられる」

 

という長所があったとしましょう。しかしながら、「相手の状況を考えずに話しかけてしまう」という短所的な見方も潜んでいないでしょうか。

 

「自分は根暗で交友関係が狭い」

 

こんな短所といえる特徴を持っていても、「交友関係が狭い分、1人でいろんなことに時間を費やせる」という長所もあります。

 

このように、長所でも短所になることがあり、短所でも長所になることがあるのです。

 

これらをしっかりと受け入れると心が楽になっていきます。

摩擦係数ゼロドリンク

あなたは、誰かと意見が食い違ったり物事へのアプローチが違ったりしたらどう思いますか。

と思うのか、

 

と思うのか…。

 

摩擦係数ゼロドリンクのストーリーで、ヒロは先の合コンで知り合った美穂さんと食事をする場面があります。美穂さんはラーメンをフォークで食べたようで、ヒロは注意してしまいます。

 

「小さい男」

 

といわれて険悪なムードになったところで、叶えもんからのアドバイスが入ります。

 

争いが起きる理由は自分の価値観が正しいと思い、相手の価値観を否定してしまうからと、叶えもんはヒロに告げます。

 

世の中は、相対性があり「平和があるから戦争がある」「暗闇があるから星が輝く」…。

 

幸せを体験したいなら、不幸を体験しないといけない。そのように考えると、相対性は納得できるでしょう。

 

1つの事実には無限の解釈があっていいわけですね。

万有引力ベルト

万有引力とは、質量を持つ全ての物体の間にはたらく引力のことです。

 

引力は距離が近くにいればいるほど大きくなります。例えば、磁石のS極とN極は距離が近いほどくっつきやすくなりますね。

 

しかし、距離が離れるとその力は弱まります。人間も同じで、身近にいる人の影響を受けます。あなたの日常生活を思い出してみましょう。

 

 

あなたにマイナスな影響を与える人が周りにいませんか？

 

自分が意図せずとも、そのような人のそばにいると影響を受けてしまいます。

 

もし、あなたが

と考えるならば、お金持ちの人や成功している人の近くに行くようにしましょう。

 

前述のとおり、直接会いに行けない人であっても、動画や書籍で出会うことができます。

 

目標とする人に少しでも触れてみることが大切です。万有引力ベルトのストーリーでは、そのようなことが解説されています。

ワクワクメトロノーム

メトロノームは、音楽のテンポやリズムを確認するための指針になります。ワクワクメトロノームのストーリーでは、自分軸の定め方が解説されています。

 

地球は地軸を中心に自転しているように、人生においての自分軸は大切です。

を考えることで、自分軸が定まってきます。

 

自分軸がないと自分がどのように人生を歩んでいくか、分からなくなります。ぜひ、あなたも自分軸をみつけてみましょう。

パラレルワールドドア

パラレルワールドとは、ある世界から分岐して併行存在する別の世界を意味します。

 

パラレルワールドに関しての映画もあるため、どのような世界を示すのか、イメージできる人もいるでしょう。

 

いろんな世界をみられるというアイテムとして、パラレルワールドドアを叶えもんが紹介します。

 

ヒロは会社でトラブルがあり、同僚と揉めました。そのときに、叶えもんからパラレルワールドドアを与えられます。

 

揉めてしまった同僚と「大喧嘩する未来」「言いなりになる未来」「仲良くなる未来」のいずれかの世界を選べることに。ヒロは「仲良くなる未来」を選択します。

 

人が想像できる全ての未来は、すでに宇宙に存在する世界であることに気づきます。私たちの生活はさまざまな選択の連続ですね。例えば、お昼ご飯に何を食べようかと考えることもそうです。

 

 

などイメージを膨らませるでしょう。そのなかから何を食べるか決断するわけです。そして、人生を変えるには大きな決断をすることも必要であることが述べられています。

第３章：どんな夢でも叶えもん

第3章では、「夢かなノートとペン」「レーザー幸線航」「感謝のクラブサンドウィッチ」が紹介され、夢を叶えるための手順が展開されていきます。

夢かなノートとペン

あなたは、夢を叶えるためにどのような計画を立て、行動しているでしょうか。

 

