2020年3月から、日本でも提供が開始された5G。
いよいよネット社会も「高速大容量通信」「超低遅延」「多数同時接続」の時代がやってきます。
5G対応スマホも販売が開始され、新しい世界が広がりつつあります。
VRやARなど、仮想現実の世界がより近くになったり、4Kや8Kといった超高解像度の映像が楽しめたりするようになりました。
さまざまなものがネットに繋がり(IoT)、身に着けるものや、生活環境、学ぶ環境、働く環境が大きく変わりそうです。
これから新しい時代が到来するにあたり、この5GやIoTによってどんな世界になるのか?
これを知っておけば、これから身につけるべきスキルや、新しいアイデア、働く環境を事前に考えておくことができます。
ちょっと難しい単語かもしれませんが、難しい説明は少なめにして、それがどのように使われるのか?について、わかりやすくお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
5Gとは?
5Gの「G」は、Generation:ジェネレーション(世代)のことで、「第5世代移動通信システム」と表現されています。
3Gから知っている人も多いと思いますが、これまで通信は4段階の進化を遂げていて、5段階目の進化に移ろうとしているのです。
5Gはアメリカと韓国で先立って段階的に提供が開始され、日本の通信キャリアの提供は2020年3月から始まりました。
5Gで何がどのように変わるのかを解説する前に、これまでの進化の歴史をカンタンにご紹介します。
1G:バッグのように持ち運ぶ携帯電話、アナログ回線の時代。
2G:1993年以降。PHSが普及し、メールができるようになったデジタル回線の時代。
3G:2001年以降。折りたたみ携帯が主流の時代。ワンセグ機能が流行りました。
4G:2010年以降。iPhoneが日本に上陸したのは2008年。
次世代へ移行するに従ってわかりやすく変わった点は、通信速度です。
僕自身、携帯電話を持ち始めたのが2001年頃なので、ちょうど3Gに移行したあたりでした。
当時はDoCoMoの携帯を持っており、iモードを使っていたのが懐かしいです。
LINEのようなチャットツールはなく、みんな携帯キャリアのメールアドレスでやり取りしていました。
みんなこぞって着メロを設定してましたが、ほんの10年ちょっとでここまで進化し、当時が遠い過去のことに感じます。
昔はワンセグでTVが視聴できていたものの、地下鉄では電波が届かず、かなり電波良好な場所でない限り動画視聴は難しかった記憶があります。
今の4G(LTE)だと、地下鉄に乗ってても普通にネットに繋がりますし、YouTubeの動画は電波が良ければストレスなく視聴できます。
では、5Gに移行するとどのような変化があるのでしょうか?
5Gの特徴は、「高速大容量通信」、「超低遅延」、「多数同時接続」です。
カンタンに言うと、どんな状況でもすごく快適にインターネットが使える環境になるというイメージです。
4Gになって通信環境が良くなりましたが、映画のような大きなデータを読み込むのはどうしても時間がかかりますし、人が密集してる場所だと通信状況が悪くなって、動作が遅くなってしまうこともありました。
今YouTubeを始めとする動画サービスではライブ配信が流行ってますが、通信中に不具合が起こったり、会社の遠隔会議システムで、通信が途切れてしまったりすることがあります。
5Gに移行したら、これらのストレスは一切なくなると言われています。
例えば映画のような大容量データのダウンロード時間は、5~6秒で完了するほどのスピード感だそうです。
という人も多いと思います。
僕はそんなにYouTubeを観ないですし、「みんなそんなに通信状況に不満あるのかな?」
って思いましたが、5G移行のポイントは個人利用よりも、商用利用にあります。
今、注目をされている「自動運転」は、高速道路などの一部の道路、東京都などの一部のエリアでの実用化が計画されています。
ハンドル操作も部分的に不要になり、段階的な進化をしていく予定です。
その進化を進める上でキーポイントになるのが「5G」です。
自動運転は通信なしには成り立ちません。
常時すべての車と遅延なく通信できていなければ、停止がズレて事故に繋がることは容易に想像できると思います。
今後さまざまなモノがインターネットに繋がる社会(IoT)を実現する時に必要不可欠なのが、5Gというわけです。
今は身近なごく一部のモノがインターネットに繋がってる状態なので、4Gでも十分対応できますが、自動運転のほか「遠隔手術」も実現が予測されている中、1秒を争う現場では通信環境に不安があると導入は実現できないですよね。
来たる未来のために、まずは土台の構築をしておこうということです。
ちなみに、日本国内のIoT市場は2018年で約6兆3千億円。今後は年間約13%成長すると言われており、2023年には市場規模が約11兆円超に達する予測が出ています。
数字が大き過ぎてピンときませんが、5Gの登場以降もまだまだ進化する分野という理解で問題ありません。
IoT(アイオーティー)とは?
