トヨタの社長が「終身雇用を守っていくのは厳しい」と発言したことが大きな話題を呼びましたが、あなたはこれについてどう感じていますか?
人それぞれ受け止め方はあると思いますが、楽観的に考えている人でも、”社会になにか変化が起きている”ということは気が付いてると思います。
でも、「自分には関係ない話」と思っていたり、「まだ若いし、将来のことは後々考えよう。」なんて思っていませんか?
もしそうだとしたら、少し考え方を改めた方がいいかもしれません。
僕は28歳になる直前まで日本企業で正社員として働いてましたが、終身雇用を意識したことは記憶上ありません。
終身雇用が今ほど騒がれてなかったことも理由ですが、そもそも終身雇用に価値を感じていませんでした。
だからこそ今のような生活があるわけですが、日本と海外に住み、働き方を変えてみて見えたことがあります。
そこで世間のニュース、さまざまな調査データを基に、終身雇用の実態とこれからの社会と働き方にどう向き合うべきか?について解説をしていきます。
1、終身雇用に期待するのはやめたほうがいい。
2、今勤めてる会社が定年の時まで存続している可能性は低い
→老舗企業含む、倒産企業の平均寿命は23.9年。アメリカの企業の平均寿命は15年。
3、倒産しなくても、経営状況が悪化すればリストラは当たり前にある。
→2000年以降、NECで約1万人、富士通で約1万4千人の人員削減がされている。
→対象者は45歳以上がメイン。
4、安定が欲しいなら、自分自身の価値を高めることが最善の策。
→”備えあれば患いなし” これからの時代に活きるスキルや働き方を身に付けるべき。
5、副業解禁や、働き方の多様化を活用する
まず結論ですが、世の中で語られている「終身雇用は崩壊してる」という情報にプラス、終始雇用”以前”に「今勤めてる会社や、会社が提供してる商品やサービスが、自分が定年の時まであるのか?」という視点を併せて持つべきです。
「今の会社に一生勤めたい!」と思っていても、会社が倒産してしまえば意味がありませんし、これからの時代の流れで経営状況や提供するサービスが変わり、自分が不要な存在になってしまうことも考えられます。
この記事では、自分の人生を会社に託す「会社依存型」の考えはやめた方がよい、という部分を解説します。
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目次
終身雇用制度とは?
終身雇用とは、同一企業で倒産が起こらない限り、定年まで雇用され続けるという日本特有の雇用慣行です。長期雇用慣行と呼ばれることもあります。
雇用条件を良くし、人材が他の企業に流れないようにするために、戦後から始まった制度です。
「新卒採用」や「年功序列」も日本ならではの文化ですよね。
終身雇用制度は本当に崩壊してるの?
「昔よりも環境変化が起こりやすい時代なので、終身雇用を守っていくのは企業にとって難しくなってきました。」という経営層の認識が広まっている状況です。
また時代の変化は終身雇用だけに言えることではありません。
特に環境変化が大きかった通信業の世界です。一昔前は固定電話や公衆電話が一般的でしたが、今はスマートフォンの時代に突入しています。
このように、数年でガラッと世界は変わっており、雇用制度も変わっていくことが予想されています。
どんなに経営が好調でも、ある時からガクンと売上が下がることはありますし、いつコロナのような不況が訪れるかも分かりません。そのため、経営者は終身雇用制度を維持することが難しいのです。
富士通、NEC、ソニー、JAL、東京電力、マツダなど、名だたる大手企業でリストラが断行されてきた理由もそこにあります。
・日本のトップ企業のひとつ、トヨタも大きな変革期を迎えている
日本を代表する大企業トヨタは、1950年の経営危機時に1,600人のリストラを行って以来、半世紀以上もリストラせずに経営を続けてきた会社です。
できる限りリストラをせずに雇用を守ってきた会社からの「終身雇用を守っていくのは厳しい」という発言
トヨタの現状は一体どうなっているのでしょうか?