夢かなノートとペンのストーリーは、ヒロが彼女の美穂と結婚することや大富豪になる夢を叶えるための行動について展開されています。

 

夢を叶える人は

 

というのが口癖。

 

一方、夢が叶わない人は

 

といった言葉が口癖になっています。

 

量子力学的にいうと、願望は目に見えない波の状態です。

 

願望を現実化するには、思考を粒化することで観測できるようになります。具体的にはイメージしたことを言語化することが大事。

 

言語化すると夢の実現に近づくことができます。言語化するにはノートなどにしっかりと書く必要があり、書くときは8つのルールがあります。

1. 主語を明確に書く
2. 完了形で書く
3. 肯定形で書く
4. できるだけ明確に書く
5. 期限を明確に書く
6. 叶って当たり前だと思う
7. 期限まで叶わなかったらもっといい夢が叶うと思うこと
8. 書いたらみえないところにしまっておく
   

以上のようなルールをもとに、ヒロは夢を書くことになります。

など、いくつかの夢を書きあげました。

 

そして、ポイントと思えるのが「書いたら、みえないところにしまっておく」です。

 

量子ゼノン効果というものがあり、夢を描いたノートをみているだけでは実現しないのです。しかし、8つのルールに従って書くことで、臨場感のある夢となり、願望が意図化できます。

 

あなたも、８つのルールに従って夢を書くことから始めませんか。

レーザー幸線銃

多くの人がレーザー光線をみたことがあるでしょう。会議などで使うレーザーポインターは、それなりに離れた場所からでも目的箇所をマーキングすることができますね。

 

それはなぜかご存知でしょうか。

 

光源から発せられる全ての位相が同じだからです。私たちが夢を叶えるためにも同じようなことがいえます。

 

「思考」「言葉」「行動」の3つをそろえることが夢を叶えるポイントです。

 

• 臨場感あるイメージをする（思考）
  
• 明確に言語化する（言葉）
• 圧倒的に行動する（行動）
  

 

以上の3つが大切です。

 

なかでも、夢や目標を達成するには「圧倒的な行動」が必要。

 

繰り返しですが、偉大なる開発者や経営者は圧倒的な行動をしたからこそ、成果をおさめています。

感謝のクラブサンドウィッチ

本当の成功をおさめた人は、物事を立方体の視点（３次元）や時間軸を加えた4次元の視点でみています。

 

あなたがサンドウィッチを食べるとしましょう。

 

そのときに、

と考えられるかです。

 

・誰がつくったんだろうか

・具材の生産者は誰なのか

・仕入れ先はどこなのか

・輸送経路はどうなっているか

など

 

サンドウィッチひとつでも無数の視点が生まれてきます。そして、「サンドウィッチを食べられる」という出来事には、さまざまな人が関わっています。

 

今起こっている事実に感謝することができれば、人生はうまくいくでしょう。

最終幕：もし今日生まれたとしたら、どんな人生にしたい？

最終幕は、まとめとして叶えもんから問いかけがあります。

 

「もし、今日生まれたとしたら何がしたい？」

 

その答えが、今、あなたがすべきことです。

 

私たちには無限の可能性があり、どんな人生でも創造できます。

まとめ

高橋宏和さんの著書「あなたの夢を叶えもん」は、量子力学をもとに夢を実現する方法について書かれています。

 

素粒子、万有引力など目にみえないものやエネルギーを後ろ盾とした理論で書かれているため、にわかに信じがたい人もいるでしょう。

 

しかしながら、私たちの根源であるものに注目し、わかりやすく解説している書籍です。

 

非常に理にかなっている内容が、ストーリ仕立てで楽しめます。量子力学と聞くと小難しい感じもしますが、ヒロと叶えもんのやり取りから理解しやすいですよ。

 

ぜひ、「あなたの夢を叶えもん」を読んで、夢の実現を果たしましょう。

 

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