IoTとは、Internet of Thingsの頭文字を取ったもので、日本では直訳して「モノのインターネット」と表現されています。
これまでインターネットに繋がるモノと言えば、パソコンやスマホ、もしくはiPadのような端末でしたよね。
今ではパソコンやスマホ以外のモノがインターネットに繋がり、その社会をIoTと言います。
例えば「玄関ドア」と「インターネット」の繋がりをイメージしてください。
「玄関ドアとインターネット?どういうこと?」ってなりますよね。
わかりやすいのがQrio Lockという製品。スマートロックと表現していますが、スマホで玄関ドアが開けられるというもの。
言うまでもなく、本来玄関ドアは家の鍵を使って施錠しますが、ドアがインターネットに繋がってる状態になると、鍵は不要です。
自分のスマホと玄関ドア(正確に言うと鍵のロックの部分)が繋がって、自分がスマホを持った状態で玄関ドアに近付くと自動で施錠される仕組み。
最近の車はキーをポケットに入れてる状態でもドアを開けられますよね。それの玄関ドア版とイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。
「鍵どこだっけ?」と探す必要がなく、荷物で手がふさがってる時にも便利です。さらに、スマホからドアの施錠も可能です。
「モノのインターネット」少しイメージ沸きましたか?
これまでただのモノだったところにインターネットが入って、スマホや人と繋がるようになっているんです。
例えばもしご紹介したこのスマートロックが、これから一般家庭の当たり前になったとしたら、「便利だなぁ!」と思う反面、困ってしまう業界も出てきます。
例えば、鍵を作る仕事の需要が減るかもしれません。
もっと言えば、キーケースやキーホルダーの需要も減るでしょう。
新たな当たり前が生まれると、今ある当たり前が減る。という見方もできます。
IoTの事例4選
車をインターネットで繋ぐことで実現する自動運転やスマートロックのほか、どのようなIoTがあるのでしょうか?いくつかご紹介します。
スマートゴミ箱:BigBelley Solar
アメリカやオーストラリアでは一般的になりつつあるゴミ箱で、パソコンやスマホから、どのくらいゴミが溜まっているかが見れるゴミ箱です。
これによってゴミ回収の頻度を減らしつつ、ゴミが溢れてしまう状態を作らないようになりました。
例えばアメリカのフィラデルフィア市では、スマートゴミ箱を導入前、週に17回のゴミ回収をしていたのが、導入後はわずか3回で済むようになり、ゴミ収集にかかる費用を年間70%も削減することに成功しています。
観光地や人口が多い都市では、非常に役立ちそうなIoT事例ですね。
スマートマンホール蓋:マンホールアンテナ
出展:東京都下水道サービス㈱ |
出展:明電舎 |
こちらは、水位センサーとガスセンサーを搭載したマンホールで、
現場に行かずともネット上で状況確認ができ、ゲリラ豪雨などによる異常水位上昇、臭気対策が早期にできるというもの。
また水位センサーを含め、携帯電話網の中距離無線通信の基地として2018年4月に(株)NTTドコモが国内初、マンホール型基地局の試作機を開発。
観光地や景勝地などのアンテナの設置場所に困る場所や、基地局の設置が難しかった地域などでの導入が進んでいます。
また、人の集まる場所での通信速度低下の改善につながり、将来的な5Gへの技術の応用も並行して検討しているそうです。
まさに今後の5Gの普及のために必要な設備といえるでしょう。
参考:㈱NTTドコモ 国内初、マンホール型基地局の試作機を開発-観光地や景勝地など、人の集まる場所への新たな基地局として活用-※マンホールアンテナは、東京都下水道サービス㈱と日之出水道機器㈱および㈱明電舎との共同開発品です。
おいたらおかわりが届く:おかわりコースター
こちらは、おかわりコースターにグラスを置くと、自動的におかわりのオーダーが入り、お客は店員を呼ぶ手間なく追加オーダーができるというもの。
お客側だけでなく、店員がオーダーを取りに行く手間も省ける、さらに、”頼みやすさ”による客単価アップの期待があり、人手不足と人件費高騰が深刻な飲食業界の助けとなるアイテムとして注目されています。