トヨタだけでなく自動車業界全体の話ですが「自動車業界だけがライバルではなくなっている」ということが大きなポイントです。
自動運転技術に目が向けられる今、自動車もIT化が進み、GoogleやAppleといった異業種とも主導権争いをするようになりました。
そうなると、”自動車に詳しい人”ではなく、”AIに詳しい人”が必要になりますよね。
ソフトバンクの孫社長の発言にもありましたが、日本はAI技術の面で世界から遅れています。
つまり、AIに精通した人材は貴重で、最近は新卒初任給に1,000万円を提示する企業もあるほどです。
時代とともに企業寿命が短くなっている
2000年に入ってからは、大手生命保険会社や地方銀行、JALやウィルコムなど、入社すれば安泰と思われていたような大企業も倒産をしています。
新卒入社から定年退職までの約40年間、最近は「人生100年時代、定年70歳」とも言われ、約50年間の労働をするのが当たり前です。
しかし「最初に入社した企業が、自分が定年の時まで経営しているのか?」という疑問が湧いてきませんか?
東京商工リサーチが発表している、2018年の企業倒産調査によると、1年間で倒産した企業数は8,235社。
その内、業歴30年以上の老舗企業の倒産数は2,292社。
倒産企業の平均寿命は23.9年となっています。
ちなみに帝国データバンクによると、ここ10年で創業した企業は18万社あり、倒産した企業は11万社。
創業100年を超える企業は、国内のわずか2%です。
さらに、btrax社が発表している「現代における大企業の平均寿命は15年」によると、アメリカの企業では【1955年の企業平均寿命は75年だったのが、2015年の企業平均寿命は15年】と、企業寿命は時代とともに短くなっていることが分かります。
あなたはこの事実を見て、どう思いますか?
安定や終身雇用って”幻想”、あってないようなもの、という認識の方が自然な考えではないでしょうか。
こういった現実を知らずに、終身雇用を信じて意思決定(企業選び)してしまうのは危険です。その企業でしか通用しないような知識やスキル、働き方しか身に付いていないとしたら、もしもの時に対応できません。
雇用してもらっている以上は会社を信頼して、100%の力で働くことがあるべき姿ですが、どこかで「自分の身は自分で守る」という考えを持つことが必要ということです。
年功序列が薄れリストラされるミドル世代
日刊SPAの、「45歳以上はクビ!?NEC、富士通、コカ・コーラetc.でリストラが進行中」
の記事で取り上げられていますが、多くの企業で早期退職のターゲットになっているのが45歳以上の社員です。
早期退職とは定年より前に退職をすることです。
企業の業績悪化などに伴い、人件費削減のために定年前に退職を募ることが主な理由。
日本は年齢や勤続年数に応じて給与が上がる「年功賃金」を採用してる企業がほとんどなので、若者よりもベテランに声がかかるケースが多いです。
これと似たような言葉に「希望退職」というものがありますが、これは通常よりも多くの退職金を支給するなど、優遇措置を設けた上で退職を募るものです。
どちらも強制的な退職(リストラ)の前に退職希望者を募ることが多く、よく”希望退職に〇千人が殺到”みたいなニュースを見ますが、対象者はリストラされるくらいなら、優遇措置を受けられる辞め方を選ぶだけで、会社を辞めたかったわけではありません。
新卒から20年、30年と働いた企業から急に「辞めてほしい」と言われることは珍しくありません。
ちなみに、2000年以降、NECでは約1万人、富士通では約1万4千人、三菱UFJでは9,500人、三井住友では4,000人、みずほでは1万9千人の人員削減が行われました。
2019年、日産も1万人規模の人員削減計画を発表。終身雇用の時代が終わりつつあるのが現実味を帯びてきました。
※参考:日経ビジネス「撤退と人員削減の連鎖 NEC・富士通の復活はあるか」
人手不足なのになぜリストラが進むのか?