新たな売り場、新たな販売:マイ・ショッピング・コンシェルジュ
こちらは、タッチパネル型のデジタルサイネージを店舗に置き、ひとつの「売り場」とすることで、お客自身で商品検索や発信している情報を確認してもらうというもの。
スマホアプリと連動していて、デジタルサイネージがあるお店に行くと、特売情報のお知らせが届いたり、選択した商品をスマホ上で決済したり、配送手配をしたりできます。
外国人のために多言語対応もしており、多様性のある新たな売り場、販売を実現しています。
働き方改革にもIoT
これまでの内容から、モノとインターネットが繋がることで
- 便利になる
- 仕事が楽になる
- 生産性が上がり
とイメージが沸いたと思いますが
実は人と人との「コミュニケーション力アップ」にもIoTは役に立っています。
日立が行う「組織活性化支援サービス」では、名札にセンサーを組み込むウェアラブル(身に付けられる、という意味)名札から収集した従業員の行動データを集め、
コミュニケーションの状態を可視化し、AIによるデータ分析をして、組織をより良い状態にするための施策を提案するサービスを提供しています。
人の体の動きと幸福感には相関があるらしく、社員の行動データとAIによる分析から、組織活性度を高める方法を導くことができるようです。
参考:ITmedia「IoTとAIで実現する”社員の幸せ”と”生産性向上”を両立する働き方改革」
IoTが進化を続け5G時代が到来すると、社会はどうなる?(予測)
前段でIoTの事例5つ、その前にスマートロック、自動運転のことにも触れましたが、5年10年後は今とは様変わりした世界になっていると思います。
例えば自動運転の実用化は2030年代と予想されています。自動運転が実現されたら、社会や個人にはどのような変化やメリットがあるでしょうか?
本当に自動運転でどこでも行けるようになったとしたら、ハンドルやアクセルが不要になるため、まず車自体の見た目が変わるでしょう。
また今までは、人が操作する運転には事故がつきものでした。
操作をミスやあおり運転、人同士の衝突、飲酒、居眠り、ながら運転...こういったヒューマンエラーは自動運転によってなくなります。
スマホで家から車を呼んで、行き先を入力したら、あとは自由時間。メイク、食事、映画鑑賞、睡眠、仕事、なんでもできますよね。
移動時間という概念はなくなるかもしれません。
事故が減って、運転時間をすべて自分の時間に使えるようになるのです。
また、1人1台、もしくは1家に1台車を所有するという概念もなくなりそうです。これが当たり前になれば、車の購入、駐車場の確保、メンテナンスが不要になります。
高齢化社会の日本においては、高齢者が外出・生活しやすい環境作りの一環でもあり、社会全体で見た時のメリットはかなり大きいと言えるでしょう。
しかし、このようなテクノロジーの進化によるデメリットはないのか?
懸念される代表的なところとして「雇用問題」があります。
例えばIoTの事例でご紹介した、フィラデルフィア市のスマートゴミ箱の導入実績、大幅なコストカットに繋がっていますが、その内訳にはゴミ回収担当者が33人から9人に削減(73%カット)されている点も含まれています。
自動運転が普及したらどうでしょうか?
タクシー、トラック、要人の専属の運転手など、運転を仕事にしている人は、リストラの対象になってしまいます。
また、従来の車に必要だった部品(ハンドルやアクセル)の製造も不要になるでしょう。
という意見を出す人もいるようですが、自分もテクノロジーの変化による恩恵を受けてきた側面はあるはずです。
- スマホやパソコンでネット注文
- LINEで無料通話
- YouTubeで自由に動画視聴
など、今使用しているサービスはテクノロジーが進化してきたおかげです。
それに伴って、公衆電話事業で仕事していた人、テレホンカードを作ってた事業者などは仕事が激減しました。
雇用のためにスマホ使うのをやめて、「家の固定電話、公衆電話を使う生活に戻しましょう」と言ったらどうですか?