日本は少子高齢化の影響で、労働力が不足しています。
「人手不足を解消するために外国人労働者を増やす」というニュースは記憶に新しいですよね。
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査2018年」で業種別の企業の状況が見えてきました。以下はその調査データから抜粋したものです。
52%の企業が正社員が不足していると回答しています。
2年前と比べると10%以上上昇しており、過去最高を更新。
特に、放送業・情報サービス業・運輸、倉庫業の3業種では70%超え、しかも大企業が最も人手不足を感じているんです。
そうなると「なんで大企業はリストラするの?」と矛盾してますよね。
1、人件費の高騰
賃上げによる人件費の高騰がひとつの原因です。
人材確保の施策として有効な面はありますが、企業としては人件費の高いミドル世代を減らし、安い労働力をより多く確保しなければなりません。
その結果、ミドル世代の早期退職やリストラが進んでいるのです。
2、IT化・自動化
時代が進むにつれてIT化や自動化が進んでいます。それに伴い、人間の仕事量が減り、人件費の削減を行う企業が増えました。
また中には、従来型の業務にしか対応できない人もいます。
「社員は足りているのに、対応できる人が不足する」という状態が起こるわけです。
富士通では、人員削減の前に”配置転換” つまり、総務や経理などの人手が足りている間接部門から、営業やシステムエンジニアといった部門へ移し、適正のある人は継続して働けるよう調整したこともありました。
適正がなければリストラです。
「年功賃金の恩恵を受けられるタイミングで切られるって...全然おいしくない!」
20~30代で切られるなら転職も容易ですが、40代を超えると特別なスキルや知識がなければ転職は難しいでしょう。
仮に転職しても、自分より若い人から指導され、給料も大幅下がった状況で働けますか?
日経ビジネス:「一切笑えなかった」リストラ機に44歳の初転職で、そのリアルな現実が語られています。
大手企業の課長、年収1,000万円プレイヤーに突然のリストラ勧告。転職活動で応募した企業は60社、面接まで進めたのは16社。内定は出たものの年収350万円減。
みんな終身雇用や年功賃金に対してどう思ってる?
ここまで終身雇用の意味や、現代社会の状況について説明してきましたが、「そもそも、みんな終身雇用を意識してるの?」という疑問もあると思います。
ここでは、独立行政法人)労働政策研究・研修機構が発表する「第7回勤労生活に関する調査結果」のデータを基に見ていきたいと思います。
1、「終身雇用」の支持割合
どの世代も87%を超えており、圧倒的に終身雇用制度が支持されていることがわかります。
2、「年功賃金」の支持割合
3、「一企業キャリア」の支持割合
4、「複数企業キャリア」の支持割合
「1社で定年まで勤め続けることが美徳」と文化がありますが、現在の若い世代も1社で勤め続けたいと考えている人が多いです。
日本生産性本部が発表している「新入社員意識調査」のデータも見ていきたいと思います。
5、「条件の良い会社があれば、さっさと移る方が得だ」と思うか?という設問
6、「自分のキャリアプランに反する仕事を我慢して続けるのは無意味だ」と思うか?という設問
つまり、自分のやりたいことよりも、与えられた仕事をこなすべきと思う人が6割以上。
これらのデータを見る限り、いろんな企業で就労経験して、スキルを高め、自分の能力を上げて、それに見合った待遇を得たいという人よりも、
1つの企業で長期的に安定して働いていければ良い。という人が多いことがわかります。
ここまでの話の要点を一旦まとめると、
- 環境の変化に備え終身雇用の継続が難しくなった
- 企業寿命が短くなっている
- ミドル世代の早期退職(リストラ)が増えた
- 就職した会社で一生働いていきたいと思っている人は多い
つまり、時代の流れと人々の理想の差分がどんどん広がっているのです。
「年収1,000万円のような高望みはしないから、今の会社にずっと雇い続けてもらえればいい。」という発想こそ、実は安定から遠ざかっているのです。
「じゃあ一体どうすればいいの?」
政府が対策してくれたり、企業側が雇用条件を良くしてくれたりするわけではありません。
答えは1つ。”自分の価値を高める”です。
これから必要とされるスキルを理解し、自分の価値を高める必要があります。
新たなスキルや知識を身に付け、個人でも戦える力をつけておくことが大切です。
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後半はこれまでとは違った視点で、企業と個人の関わりの変化や、日本と海外の雇用の違い、そして今から学ぶのにオススメのスキルや働き方について紹介します。