大多数の人が、「それはちょっと...」ってなると思います。
その時代で求められるものは変わっていくので、こればかりは仕方ありません。
総務省が発表する「労働力調査」によると、2019年7月の日本国内の失業率は2.2%。
この数字は世界的に見るとかなり低水準で、アメリカは3.7%、韓国4%、ドイツ3.1%、フランス8.2%、イタリアでは9.7%。
スペインやギリシャでは10%を超えています。
※ちなみにヨーロッパの失業率が高いのは、経済状況が悪かったり移民が多いこともありますが、日本人と比べて仕事を選ぶ人が多いという気質も影響しています。
新しい何かが生まれて現状の仕事が減ったとしても、それに代わる仕事ができて、新たな雇用が生まれます。
人によっては今の仕事を継続できなくなりますが、仕事が一切なくなるわけではありません。
つまり、社会の変化に合わせて、自分も変化することが大切です。
自分の勤めている会社も、5年後10年後に残っているか分かりません。
会社が存続したとしても、終身雇用は実質崩壊してると言われ、働き方改革、業務効率化の影響で残業が減り、収入が減ってると嘆く人も増えています。
そんな中で安定を求めるためには、
- 個人で戦えるスキルを身につける
- 会社以外でも働ける仕組みを作る
これに尽きると思います。
社会の変化をニュースで追っても、状況は悪くなる一方です。
メガバンクや富士通、NEC、日産などの大手企業が続々と人員削減をしてるのはご存知でしょうか?
自分の将来のすべてを1つの企業に頼るのではなく、「自分の身は自分で守る」に方向転換し、自分の市場価値を高めることが今の時代1番の安定の形と言えるでしょう。
興味のあることに挑戦してみるのが1番だと思いますが、次の項目ではこれからの時代に身に付けるべきスキルをご紹介していますので、参考までにご覧ください。
これからの時代に身に付けるべきスキル
これからの時代に必要なスキルを紹介します。
ITエンジニア
具体的にはプログラマーやSEのことで、スマホのアプリなど、IoT、AI関連のモノ作りに携わる職種です。
非常に需要が高い業界で、今後も拡大していくと予想されています。
テクノロジーを使う側にいるだけでなく、作る側、保守・点検する側になるという発想ですね。
「AIに仕事が奪われる時代がやってくる!」という言葉をよく見かけますが、ITエンジニアは人材不足が深刻です。
経済産業省が発表する「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2030年の日本国内のITエンジニアは約79万人もの人材不足が予測されています。
よく介護職や飲食業は人材不足と言われ、2019年4月からは外国籍人材の受け入れ拡大。2018年の有効求人倍率で見ると、介護職(約3.3%)、飲食業(約3%)、IT開発職(約2.6%)とほぼ同水準です。
外国籍人材以外、介護用ロボットの開発や飲食業界のIoT・AI化により、少しずつ状況は改善されるかもしれませんが、IT開発職は人のチカラが必要な職種です。
そう考えると、今後まだまだ需要の高いスキルであることが納得できると思います。
政府はITエンジニア人材を確保するため、2020年から小学校でプログラミング教育の必修化を決定しました。
プログラミングを学ぶ人が増えるということは、現場最前線でプログラミングをするだけでなく、教える側の仕事も増えることが想像できます。
学校での講師、プログラミングの家庭教師なんて習い事ができる日もくるかもしれません。
意外と知られていませんが、ITエンジニアは40%が文系で、理系との差は実はあまりありません。
営業職や美容師さんなど、業界未経験の人が仕事の合間に勉強をし、1年以内にプログラマー転職を果たしてるケースも珍しくありません。
詳しくは以下の記事で紹介されていますので、興味のある方は参考にご覧ください。
まとめ
5GとIoTが進み、どのような未来が待っているか解説をしてきました。
あまり難しく理解しようとせずシンプルに、「5Gに移行し、IoTやAIが進化することによって、社会全体がインターネットに繋がる環境がやってくる」
というイメージで問題ないと思います。
便利さと引き換えに失われることは少なからずありますが、その変化に応じて自分も変わっていくことが大切です。
「仕事や働き方を変えた方が良いかも...」と感じられた方が、新たなことへ挑戦するキッカケになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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