企業と個人の関わり方が変わってきている
時代が進み、働き方の多様化が進んでいます。
2015年の日本の労働人口における正社員比率は45.2%。
かつては「正社員にならないと」と雇用形態を気にする人が多かったですが、現在は雇用形態に囚われずフリーランスとして働く人も増えてきました。
CrowdWorks(クラウドワークス)やランサーズなどの、クラウドソーシングサービスの活用が増えたことも要因のひとつです。
健康機器メーカーのタニタでは「働き方改革=残業削減」に特化するのではなく、個人が働く時間帯や量をコントロールできて、さらに会社にある上下関係をフラットにすることを目的とした、社員の個人事業主化という独自の社内改革を実現しています。
また、新卒でしか採用を受け付けてなかった大企業が、中途採用を始める流れもきています。
これまではじっくり社員育成していた部分を、外部から即戦力となる人材を集め出したのです。
つまり、新卒の就活の時に第一志望だった企業に再チャレンジできる可能性もあるということです。
今の時代、安定がないという話をしてきましたが、ポジティブに考えれば、新たな選択肢が増えたと考えてもいいでしょう。
副業が解禁されて、自身の活動の幅を広げられるチャンス
前述したクラウドソーシングでは、その仕事だけで年収2,000万円を超える人が登場しています。
まだすべての企業で副業が解禁されたわけではありませんが、多くの企業で副業を認める動きが出ています。
会社でできない仕事に挑戦したり、新たなスキルを学習したり、なにか1つに捉われず、個人で動けるという考え方が浸透してきました。
さらに付け加えると、新たな人やコミュニティとの出会いも人生を豊かにする上で欠かせないポイントです。
一般的なサラリーマンは、仕事を始めて、結婚をして、子どもを作り、退職の頃には子どもは巣立ち、奥さんと2人生活になります。
しかし仕事中心の生活だったため、ぽっかりと時間が空き、急に孤独になってしまう人も多いです。
こういった状況を脱するのも、自分次第です。
日経ビジネス:「定年退職」2ヶ月後の自分に起きた変化で、そのリアルな現実が語られているので、気になる方はどうぞ。
日本企業と海外企業の雇用や働き方の違い
海外の企業は
・実力主義
・リストラも当たり前
・人間関係がフラット
・残業が少ない
・有給が取りやすい
と日本と大きく違う部分があります。
アメリカやドイツは日本と同じく学歴が重要な社会なので、大手に就職したければ学歴が必要です。
ただ、入社後は違っていて、日本のように丁寧に育てるという文化はなく、成果の出ない者はリストラ。
会社に貢献してきた歴が長くても、パフォーマンスが下がった状態が続けば、容赦無く切られます。
当然、日本の企業側も、
「使える人材だけがほしい」
「使えない人材は切りたい」
と感じています。
また、転職大国のアメリカでは、18才から46才までに仕事を11社以上経験する人も多いです。長期的に同じ企業で働くことが一般的な日本では考えられない数ですよね。
欧米では転職回数が多い人の方が高評価を受け、給料も良い傾向にあります。
それに対して現代の日本では「できることが限られたシニア。会社にしがみつくシニア」を問題視する企業が増えてきました。
日本企業の人材育成の制度では、スキルが身につきにくいと言われています。
そして雇用が続く安心感による向上心・モチベーションの低下、生産性の低さが大きな問題となっています。
※参考:BUSINESS INSIDER「1社で定年まで 終身雇用消滅時代に求められるキャリア自律」
そして終身雇用制度がなくなっていけば、そういった人からリストラされるのは自然な流れです。
最近はフリーランスや在宅で仕事をしたい主婦など、リモートーワーカーに仕事を委託する企業も増えてきました。
アメリカでは2025年までに企業で働く人口とリモートワーカーの人口が逆転する流れがあり、働き方に変化が起こっています。
そのため、スキルがないまま会社にしがみついているのは危険です。
新しいスキルを身に付けて、個人でも戦える準備が必要になってくるでしょう。
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まとめ
ここまで終身雇用や働き方についてお話をしてきました。
終身雇用の崩壊ってすごくネガティブに見えますが、個人で活動をしやすくなったというポジティブな面もあります。
この現実を活かすかは自分次第です。これからの時代に適応したスキルを身に付け、将来の生活に備えておきましょう。
新しい仕事や働き方に挑戦してみてることも必要です。
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